完全ジャケ買い的に買った分厚い本、
「フライデーあるいは太平洋の冥界」トゥルニエ著と、
「黄金探索者」ル・クレジオ著の、2作一緒に入ったやつ、
まずは黄金探索者の方を読了。めちゃよかった。
作者の祖父は昔、怪しげな文書を頼りに、
インド洋のロドリゲス島にて海賊の隠した財宝探しに半生を費やしたそうだが、
「ジイチャンはなぜそんなことをしたのか」というその「心」を、
小説という形で想像力で迫ってゆくストーリー。
ごく簡単に言うと、一家の没落で失った子供時代の幸福な日々と海辺の家屋敷を取り戻す夢に根ざした黄金探索なのだけれど、この本の海の描写は素晴らしい。星や風やサイクロンや自然の描写もまた実に素晴らしい。世に数ある海の文章の中でも最高峰のひとつだと思う(まあ翻訳だけど)。
この美しさこそ黄金だと思う、
この本、うちの店のライヴラリールームにあって貸しだしも可ですので、
興味のある人はどうぞ。
海観、自然観が深まる本です。