プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

黒潮ストリート出身

2006-02-01 17:17:03 | 紀伊半島カヤックツアー

 海からの水蒸気が雲をつくり雨に生まれ変わって木々を潤しながら川を流れ再び海へ帰ってゆき数千年かけて世界を一巡りし、その旅の途上でぼくらがゴクリと飲んだりすることもあるように、水のあるところは世界中どこでも繋がりつつ、ひとつところに沈滞することなく流動している。

 日本列島は四方八方海に囲まれているが、その海は「黒潮」の影響が強い。「日本列島とは黒潮という大河の通り道の中洲みたいなものだ」と言う人もいるけれど、日本の自然風土はかなりの部分、この「黒潮」ってやつに育まれたものでもある。
 
 この「旅をする群青色の水」は、アマゾン川の流量500倍を誇り、太平洋をぐるーりと一周循環して、流域沿岸に特徴的な気候状況もたらす。

 下の写真は、本州最南端・和歌山串本大島の海金剛・樫野崎周辺のシーカヤックフィールド。黒潮がバーンとぶち当たるこんなところを漕ぎ進んでいると、いろんなことに思いをはせる。たとえば黒潮は、ここ南紀・熊野地方の木々を育み、世界遺産にもなった熊野特有のスピリットを支えながら流れゆく。やがて日本列島を離れ、はるか北米大陸まで流れてゆく。そして、蒸発する大量の湿気がアラスカの海岸山脈にぶつかって大量の雨を降らせ、南東アラスカに広がるたくさんの氷河や海岸線を埋め尽くす森林地帯を形成し、グリズリーベアやハクトウワシやアザラシを養い、大量発生したオキアミを求めてハワイ沖からザトウクジラがやってくる・・・・、
 黒潮は呼び名をかえて南下しさらに流れに流れて赤道をたどってフィリピン沖を目指す。

 この写真のブルーはいわゆる黒潮ブルー。Xwqz


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