ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2020.8.16 エンハーツ2クール目投与後11日目のこと 束の間、非日常へ

2020-08-16 21:55:08 | 日記
 日曜日。今日も朝から暑い。
 昨夜もまだ米飯を食べる元気がなく、主食は素麺をリクエスト。投与から10日経って、ようやくお腹が空いて食事が美味しいと感じられるようになった。もはや夕食当番はデフォルトで夫となり、私は洗い物専従である。
 久しぶりに(というか2回目投与以降初めて)身体を動かしたせいか、気持ち良く疲れ、食後は早々に眠くなった。ソファと一体化して録画したドラマを1本視ただけでそそくさと入浴、就寝。
 夜中に1度目覚めたけれど、すぐに寝直して朝までぐっすり。よく眠った。相変わらずお腹が痛くて目が覚めるけれど、下痢までにはならず、ほっとする。

 朝食には久しぶりにロールパンを1個半。未だ青汁はパスだけれど、好きなグレープフルーツジュースをたっぷり飲めて幸せ。桃も梨もヨーグルトも美味しい。
 昨日に味を占めて、今日は昼前のヨガベーシックのクラスを予約した。現イントラメンバーでは一番ベテランのIさんのクラスだ。昨日は9人で広々だったけれど、今日は男性5名、女性12名の満員。やはり皆、クラスとイントラさんでしっかり選んでいるなあと思う。ガイドが上手なので、ついつい頑張ってしまい、びっくりするほど汗が出る。

 ウオーリアⅡから三角のポーズまでの、このクラスでは一番ピークに達するフローのところでくらっと目眩がする。ここでひっくり返っては大変、とちょっと座って休んでいたら、「熱中症になったら大変ですから!」とアイスノンを届けて頂いた。有り難かった。後半の寝ポーズではアイスノンをおでこやら首の後ろに置かせてもらいながら無事リタイアすることなく終了。レッスン後の10分ヨガはパスしてフロントでお礼を言ってアイスノンをお返しする。いやはやまだ完全に身体が復帰したわけではないな、と暫し反省。

 シャワーでさっぱりして、タクシーで帰宅する誘惑にかられながら、ロータリーがガラガラなのを見て諦め、とぼとぼと帰宅。ウエアの洗濯をしてから軽い昼食を摂る。
 新薬エンハーツを開始してちょうど今日で1ヶ月と1日。考えていたよりも副作用が思いのほか辛く、ろくに食べられない、動けない、夫におんぶに抱っこの1ヶ月だった。

 本当なら昨日は10日にわたるトルコ旅行から帰国する日だったなぁと思いつつ、殆ど衝動的に、海が見たい!ずっと食事当番を押しつけていた夫にお礼かたがた美味しいものをご馳走したい!と昨年も今の時期に宿泊したホテルをネットでさくっと予約した。

 例年主治医が関わる乳がんフォーラムの折り、家族揃って宿泊していたけれど、今年はコロナ禍の影響でフォーラムの開催は中止だ。JRの乗換え駅ではタイミング良く快速が来てすんなり終点まで。1年ぶりに降りた駅前は来春オープンのゴンドラの工事中だった。

 夫と2人で非接触型体温計をクリアし、メディカルシートにチェックをして20階のお部屋にチェックイン。遊園地が見えるシティビューのお部屋は、遊園地の夜景が美しく賑やかで綺麗なのでこれまでこちらを選んでいたけれど、今年はベイブリッジが一望出来るベイビューのお部屋にした。涼しく快適な部屋からは青い海、青い空、大きなお船、さらに遊園地もちゃんと見えてすっかりテンションが上がる。思い切って来て良かった。
 インルームダイニングでウエルカムドリンクを頂き、人心地ついた。

 その後、フレンチレストランでディナーである。夫には9品のフルコース、私のお腹ではフルコースは無理そうなので7品のハーフコースを予約した。
 半ば個室の席に案内され、夫はシャンパンで、私はジュースで乾杯。冷前菜、温前菜、スープにメインディッシュをそれぞれ別々のチョイスにしてちょっとずつ味見。美しい盛り付けで眼福、どれを頂いても美味な口福。美味しく食事が摂れるようになったことを実感出来る幸せな2時間余りを過ごした。

 それにしても上げ膳据え膳、涼しい中で美味しいお料理を頂けるようになったとは。一昨日の段階ではまだ本当に来られるかどうか不安でドタキャンもありかも、と思っていたので本当に満足。
 デザートとお茶まですっかり満喫してレストランを後にした。

 その後、ホテルを出て向かいの遊園地の夜景を愉しみながら、運河の散歩道を小一時間歩いて写真を撮りながら部屋まで戻ってきた。外はまだ日中の熱は冷めていないけれど、海風が鼻をくすぐる。せっかくだからナイトクルージングに乗ってみようとか、遊園地でいつものように観覧車に乗ってこようとかいう過ごし方もなくはなかったけれど、また欲張ってへばってしまっては元も子もない。とにかくホテルでのんびり海を見て、しっかり美味しい食事を頂くというのが今回の目的だからだ。

 束の間の非日常を愉しみ、また来週から仕事も治療も頑張りたい。それにはやっぱりニンジンは必要だったな、と単純な私はしみじみ思う盛夏の夜である。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする