ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2021.11.7 エンハーツ21クール目 さらに減量17回目投与後11日目のこと 9年半ぶりに想い出の宿で心の洗濯・・・

2021-11-07 23:23:49 | 

 昨夜のオンライン同窓会は在米、在欧が最短でも四半世紀を超えるという面々の話にすっかり魅了され、お開きまでの2時間半が瞬く間に経過した。

 そして今朝、日曜日。
 当初は余り天気が良くないという予報で心配していたのだけれど、晴れ女の面目躍如で、行き先のお天気が好転する気配である。
 日曜日の目覚ましより1時間以上早く起床。洗濯機を廻しながら朝食の用意を。しっかり朝食を済ませ、洗濯物を部屋干ししたら、ぱぱっと荷物をまとめて6年前のGW、あまりの混雑に辟易して以来の湘南方面へお出かけ、である。

 乗り継ぎ駅で、1日フリー切符と予約したロマンスカーのチケットを購入して電車に乗り込む。今夜は、9年半前に、プチ虹のサロンのSさんとKさんと初めてのお泊まり旅をした時のホテルを予約している。
 あの時は皆、治療中とはいえまだまだ元気で、お喋りが止まらなかった。今度はどこへ行けるかしらと言いつつ、結局、後にも先にも彼女たちと泊まりがけの旅が出来たのはあの1度切りになった。

 このときに誕生日をお祝いした一番のお姉さんだったKさんは、2015年の10月に、同い年のSさんは2017年の12月に、宿泊は出来なかったけれど、翌朝から合流したSさんも昨年の8月にそれぞれ旅立たれている。

 そんな感傷に浸りながら、ロマンスカーは目的地へ到着。僅か30分ほどの乗車だったけれど、実に快適。車内はそれなりに席が埋まっていた。
 到着駅からは緑と黄色の可愛い路面電車に乗り換える。まずは荷物を預けて身軽になるため、一目散にホテル最寄り駅を目指す。
 坂道を登りながら懐かしさと切なさで胸が一杯になる。

 フロントに到着してチェックインの手続きを済ませ、荷物を預ける。少し早いけれど、別棟にあるホテルの和食レストランで昼食を摂ろうと行ってみると、残念ながら予約で一杯だった。ああ、今は予約しないで飲食店に出かけてくるのは間違いなのだと反省。気を取り直して路面電車の駅まで歩き、数駅先のホテルの和食レストランを目指す。

 緑と色とりどりの花々が溢れる中庭に面した大きな窓のあるホテル内のレストランはなかなかアタリだった。6人掛けの広いテーブルを2人で使わせて頂き、周りも年配者が多く、静か。ゆったりとくつろぎながら多種類の海鮮を愉しむことが出来た。

 お腹が満ちたところで、また駅に向かって歩き出す。ふと看板を見ると、ここからは学生時代に1度訪れて、素敵な建物だったことだけが記憶にある文学館が近いことに気づく。せっかくだから行ってみようということになる(今回はかなり行き当たりばったりの何も計画のない旅である。)。

 文学館の本館と敷地は加賀百万石藩主前田利家の系譜である旧前田侯爵家の別邸である。
 よくドラマの撮影等でも使われている、雰囲気のあるトンネルを抜けると、切妻屋根の和風とハーフティンバーを基調とした洋風が混在した館が顔を出す。
 この地にゆかりのある文学者の直筆原稿や手紙等が見られて、かつての文学少女には垂涎ものである。

 折しもかつてこの地方に在住した芥川龍之介の特別展開催中。100年前のスペイン風邪のパンデミックの頃の書簡なども展示されており、実に興味深く読んだ。
 庭園では秋薔薇が1割ほどの開花状況とのこと。花が見頃を過ぎ、少ないのがちょっと残念だったけれど、ちょうどこの時間、曇が動き、日が差して青空を拝むことが出来た。青空の中、館は映え、洒落た名前をつけられた薔薇の花たちはとても美しかった。

 散策の帰り道には、この地最古の神社である甘縄神明宮も通り過ぎ、隣の駅の方が近くなってしまう。息子の好きな豆菓子等を購入後、再び路面電車へ乗り込み、終点まで。

 さすがにちょっと疲れてお茶をしたいね、とお店を物色しつつ歩く。お土産のお菓子を買いながらぶらぶら。さすがに日曜日の午後、かなりの人出であるが、6年前のGWに夫と2人で来たときには殺人的な混雑で、二度とこの時期に来るのは止めようと誓ったことがあり、その時に比べればまだまだ、といったところ。夫は和のスイーツが良いというので、何軒か比較検討。

 入ったのは大正13年創業の老舗の和食・甘味処。半個室の造りで良かったと思ったところ、案内されたのは折悪く2つのテーブルがある場所だった。そして、隣り合わせた2人組の男性の賑やかなこと。マスクをせずに文字通り口角泡を飛ばして歴史談義である。お酒も入っているのだろう。

 うーん、これは辛い。席を替えて貰おうかどうしようかと逡巡していたら、夫がお店の人に交渉してくれて席を替わることが出来た。席を離れてもその男性の声が店内響き渡っていた。
 お店のあちこちに「マスク飲食認証」のステッカーが貼られていたが、これだけあからさまにノーマスク・声高会話をスルーしてしまうというのは、この認証制度のいい加減さを現わしていると思った。

 ここで夫が注文したのはが“政子石”白玉あんみつ。私はお薦めのプリンをお願いしたのだけれど、これが30分以上待っても出てこない。
 最初に時間がかかると聞いていれば別のものを注文したのに、となんだかとてもツイていない。お手洗いに立てば、男性のスタッフから足を踏まれる。もう泣きっ面に蜂である。
 40分ほどしてようやく提供されたあんみつとプリンは流石に美味ではあったけれど、なんだかなあのスイーツタイムになった。
 こうして予定以上に休憩時間を取られ、もう辺りは暮れなずみ始めている。

 もう帰ろうかと二の鳥居の前を通りかかると、狛犬様が大きなマスクをしているのに思わずクスリとして写真撮影。
 ここまで来て神社仏閣を何一つ見ていないのに気づいて、せめて一箇所くらいはと、混んだメインストリートを避けて、鎌倉七福神の寿老人が祀られている妙隆寺と、鎌倉幕府裏鬼門の鎮守として建てられた夷堂がその始まりという本覚寺の2カ所をお参りした。空には三日月の美しいこと。
 時間が許せば、夫は鎌倉五山の建長寺や円覚寺等に足を伸ばしたかった、と言っていたのだけれど、今回は時間切れで諦める。

 駅まで戻ってホテルを目指し、再び路面電車に乗る。かなり歩いたせいか座ったらがっくり。眠っては大変と気が張っていたのが裏目に出て、間違えて1駅手前で降りてしまった。
 あれ、このホームは違う、と思ったときには既に遅し。ドアが閉まり始めており、ここでまた1台遅れることになってしまった。上手くすれば最終のホテルシャトルバスに乗れたのだけれど、本当にボケボケである。

 ホテル最寄り駅に到着し、コンビニで青と赤のヨーグルトを買おうとしたら、扱いがなくこれまたがっかり。
 暗い道をとぼとぼ歩き、ホテルに辿り着いたのは夕食の時間の予約まで1時間を割っていた。荷物は部屋に運んでくれていたので、そのままカードキーを頂き、お部屋へ。
 最上階の部屋の大きな窓からは明朝、江ノ島の向こうに駒ヶ岳や富士山が見える筈で、今から愉しみである。

 荷物をほどき、お茶で一服してメインダイニングへ。秋の味覚満載のフレンチディナーに舌鼓。夫は今宵もワインを飲んで、ご機嫌である。
 私も前菜からメイン・デザートまでしっかり完食。先週の今日、廃人のごとく寝たきりで動けなかった、食べられなかったのが別人のようである。
 食後のミントハーブティを頂いた後は、ショップを覗いたり、ラウンジでのんびりしてから部屋に戻ってきた。本日の万歩計は1万6,000歩を超えた。

 明日は1日休暇を頂いている。ゆっくり朝食を摂ったら、チケットをゲットしてある水族館に繰り出す予定である。いいお天気になりますように。
 気がかりは便秘。昨日から酸化マグネシウムを飲んでいるけれど、全く改善の様子が見えないのである。
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