デンの耳は、生まれてしばらくは寝ていた。3か月目頃、耳が寝たり立ったりしながら、両耳が揃って立った。
仔犬の頃、やたらに大きいと思っていたデンの耳は、体の成長とともに、自然に収まったのだ。つまり、耳は最初から大きく、後に余り成長せず、体は耳より後に成長する。
この句は、デンの耳がようやく立ったころの句である。春風に、耳は踏ん張り切れずにフラフラしているのである。だから、下五は字余りだが、仔犬でなければならない。
犬は、ボール遊びが大好きだ。投げれば必ず追いかけて咥える。しかし、咥えたボールを離さないことがある。そんな時に、ボールを取る方法は、耳に息を吹きかけるのだ。耳が痒いらしくて、必ずボールを離す。