先日の湯浅湾~田辺湾50キロツアーは、
北西の風が結構強めに吹き(7~10m/s)、
湯浅湾南端の白崎海岸で4人のうち1人を残して、
他のエントリー者はみな引き返すことになりました。
その後、他の方は湯浅湾内をツーリングし
残った精鋭であるTさんは、
白崎の岬や産湯海岸の出口、日の岬、
関電火力発電所、切目崎、みなべ海岸とクリアし、
なかなかの風波のコンディションの状況下、
無事ゴールすることができました。
Tさん、改めて、おめでとうございます。
途中、かなり色々とドラマがありましたね。
白崎から日ノ岬までの長い距離にわたる外海での白く崩れた追い波ゾーンとか
関電の防波堤のキワの返し波とか、
なかなかタフな個所もありましたが、
あれぞリアル・シーカヤック旅の世界です。
長旅するシーカヤッカーはあれを毎日やっているわけです。
毎日続々と入れ替わる強敵と試合する格闘技選手みたいなもんですね。
今回の達成によって、自分の限界と同時に、
意外とここまで漕げるという手ごたえを掴めたでしょうし、
これからシーカヤックを楽しむにおいて、
「今度はあそこを漕いでみよう」とか、
「今はまだ無理だけれどいつかあそこに挑戦してみよう」とか、
これまでは漠然とした夢のようだったものが、
不思議に、
現実味を帯びた目標として感じられてくることでしょう。
また今回のように、
「ここまではいける」「ここからは無理」
という限界ラインを身をもって体験することによって、
日常の中で楽しむのんびりツーリングにも
より余裕がでてきて、
面白みが深まってくることだろうと思います。
絶対にゼニなんかでは買えない、貴重な経験です。
ぼくはこれからの時代、こういう経験こそが、
本当に価値のあるものとなってくる時代になると思っています。
今後もちょくちょくこんな感じのロングのツアーも催行していきます。
コンディションさえ整えば、
より多くの人に達成感を味わってもらえることでしょう。