朝食後のこと。
夫が非を認めたLINEを送ってきたので、やむなしとする。
とはいえ、土砂降りの中、出かけるのはどうしても気が進まない。
うじうじしているうちに部屋の呼び鈴が鳴る。お掃除の時間だ。夫と息子の部屋が先に始まってしまい、夫がこちらに緊急避難して来る。2人の部屋の掃除が終わったタイミングで、今度は私が2人の部屋に移動して出かける準備。
「せっかくここまで来たのだから」という夫の常套句で、出来れば本を読んでいたいという希望は破棄される。「お昼も食べなければいけないし、濡れるのは地下鉄の駅までだけだから」という言葉に、濡れたくないしホテルで食べてもいいし、の提案は却下された。
出かけたのはちょうどお昼。チェックアウトの時間である。フロントで傘を借りてホテルを出る。ああ、やっぱり酷い降りだ。ものの5分歩いて直ぐに地下に潜るが、早くも滅入ってくる。
夫は大須の商店街に行こうと張り切っている。息子が赤ちゃんの頃、一度来たというが殆ど思い出せず、何があるのか興味も沸かない。
屋根付きアーケードだし濡れないから大丈夫、とのこと。大須観音にお参りしてから、ということで地下鉄24時間チケットを購入していざ出発。
大須観音は俗称で、正しくは北野山真福寺寶生院。立派な本堂は2階建て。その周りに大きな白いノボリがはためいている。雨降りの中、境内の鳩たちが何故か水たまりで水浴びをしている。夫は面白がって写真を撮っている。
まずはお参りを済ませ、自動車学校に通学中の息子に交通安全のお守りを頂く。
早く傘を畳みたいとアーケードに入る。雨降りの月曜日の昼下がり、それなりの観光客がいる。
何の当てもない散策である。そもそも夫は有松の古い町並みを歩きたかったようだが、そこに屋根はなく、諦めたらしい。後は是非きしめんを食して帰りたいとのこと。
けれど、大須の商店街は新しめの今時のお店ばかりで、きしめん専門店のようなお店は見えない。朝食が遅かったし、私はまだまだ空腹を感じない。
ようやく一軒、手打ち蕎麦のお店を見つけるが、まだ触手が動かず、そのまま別の通り、更に別の通りを歩く。
空腹よりも足の疲れ、足の裏の痛みを感じてくる。びっくりするほど派手なお寺がドーンとアーケードに面しており、ちょっとたじろぐ。白い龍の巨大なオブジェが2時間毎に動くようで、皆カメラを構えている。織田信長の父である織田信秀の菩提寺だそうだが、こういうお寺に納骨するのはどうも・・・と思ってしまう。そう思いつつ、そのお寺の名物という「信長身代わり餅」をお土産に購入。
さすがに草臥れてそろそろお昼を、とお店を探すが、見つからない。結局、最初のお店に戻ることに。既にランチタイムも終わる頃で客足がピークを過ぎ、広い席に座ることが出来た。私は初めて味噌煮込みうどんを頂き、夫は当初からの希望であるきしめん定食を頂く。味は私にはかなり濃いが、身体が温まる。
途中、馴染みと見える年配の女性の1人客が2人入ってきて私達を入れて4人となったが、静かにゆっくり食事を摂れたので良かった。
この後、お城にでも行くかと言われるも、かつて行ったことがあるし、雨の中これ以上歩くのは勘弁してほしいということで、再び地下鉄に乗って駅のアーケードを冷やかす。
何にも欲しいものもないし、早く帰ってお茶でもしたいとホテルに戻ってきた。見れば4時間近い外出で既に万歩計は11,000歩を超えている。疲れるわけである。地下鉄でちょっと2駅座るだけで、ウトウトしてしまうのだ。
綺麗に整った部屋に入り、濡れたコートを干し、濡れた靴を脱ぎ、ほっと一息してから、ラウンジでお茶。
ここのラウンジは4階まで吹き抜けのアトリウム。水のせせらぎも聞こえ、とても開放感がある造りになっている。
息子の帰りを待つので夕食が大分遅い時間になるのは必至。小腹を満たすのにスコーンと紅茶を頂く。
1時間ほどのんびりと寛いで、私は部屋に戻り、夫は近くに見つけた中古レコード店へ繰り出し、掘り出し物をゲットしてきた。
ホテルのロビーにはチェックインした時にはまだ飾られていなかったクリスマスツリーが美しく輝いている。
部屋には「今日から空調システムを冷房から暖房に切り替えさせて頂きました」というご案内も入っていた。今年もいよいよ40日を切ったと思うと、ちょっとゾクッとする。
息子は無事研修を終え、一旦自宅に戻って身軽になって新幹線に乗り込み、夕食は以前一人で訪れた時に頂いてとても美味だったという、ひつまぶしのお店を指定してきた。出かける時には雨があがり、ほっとする。
明日はお互い帰京と帰阪になるので、最後の晩餐である。
一杯目から三杯目までお店が紹介している通りの美味しい食べ方をし、皆であっという間に平らげた。私は二杯目のネギとワサビの薬味をたっぷり散らす頂き方が一番好きかしらん。
そしてホテルに戻って三度(みたび)私の部屋に集合。これから最後の宴会スタート(2人は缶ビール、私はオレンジジュース)である。振り返れば今日も17,000歩弱、雨にもめげず良く歩いた1日だった。
夫が非を認めたLINEを送ってきたので、やむなしとする。
とはいえ、土砂降りの中、出かけるのはどうしても気が進まない。
うじうじしているうちに部屋の呼び鈴が鳴る。お掃除の時間だ。夫と息子の部屋が先に始まってしまい、夫がこちらに緊急避難して来る。2人の部屋の掃除が終わったタイミングで、今度は私が2人の部屋に移動して出かける準備。
「せっかくここまで来たのだから」という夫の常套句で、出来れば本を読んでいたいという希望は破棄される。「お昼も食べなければいけないし、濡れるのは地下鉄の駅までだけだから」という言葉に、濡れたくないしホテルで食べてもいいし、の提案は却下された。
出かけたのはちょうどお昼。チェックアウトの時間である。フロントで傘を借りてホテルを出る。ああ、やっぱり酷い降りだ。ものの5分歩いて直ぐに地下に潜るが、早くも滅入ってくる。
夫は大須の商店街に行こうと張り切っている。息子が赤ちゃんの頃、一度来たというが殆ど思い出せず、何があるのか興味も沸かない。
屋根付きアーケードだし濡れないから大丈夫、とのこと。大須観音にお参りしてから、ということで地下鉄24時間チケットを購入していざ出発。
大須観音は俗称で、正しくは北野山真福寺寶生院。立派な本堂は2階建て。その周りに大きな白いノボリがはためいている。雨降りの中、境内の鳩たちが何故か水たまりで水浴びをしている。夫は面白がって写真を撮っている。
まずはお参りを済ませ、自動車学校に通学中の息子に交通安全のお守りを頂く。
早く傘を畳みたいとアーケードに入る。雨降りの月曜日の昼下がり、それなりの観光客がいる。
何の当てもない散策である。そもそも夫は有松の古い町並みを歩きたかったようだが、そこに屋根はなく、諦めたらしい。後は是非きしめんを食して帰りたいとのこと。
けれど、大須の商店街は新しめの今時のお店ばかりで、きしめん専門店のようなお店は見えない。朝食が遅かったし、私はまだまだ空腹を感じない。
ようやく一軒、手打ち蕎麦のお店を見つけるが、まだ触手が動かず、そのまま別の通り、更に別の通りを歩く。
空腹よりも足の疲れ、足の裏の痛みを感じてくる。びっくりするほど派手なお寺がドーンとアーケードに面しており、ちょっとたじろぐ。白い龍の巨大なオブジェが2時間毎に動くようで、皆カメラを構えている。織田信長の父である織田信秀の菩提寺だそうだが、こういうお寺に納骨するのはどうも・・・と思ってしまう。そう思いつつ、そのお寺の名物という「信長身代わり餅」をお土産に購入。
さすがに草臥れてそろそろお昼を、とお店を探すが、見つからない。結局、最初のお店に戻ることに。既にランチタイムも終わる頃で客足がピークを過ぎ、広い席に座ることが出来た。私は初めて味噌煮込みうどんを頂き、夫は当初からの希望であるきしめん定食を頂く。味は私にはかなり濃いが、身体が温まる。
途中、馴染みと見える年配の女性の1人客が2人入ってきて私達を入れて4人となったが、静かにゆっくり食事を摂れたので良かった。
この後、お城にでも行くかと言われるも、かつて行ったことがあるし、雨の中これ以上歩くのは勘弁してほしいということで、再び地下鉄に乗って駅のアーケードを冷やかす。
何にも欲しいものもないし、早く帰ってお茶でもしたいとホテルに戻ってきた。見れば4時間近い外出で既に万歩計は11,000歩を超えている。疲れるわけである。地下鉄でちょっと2駅座るだけで、ウトウトしてしまうのだ。
綺麗に整った部屋に入り、濡れたコートを干し、濡れた靴を脱ぎ、ほっと一息してから、ラウンジでお茶。
ここのラウンジは4階まで吹き抜けのアトリウム。水のせせらぎも聞こえ、とても開放感がある造りになっている。
息子の帰りを待つので夕食が大分遅い時間になるのは必至。小腹を満たすのにスコーンと紅茶を頂く。
1時間ほどのんびりと寛いで、私は部屋に戻り、夫は近くに見つけた中古レコード店へ繰り出し、掘り出し物をゲットしてきた。
ホテルのロビーにはチェックインした時にはまだ飾られていなかったクリスマスツリーが美しく輝いている。
部屋には「今日から空調システムを冷房から暖房に切り替えさせて頂きました」というご案内も入っていた。今年もいよいよ40日を切ったと思うと、ちょっとゾクッとする。
息子は無事研修を終え、一旦自宅に戻って身軽になって新幹線に乗り込み、夕食は以前一人で訪れた時に頂いてとても美味だったという、ひつまぶしのお店を指定してきた。出かける時には雨があがり、ほっとする。
明日はお互い帰京と帰阪になるので、最後の晩餐である。
一杯目から三杯目までお店が紹介している通りの美味しい食べ方をし、皆であっという間に平らげた。私は二杯目のネギとワサビの薬味をたっぷり散らす頂き方が一番好きかしらん。
そしてホテルに戻って三度(みたび)私の部屋に集合。これから最後の宴会スタート(2人は缶ビール、私はオレンジジュース)である。振り返れば今日も17,000歩弱、雨にもめげず良く歩いた1日だった。