散日拾遺

日々の雑感、読書記録、自由連想その他いろいろ。
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自然愛好家の憂鬱(下) 台風一過

2019-10-16 23:32:59 | 日記
引き続きO君からの来信:

2019年10月13日
 各地に大雨被害をもたらした台風19号が通過して一夜明けた荒川沿いを訪れた。1週間ほど前に出あった花や生き物達が無事かどうか、心配になったからだ。
 現場に着いて愕然とする。泥色の水が両岸をあふれんばかりに流れ、花や生き物がいたビオトープや草はらは完全に水没していた。こんな絶望的な環境の中で、辛うじて種を繋いで来た絶滅危惧の動植物達が生き残れるのだろうか・・・。
 水中に没した可憐な花や小さな生き物達が生き伸びてくれることを心から祈る。

(左の小さな写真は10月5日に同じ場所で撮影)
 

 河川敷は濁流の海。所々、木立が緑の島のように浮かぶ。道路標識が水面から必死に顔を出している。野球場のスコアボードやバックネットが水に浸かっていた。自然を前に人間の力は無に等しい。大地の興亡を見つめてきた富士山が泰然として見えた。



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 夜のニュースにJR貨物のS氏のコメントが流れ、映像を見て10年近く前のことを即座に思い出した。当時、次男の学校の保護者会長、ついで後援会理事長を計4年務めたが、S氏は同校の卒業生でもあり御子息が通ってもいる縁で、「長」の字など付かぬ裏方として精力的に動き、生徒らの教育環境整備にきわめて実質的な貢献をしておられた。その明敏と先見の明、そしてモラルの高さに何度も驚かされたが、それもそのはず筋金入りのロジスティシャンだったのである。S氏であれば、その立場と影響力を最も適切なやり方とタイミングで使ってくれることだろう。
 それぞれがそれぞれの場で、できることをやっていくしかない。あの時も震災直後の混迷の中で、そのように励まし合ったのだったっけ。

Ω


自然愛好家の憂鬱(上) 野に咲く花と仲間達

2019-10-16 22:58:04 | 日記
2019年10月16日(水)
 O君より来信。みごとな写真と流麗な文章を、許諾を得て転載する。僕とは違って慎ましく、名を明かすことを望まないのが友人として誇らしくもあり、残念でもある。

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2019年10月5日 
 10月なのに真夏日、荒川沿いの彩湖、田島ケ原を歩く。ヒガンバナが学習センターの斜面を赤く染める。今年は開花が遅いそうだ。木道でトカゲに出あう。ヒメガマが揺れる。黄色いヤブツルアズキ。湖面でカモが翼を休めている。カルガモ? 秋→冬へ、を感じさせる風景。コセンダングサの花にアオスジアゲハがまつわりつく。小さい花のキツネノマゴ。アシ原で鳥が鳴いた。枝にはモズ。白菊がきれい。秋が来た!
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(続く)