一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2284  夏雲とゆらゆら電車語りけり   翠風

2022年08月16日 | 

 線路を走るものに、汽車、電車、ディーゼル車、そして客車、貨車、列車などがあり、俳句ではどれを選択するか、定型に収めるのに悩むことがある。

 さてこの句、多分廃線になりそうな田舎の単線路を、一両の電車、実際は多分ディーゼル車であろう、がゆらゆら走っている。電車そのものが揺らめいているのだろうし、蜃気楼のように大地が暖められ、空気が膨張し光の屈折によっても揺らめいているのであろう。

 この雲と電車が語っているという。「語りけり」と断定されると、「何を語っているんでしょう」と真剣に考えさせるところが、この句の面白いところ。語るはずがないがないじゃないか、などと言ったら身も蓋もありません。

ミント

コメント
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