2016年12月23日(金)
「The Moscow Times は実在の新聞です。僕も良く読んでました。モスクワでほとんど唯一の英字新聞で、硬軟両方の記事が出ますが政治主張はリベラルでまともな新聞です。経営も英米系の会社だったと記憶します。さすがにこれを弾圧すると外国にばれるから、露骨にはできないでしょう。ロシア語の新聞ではこういうジョークは無理かもね。
でも、90年代のロシアの新聞、TVはこんなこと平気でやってました。某TVのエリツィンなど政治家のそっくり人形を使った風刺番組はとても人気がありました。そのTVは経営者、キャスター全て追放され今はまったくの御用TVです。やはり、メディアがつぶされると民主主義はだめになります。これは今の日本への教訓です。」
ロシア通の友人からのコメントである。ネット情報に依れば、The Moscow Times は1992年創刊で2008年の発行部数35,000部、フリーペーパー + 定期購読制で、新聞・雑誌販売所では入手できない。ロシアで最初の西欧向け日刊紙であり、所有者は当初インディペンデント・メディア社だったが、2005年にフィンランドの出版グループであるサノマに買収された。姉妹版のThe St. Petersburg Times もサノマ所有。
フィンランドとロシアの関係については、歴史を遡って見ておく意味があるかも知れない。日本と違って長い陸の国境線をもち、学ぶべき多くのことが起きてきたはずである。
ロシア通の友人は真剣な国際政治ウォッチャーでもある。最近の彼のコメントからもう一つ。
「シリア、イラクの領土を中心として、既に第三次世界大戦が始まっているのかもしれません。トルコ、ロシア、イランは参戦していてアメリカ、EUも有志軍として半分ぐらい参戦している。特にトルコはNATOの一員でありながらロシアと手を組んでいるという複雑な様相です。
犠牲になるのはいつもの通り、難民となってEUへ逃げている、あるいは逃げ出せないでいる一般の人々です。トランプが本格参戦に舵を切ったら、一気に戦火は拡大するかもしれません。」
重ねて傾聴。メルケル首相に声援を送りつつ動向を注視する。シリアからの悲痛な叫びが天にも地にもこだましている。
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