2016年8月25日(木)
「じんざい」に4種があるのだそうだ。
人材と人財はわかるとして、あとは人在と人罪だそうである。人材は「素材」、人財は「たから」、人在は「いるだけ」、人罪は「邪魔・迷惑」である。某中堅会社を一代で築いた創業者の持論だそうで、立志伝中の人は必ずこの種のユニークな人間観なり世界観なりをもっているものだ。話を教えてくれた同社の総務部長さんは、
「オマエはさしづめ『人在』だ、と言われましたよ」
と笑っている。とてもそうは思えないのだが、そんなこと言われて苦にもせず働き続けるのは、やはり創業の英雄に惚れるところがあるのだろう。部長さんの相談事はとある問題含みの職員に関することだったので、
「この方は『人罪』と見なされてるわけですか?」
と訊いたら、部長さんは「イイエ」と即答した。
「『人罪』は逆に見れば能力や存在感がある証拠ですから、きっかけさえあれば『人財』に化けてくれます。それを見抜いて待つのも私らの仕事です。今回の件は究極の『人在』であることが問題なんです。」
どうやら部長さん、創業者の哲学をバッチリ体得してるのではないですか?「オマエは『人在』だ」なんてとんだ戯れ言、むろん先方も部長さんもよく御承知ですよね。いまに生きる主従善哉、ごちそうさまでした。
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