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20年ほど前、ある女性から句集をいただいた。とても面白いユニークな句集だった。
いただいたお礼に何か書こうと、句集の中から好きな句を選ぼうと再度読み進めるうちに、この句に目が止まった。
日光連山を代表する男体山は、妻の女峰山、子の大真名子山、小真名子山、太郎山と共に火山一家の代表となっている山だ。
さて、作者は、その山頂にいて咳き込んだ、という。「咳」は冬の季語であるから、標高2,486mの冬の男体山は雪もあって極寒であるから、登るのさえ大変だ。
そんな山頂に(来て)ではなく(いて)??????・・・・・・何か変だ。・・・・
そこで、はっと気付いたのは、もしかして、これは「男女の行為」を暗喩しているのではないのか。
それも女性上位で、頂上つまりその極みにある時、女(作者)が咳き込んだ、ということなのではないか。
こんなトリックのような俳句があるんだなあ。いや、これは実に面白い。参った、参った。私の解釈が正しいかどうか、彼女に聞かねばならないなあ。
礼状を出さずにぐずぐずしていると、先に彼女が訪ねてきてしまった。
いつもの品格ある批評がいいです。
なんちゃって!!
詠み人知らず様
長く俳句をやっていると、こういうこともあるんです。
dekunobo様
どうして、分かったのですか?今まで誰からもそう言われたことはありません。
私の質問に、彼女はそう答えました。