ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2021.11.22 旅の3日目その2 息子が戻ってくる迄の夫との過ごし方とその後のこと

2021-11-22 21:51:55 | 
 朝食後のこと。
 夫が非を認めたLINEを送ってきたので、やむなしとする。

 とはいえ、土砂降りの中、出かけるのはどうしても気が進まない。
 うじうじしているうちに部屋の呼び鈴が鳴る。お掃除の時間だ。夫と息子の部屋が先に始まってしまい、夫がこちらに緊急避難して来る。2人の部屋の掃除が終わったタイミングで、今度は私が2人の部屋に移動して出かける準備。

 「せっかくここまで来たのだから」という夫の常套句で、出来れば本を読んでいたいという希望は破棄される。「お昼も食べなければいけないし、濡れるのは地下鉄の駅までだけだから」という言葉に、濡れたくないしホテルで食べてもいいし、の提案は却下された。

 出かけたのはちょうどお昼。チェックアウトの時間である。フロントで傘を借りてホテルを出る。ああ、やっぱり酷い降りだ。ものの5分歩いて直ぐに地下に潜るが、早くも滅入ってくる。

 夫は大須の商店街に行こうと張り切っている。息子が赤ちゃんの頃、一度来たというが殆ど思い出せず、何があるのか興味も沸かない。
 屋根付きアーケードだし濡れないから大丈夫、とのこと。大須観音にお参りしてから、ということで地下鉄24時間チケットを購入していざ出発。
 
 大須観音は俗称で、正しくは北野山真福寺寶生院。立派な本堂は2階建て。その周りに大きな白いノボリがはためいている。雨降りの中、境内の鳩たちが何故か水たまりで水浴びをしている。夫は面白がって写真を撮っている。
 まずはお参りを済ませ、自動車学校に通学中の息子に交通安全のお守りを頂く。

 早く傘を畳みたいとアーケードに入る。雨降りの月曜日の昼下がり、それなりの観光客がいる。
 何の当てもない散策である。そもそも夫は有松の古い町並みを歩きたかったようだが、そこに屋根はなく、諦めたらしい。後は是非きしめんを食して帰りたいとのこと。

 けれど、大須の商店街は新しめの今時のお店ばかりで、きしめん専門店のようなお店は見えない。朝食が遅かったし、私はまだまだ空腹を感じない。
 ようやく一軒、手打ち蕎麦のお店を見つけるが、まだ触手が動かず、そのまま別の通り、更に別の通りを歩く。

 空腹よりも足の疲れ、足の裏の痛みを感じてくる。びっくりするほど派手なお寺がドーンとアーケードに面しており、ちょっとたじろぐ。白い龍の巨大なオブジェが2時間毎に動くようで、皆カメラを構えている。織田信長の父である織田信秀の菩提寺だそうだが、こういうお寺に納骨するのはどうも・・・と思ってしまう。そう思いつつ、そのお寺の名物という「信長身代わり餅」をお土産に購入。

 さすがに草臥れてそろそろお昼を、とお店を探すが、見つからない。結局、最初のお店に戻ることに。既にランチタイムも終わる頃で客足がピークを過ぎ、広い席に座ることが出来た。私は初めて味噌煮込みうどんを頂き、夫は当初からの希望であるきしめん定食を頂く。味は私にはかなり濃いが、身体が温まる。
 途中、馴染みと見える年配の女性の1人客が2人入ってきて私達を入れて4人となったが、静かにゆっくり食事を摂れたので良かった。

 この後、お城にでも行くかと言われるも、かつて行ったことがあるし、雨の中これ以上歩くのは勘弁してほしいということで、再び地下鉄に乗って駅のアーケードを冷やかす。
 何にも欲しいものもないし、早く帰ってお茶でもしたいとホテルに戻ってきた。見れば4時間近い外出で既に万歩計は11,000歩を超えている。疲れるわけである。地下鉄でちょっと2駅座るだけで、ウトウトしてしまうのだ。

 綺麗に整った部屋に入り、濡れたコートを干し、濡れた靴を脱ぎ、ほっと一息してから、ラウンジでお茶。
ここのラウンジは4階まで吹き抜けのアトリウム。水のせせらぎも聞こえ、とても開放感がある造りになっている。
 息子の帰りを待つので夕食が大分遅い時間になるのは必至。小腹を満たすのにスコーンと紅茶を頂く。
 1時間ほどのんびりと寛いで、私は部屋に戻り、夫は近くに見つけた中古レコード店へ繰り出し、掘り出し物をゲットしてきた。

 ホテルのロビーにはチェックインした時にはまだ飾られていなかったクリスマスツリーが美しく輝いている。
部屋には「今日から空調システムを冷房から暖房に切り替えさせて頂きました」というご案内も入っていた。今年もいよいよ40日を切ったと思うと、ちょっとゾクッとする。

 息子は無事研修を終え、一旦自宅に戻って身軽になって新幹線に乗り込み、夕食は以前一人で訪れた時に頂いてとても美味だったという、ひつまぶしのお店を指定してきた。出かける時には雨があがり、ほっとする。

 明日はお互い帰京と帰阪になるので、最後の晩餐である。
 一杯目から三杯目までお店が紹介している通りの美味しい食べ方をし、皆であっという間に平らげた。私は二杯目のネギとワサビの薬味をたっぷり散らす頂き方が一番好きかしらん。
 
 そしてホテルに戻って三度(みたび)私の部屋に集合。これから最後の宴会スタート(2人は缶ビール、私はオレンジジュース)である。振り返れば今日も17,000歩弱、雨にもめげず良く歩いた1日だった。
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2021.11.22 旅の3日目、息子が出かけた雨の月曜日、気分も土砂降り

2021-11-22 10:37:39 | 

 昨夜は今朝の早起きに備えて早めに解散。ほろ酔い加減の2人を追い出した後、入浴を済ませ、酷使した足を抗ウィルスのアロマオイルで入念にマッサージした後、11時前にはベッドに入った。

 そして今朝、夜中に一度も起きることなく5時に目覚ましが鳴る。外は真っ暗だ。雨はまだ降っていない模様。

 「おはよう」LINEを入れて、2人が起きているのを電話で確認。夫のくぐもった声が聞こえた。6時にはタクシーをお願いしてあるという。足湯を済ませてから身支度にとりかかる。

 5時40分には身支度完了。いつでも送りに出られると電話した。5時55分には部屋を出るという予定だったから、ちょっと迷って50分過ぎにお手洗いに入ったら電話が鳴った。慌てて出ようとしたら電話が切れたので、予定が早まったのかと思って2人の部屋をノックする。

 ちょうど息子が靴を履いているところ。会社のパソコンが重くて大きいとのことで大きなバッグを携えている。よくもまあスーツも靴もパソコンも、あんなに小さなキャリーケースに詰め込んできたものだ。

 ロビーに降りると正面玄関に白いタクシーが待機していた。息子は無事に乗り込み、夫と揃って車が見えなくなるまで見送る。
 年明けには26になる息子に対して過保護な親だなあと我ながら苦笑する。夫は「まあ、こんなことは滅多にないし、旅のいい想い出になる」と。そこまでは良かった。

 ロビーに入るやいなや忘れ物大王が、「あいつ、朝ご飯を忘れた!」と言う。昨夜、コンビニでわざわざパンと飲み物を調達していたのだ。なるほどそのビニール袋、確かに持っていなかった。
 「なんと、せっかく買ったのに!」と応えると、夫曰く、色々準備をしている途中に突然私が現れたので、段取りが崩れたのだと宣う。
 「え、私のせいですか?」いきなり横っ面をはたかれた気分。

 思わずむっとしてそのまま部屋に。こういう時、別の部屋を取っていたことに感謝する。
 忘れ物大王とそのジュニア、これは自己責任なのではないか。まあ3人とも昨日の強行軍の後、かなりの早起きでヨレヨレしているし、無事新幹線に乗ることが出来たことで十分合格点なのだけれど。

 かくして息子は10分経たずして名古屋駅に到着し、予約した新幹線発車時間まで余裕の20分弱。セルフィーの写真が次々に送られてきた。
 寝過ごすことなく定刻に新大阪に到着して、会社最寄り駅には普段より早めに辿り着けたという。良かった、良かった。
 それにしても連休の合間に悉皆研修とはなんともお気の毒なことよ。

 息子が出てからは眠いし、不愉快だし、新聞に目を通した後はウトウトとニュースをBGMにふて寝。朝ドラをBSと地デジと2回見終わると、夫から電話。朝食はどうするの、とのお誘いである。

 夫は、私が何故こんなに不機嫌なのかいまひとつピンときていない。LINEで一言「朝から不愉快」と連絡したけれど、既読スルー。一日の始まりを台無しにされた気分を再度伝えるが、自分からは決して謝ってくれない。

 今日は和洋食ブッフェのレストランへ。起床から既に3時間半以上が経過している。一時はお腹が空いていたけれど、もはや時間が経ちすぎてよく分からない。

 広めの4人席に案内される。ビニール手袋をしてとりあえずサラダやフルーツ、スープとジュースを取って戻る。タンパク質が何もないと思い直して、オムレツを焼いて頂く。フレンチトーストを一切れにグリーンスムージーで今朝の薬を飲んだ。食事中もほぼ無言。夫は目が腫れぼったい。寝不足なのだろう。

 私は何時間喋らなくても割と平気だ。いつも夫が沈黙に我慢できなくなって謝ってくる、というのが結婚以来のパターンである。

 窓の外はいつのまにか予報通り強い雨が降り出した。
 今日は特に行きたい処もないし、雨の中、傘を差して靴を濡らして不案内な処を歩くのもストレスだ。
 明日は又2人であちこち予定を組んでいるようだし、明後日は通院日。今日は夜、息子が戻ってくるまで部屋でのんびり持ってきた文庫を読んで過ごすだけでもいいかな、と思うしょぼくれた気分の週始まり。文字通りのブルーマンデー、“いい夫婦の日”には縁遠い日である。


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