2017年7月18日(火)
勝沼さん、重ねてありがとう。儒教なんですかね、やっぱり。
石丸がずっと気にしている ~ まさに気にしている「気」という言葉の用法について見ていくと、どうやら室町時代あたりの朱子学の継受がひとつのカギを握っているらしく思われます。武士道のあり方にも朱子学は強い影響を与え、とりわけ江戸時代前半は朱子学が公論。これを荻生徂徠が古文辞学によって批判克服し、対抗勢力また陽明学から力を汲むという具合に、儒教を抜きにして日本の思想史とりわけ政治思想史を語ることはできないのですが、儒教の受けとめ方・取り込み方の中に半島とはっきり違ったものがあるように思っていました。
儒教を学んで朝鮮は優等生、日本は劣等生という言葉をどこかで聞いた記憶があります。正面からまともに受け容れ全面的に実行した彼の国に対して、こちらは多分に不徹底で修正改良だらけということなのでしょうが、逆に言えば全面的に圧倒されたか、素材として消化したかの違いともいえそうです。「気」などはまさに好例で、本来もっと実体的で物理現象とも相互移入のある「気 qi」を、われらが祖先は完全に骨抜き脱灰して精神現象の仮主語として使うようになり、そこに誕生した「気 ki」は既に「気 qi」とは別物・・・などと睨んでいるのですがね。
突然ですが、涙でネズミの絵を描いた雪舟は明に留学してるのです。渡明は1467年(応仁元年)つまり応仁の乱の始まる年で、時に雪舟47歳、いろんな連想が働きますね。もっとも、雪舟自身はもっぱら絵を学んで帰ったのであって、朱子学継受の本流に関わるものではありませんが、何か何だかこのあたりにありそうな気がするんです・・・また「気」だよ。
この件、いずれあらためて。
「雪舟自画像」重要文化財 藤田美術館蔵(https://ja.wikipedia.org/wiki/雪舟)
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・タイトル: 追加 韓国と日本の似てる所、似てない所
・コメント:
韓国と日本の類似点としては前にあげた『サニー 永遠の仲間たち』はお勧めです。80年代と現代を行ったり来たりする映画なのですが、韓国も日本と同じようにオリンピックと学生運動、生活の激変を経ていたのかとハッとなりました。韓国に不思議な親近感を感じる映画です。
一方、韓国と日本の違いとして一番感じるのは儒教でしょうか。韓国映画の『悪いやつら』は税関職員の男がたまたま出会った暴力団の組長が遠戚だったことから、暴力と処世術で裏社会のトップに登りつめる話なのですが、なんとこれ実話なのです。日本人の私からすると韓国の親戚関係の強さは全く意味が分からない。
近年の日本映画と韓国映画はどちらも素晴らしい作品が多いですが、私の個人的な印象としては大ヒット映画の中での面白い作品の数は韓国と日本でかなり差があるように思えます。日本の(私が思う)良作は必ずしも大ヒットしてない。
韓国映画に『ミスターGO!』というゴリラがプロ野球選手になる映画があるのですが、この設定って水島新司の野球狂の詩にあったものです。こういうのが日本でつくられず、韓国で面白くつくられてヒットしてるのは、映画ファンとしては嬉しく、日本人としては少し悲しいですねぇ。。。
Ω