

今回は音楽ネタです。
アフリカのセネガル沖に「カーボ・ヴェルテ」っていうあまり知られていない島国がありますが、そこ出身の「セザリア・エヴォラ(cesaria evora)」っていう女性シンガーが結構好きで色々調べているうちに、この国の音楽ってすごく面白いなって気づきました、特に、マイラ・アンドラーヂ(Mayra Andrade)っていう若手美人シンガーの歌が素晴らしく、ここ最近はまりまくっています。
ヨーロッパとアフリカを結ぶジブラルタル海峡の西に位置する島々のことを通称「マカロネシア」と言うらしいけれど、カーボ・ヴェルテはその中の、ひとつのまとまった島嶼国。元ポルトガル領で、音楽的にはポルトガルの「ファド」っていう情感深い音楽と、ブラジルのボサノヴァやサンバ、またスペインのフラメンコ、そしてアフリカ音楽の断片的リズムが絶妙に溶け合っていますが、全体的にしっとりとした哀愁と言いますか、深い影のようなものが底に流れています。
まあ、哀愁とか情感というと演歌などを連想しなにやらクサそうな感じがしますけれど、ぼくはこの哀愁具合、コブシ、影を想わせる情感に、非常に新しさを感じました。
哀愁、憂いとかそういう感情っていわゆる「ポジティヴ志向」じゃなくどちらかといえば「負」の感情とされがちですが、実はそう単純なものではなく、もっと微妙なニュアンスがある。昨今の日本はとかくポジティヴシンキングうんぬんかんぬんが尊ばれ、そうじゃないものは効率性に寄与しないネガティヴ思考で、それが過ぎるとイカレた犯罪に繋がっていくというような単純図式がマスメディアなんかでも描かれたりする。だけどそんなものは安物の塗り絵みたいなもので、人間の感情の機微、サウダージ(哀愁、憂愁、切なさ)ってやつはもっと細やかで、豊かなもの。だけれど今の日本、ギャグではない細やかな「哀愁」ってやつがゴソっと抜け落ちている、そういうことだからすごく新鮮に感じられたのかもしれないと、思います。
ブラジル音楽のクールな要素やアフリカンリズムの軽快さが情感のクサみを打ち消している、などと色々分析もできましょうがぼくはこの哀愁のコブシに新鮮さと、そして海の香りを感じました。
実際、海に囲まれているというか大海の上に浮かんでいる島国なので海や船乗りに関する歌がかなり多いらしい。そこに同じく島国である日本人の琴線に触れるものがあるのかもしれない。
そして哀愁と同様、この混血感にも海の香りを感じました。
とにかくマイラ・アンドラーヂは素晴らしい。
you tubeで探すと、色々出てきますのでご参考までに。
http://www.youtube.com/watch?v=t_70rNKAEUA&feature=related
これもいい曲。
http://www.youtube.com/watch?v=lIU0xRah6nA&feature=related
他まあ、いっぱいあります。ちゃんとした音で聴くと100倍いい。
また、何本かにまたがっているけれど彼女のインタビューなどが挿入されたショートドキュメンタリーがあって連続してみると面白い。
No.1
http://www.youtube.com/watch?v=CJMWnH14MsU&feature=related
No.2
http://www.youtube.com/watch?v=p01L9ukroNk&feature=related
No.3
http://www.youtube.com/watch?v=KL_Hz1EttNs&feature=related
