プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

ポリネシア•カヤックトリップ4

2024-04-25 18:25:00 | ポリネシア•カヤック旅







 ぼくの行くところどこも、世界中風つよい。

 今日は毎秒12mくらいの逆風を負けじと漕いでたら、突然パドルが根元からポッキリ。後部デッキのスペアパドルがなかなか取り出せず、危なかった。
 スペアパドルがなかったらそのまま流されてリーフにクラッシュするところだった。

 カヤッカーでスペアパドル持たずに海に出る人いるけど、ぼく的にはライジャケと同じかそれ以上くらい大事なのがスペアパドル。
 今回荷物重量を考えてカーボン2本にしたけど、カーボンて使いすぎたら劣化して折れやすくなるね。

 幸い、町まで漕いでそこらの人に聞いたらハバイイスポーツというところでパドルが販売されてた。実はタヒチの島々全体でカヌー系パドルスポーツが国技として盛んで、田舎の島でも買えるってわけ。それも4分割という旅に適したアルミのやつ。8900パシフィックフランと物価高の島にしてはリーズナブル。もう一本のカーボンはほぼ新品だからそれをメインにしてこれをスペアに。
 アルミは重いけど折れにくい。遠征時のスペアとして安物のアルミパドルは最強。

 カヤッカーの皆さん、スペアパドルは必ず持って海に出てくださいね。



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ポリネシア•カヤックトリップ3

2024-04-25 18:23:00 | ポリネシア•カヤック旅











 ライアテア島。
 雨季だが、雨上がりの太陽光線が強烈で、山の緑が鮮やかに潤いを増したり、重い緑灰色だった海が発光したようにエメラルドのグラデーションに変わったりする瞬間とか、ドキッとする。
 光と色彩の関係が特別にビビッド。

 色彩の魔術師と言われた画家のアンリ•マティスは、タヒチの島々で経験した太陽光線によって、心の内奥で色彩を自由に使う術を見いだしたと、旅に出る前に読み漁った本の中に書かれていて凄く印象深かったのだけど、雨上がりの光の強烈さを感じてふと、これのことなのかもしれんな、と思わされた。
 
 マティスはいわゆる「マナ(自然のスピリット)」を捉えたのだろう。
 ジャンルは違うけど、ぼくらカヤッカーも旅するとき、瞬間瞬間にマナのようなものを捉えて進んでいくことが理想。
 カヤックも体育器具というより、楽器とか絵筆とか、そういう類のものだから。


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ポリネシア•カヤックトリップ2

2024-04-25 18:19:00 | ポリネシア•カヤック旅














 

 ライアテア島南西部。
 面白がってジャングルの海岸線でキャンプしてたらノノ(サンドフライ)の大群に襲われた。たしかキャプテンクックが、地球上で最悪の生き物と称したヤツら。まさしく砂粒が浮上してきて際限なく手足にまとわりついてくる感じ。ヒィヒィ言いながらテントを張り逃げこんだがあと10分遅れてたら発狂するレベル。

 翌朝おきたら隣りが朽ちたマラエ(聖地)らしき跡だった。未だに明らかになってないマラエ跡は島に無数にあるという。だからなのか何なのか、実に奇妙な夢をみた。変テコすぎはしたけれど、後味は悪くなかった。

 次に夕陽が美しい小島に辿りついたが、パンを食おうとしてかじると口腔に電流のような痛みが走る。吐き出すと小さなムカデが出てきた。
 チビで幸い。
 海水で口を洗ってると親切な地元民がビールをくれた。色々話しをしてると痛みが消えてきた。

 と、こんなことをポケットWi-Fiという代物によってタイムリーに投稿できる不思議。
 いいんだか、良くないんだか。


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ポリネシア•カヤックトリップ1

2024-04-25 18:15:00 | ポリネシア•カヤック旅















ポリネシア•ライアテア島、タプタブアテアのマラエ(聖地)。

 6000年くらい前に台湾あたりから船出し、フィリピン、インドネシア、ニューギニア、フィジーなどなどを経由してサモアやトンガから渡ってきたオーストロネシア語族の人々はここを分岐点として北はハワイ、東はイースター島、南はクック諸島やニュージーランドに渡っていった。

 各地に散ったポリネシアンは時に、ここに集結し、航海術の伝授や意見交換などがなされたという。環太平洋カヌー文化の最重要聖地。イスラム教徒におけるメッカ巡礼みたいなもの。

 ここで、14125個の島々を有する環太平洋黒潮文化圏・ヤポネシアのカヌー文化のあるべき未来を考える。
 遺産とは過去に固着するものではなく、流動性を持っている。地球環境時代におけるそれは、まだ始まったばかりだ。

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