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人生そのものがフィールドワーク。

引越(2)(申込キャンセルによるトラブル)

2018年07月02日 00時57分43秒 | 2018年

 6月26日(火)に、蒲田から新横浜へ引っ越しをした。この引っ越しに関しては、「実際の新居への引っ越し」だけでなく、「実際には契約しなかった他の賃貸物件における業者とのトラブル」という事件があった。ここでは、その事件(不動産業者とのトラブル)について書く。 

 ある物件への申込をして申込金を支払い、保証会社の審査後に敷金や最初の月の賃料などの初期費用を支払ったが、その後、ずっとお願いしていた確認・調整事項の実施が進まないことから、契約書を交わす前に申込を辞退した。その後、初期費用の返還に際して、先方は契約に向けて既に部屋のルームクリーニングを実施しているため、掛かったルームクリーニング代(総額約11万円)を差し引いた金額を返還することに同意しないと返還が出来ないと言ってきた。これまでやりとりをしてきた(窓口となっている)仲介会社ではなく、その先にある物件の管理会社がそう言っているとのことだった。

 このルームクリーニングは、内見時に仲介不動産屋より「少し汚いのでルームクリーニングしてもらいますね」と提案され、備忘のために書いておいてくださいと言われて、私が申込書にルームクリーニングを希望する旨を記載したことに基づいて行われたものであるため、他の人に貸す場合には実施しなかったものであるから、負担してもらうことになる、とのこと。ルームクリーニングの希望を申込書に記載してしまっている以上、仕方ないのかとも思うのだが、全額を請求されるのは少し納得がいかず、先方に「法律上そういう決まりになっているんですよね?」と確認したところ、「法律関係はよくわからない」と言われ、少し不審に思った。ちなみに、私からの支払いは全て仲介会社に対して行っているが、その内の一部が管理会社へ支払われており、管理会社がその返金を拒否しているとのこと。仲介会社は、自分たちの手元にあるお金(約12万円)はすぐにでも返金できるが、管理会社へ渡してしまったお金(約18万円)については、そちらから返してもらわないといけないとのことだった。

 管理会社の担当者とも直接電話で話をしたところ、「法律上そういう決まりになっているか」という質問には答えず、ひたすら「契約直前でキャンセルなんて、人として申し訳ないとは思わないのか」というような感情論を訴える喧嘩腰だった。仕方がないので、インターネットで色々と調べて、下記の対応を取ることにした。

 まず、不動産会社が東京都知事免許の業者であったことから、「東京都 都市整備局 住宅政策推進部 不動産業課」にある賃貸ホットラインに連絡をして相談をした。すると、その業者は宅建業法違反の行為をしている可能性があるとのことで、一度窓口相談へ伺うことになった。窓口相談に持参したのは、下記の書類。

・物件情報書類(物件案内のチラシ)
・申込書のコピー
・初期費用の請求書(内訳)
・初期費用支払いの証拠書類(ネットバンキングの振込結果ページとクレジットカードの決済結果ページの印刷)
・クリーニング費用の請求書
・仲介会社及び管理会社の会社名と許可番号がわかる資料

 不動産業課の担当者さんは親身になって相談に乗って下さり、やはり宅建業法違反の可能性が高いとのことだった。しかし、クリーニングの依頼をしているという事実があることから、その点がどう判断されるか微妙な面もあるとのことで、一度無料の弁護士相談を受けるように紹介をされた(不動産業課の中に相談室がある)。そして後日、弁護士相談でも今回の場合はクリーニング代を支払う必要はないという結論が出た。簡単に言えば、「特殊な内容のものでなく、一般的なもので別の入居者の為にもなるものであれば、入居もしない貴方に支払いの義務があるとは考えられない」ということだった。その上で、再度不動産業課の担当者さんと面談したところ、担当者さんから業者へ状況確認と指導をして下さることになった。

 そこからは早かった。不動産業課の担当者さんから連絡がいったと思われる数時間後には、不動産屋の店長から「全額を返金する」旨の連絡が入り、即日で全額が返金(振込)された。許可行政庁の力、恐るべし。そして、やはり返金しないのは宅建業法違反だったのだ。すぐに不動産業課の担当者さんにご連絡をして、報告とお礼を伝えた。東京都不動産業課さんの対応は本当に親切で、ありがたかった。

 今回のことは、文章にすると簡単だが、不動産屋とのやりとりや東京都庁への訪問など、時間も手間も取られたし、何より精神的に疲弊して、途中で諦めようと思ったこともあった。しかし、11万円という金額は大きかったし、このような「大人の喧嘩」をする機会はなかなかないので、経験のためにやれることはやってみようと考えた。育休中で時間に余裕があったことも大きかった。また、繰り返しになるが、やはり東京都の担当者さんの対応の親身さが心強かった。ただ、今度からは安易な申込や費用の支払いはやめようと反省した。「細かな要望や調整は申し込みをしてもらってからでないと」という口車に乗ってはいけなかったのだ。良い経験だったが、2度も経験する必要はない。


引越(1)(蒲田⇒新横浜)

2018年07月02日 00時25分30秒 | 2018年

 6月26日(火)に、蒲田から新横浜へ引っ越しをした。この引っ越しに関しては、「実際の新居への引っ越し」だけでなく、「実際には契約しなかった他の物件における業者とのトラブル」という事件もあったので、それぞれについて記録しておこうと思う。ここでは、前者(実際の引っ越し)について書く。

 5月中旬頃から、本格的に引っ越しについて検討を始めた。その理由を単純に表現するならば、「蒲田で子どもを育てたくないから」ということになるだろうか。蒲田は交通の便も良いし、買い物では何でも揃うし、外食するお店もたくさんあるし、医療施設も多いし、大人が住むには本当に便利な街である。しかし、子どもを育てるには向いていない。なぜなら、圧倒的に民度が低い街だから。しかも、飲み屋が多いからとか、外国人が多いからということではなく、純粋に昔から住んでいるであろう普通のおじさん(おじいさん)、おばさん(おばあさん)の民度が低いのだ。例を挙げれば、車や自転車は平気で人混みに突っ込んでくるし、歩きタバコをしている人も多いし、言葉遣いの悪い人も多い。更に、周囲に気を遣える余裕のない人で溢れている。だから、この街で子どもを育てることは避けたい、と思っていた。

 一方で、西川口という、今は廃れてしまったが当時は「埼玉の歌舞伎町」と呼ばれた歓楽街で育った私からすれば、別に治安の悪さや民度の低さはそれほど気にしなくてもいいのでは、という考えも少しあった。あの街でだって、私も友人たちもそれなりに育ったのだから大丈夫だろう、とも思う。しかし、冷静に考えてみれば、駅前で朝からビール瓶での殴り合いが行われていたり、駅への道で毎日会う風俗店の客引きのおじさんと仲良くなったり、アルバイトでの配達先が違法カジノだったりという環境が、私の人格形成に悪影響を及ぼした可能性は否定できない。それに、民度の低さが身の危険につながること、特に子どもにとってはその傾向が強いことは、私自身が身を以って経験してきたことである。

 周囲の人たちからも、蒲田で子どもを育てることに対してかなりご意見を頂いていた。「悪いことは言わないから、もう少しマシなところに引っ越したほうがいいよ」とか「子どもにとって周囲の環境は大切だよ」、「まさかそのまま蒲田なんかで子育てする気じゃないよね?」というようなご意見を、蒲田在住の方を含め多くの方から頂いた。中には、実際の子育ての経験から、「この地域なら子どもにとって良い環境が整ってるんじゃないかな」と具体的なアドバイスを下さる方もいらっしゃり、それは実際に今回の引越先の選定に大きく役に立った。

 というわけで引っ越しについて検討を始めたわけだが、実際の引越先となった今の物件を選ぶまでには、かなり右往左往した。インターネットで物件を探し、妻が内見に行き(最終的な合否は妻が出すので、最初から私は内見をせず、娘とお留守番を担当した)、検討するということを、4回繰り返した(4回目で今回の家に出会った)。途中、実際に申込をして契約直前までいった物件もあったりした(それで不動産業者とのトラブルになったのだが、それは次の機会に詳しく書く)のだが、結局実際の引っ越し先が決まるまで1ヶ月も掛かってしまった。

 引越先は、新横浜駅が最寄りの一戸建てである。一戸建ては私の強い希望だった。子どもには、自由に飛んだり跳ねたりできる環境を用意したかったのだ。それでも、家賃は蒲田より3万円も安くなったので、その分を使って妻は職場復帰後には新幹線通勤が出来る。通勤ラッシュとはおさらばだ。家は築40年という古さで、水道の水漏れがあったり、お風呂の追い炊き釜の洗浄が大変だったり、風が吹くと雨戸が鳴ったり、快適な住環境を整備するのに数日掛かったが、それが終わった今はすこぶる快適である。周辺は住宅街の中なのでとても静かだし、ご近所の皆さんも優しい方ばかりだ。娘を連れてご挨拶に行ったら、皆さん可愛がって下さり、中には手作りのお手玉をプレゼントしてくださったご家庭もあった。年配のご家庭が多く、「最近はなかなか孫も顔を見せてくれないから、泣き声なんかも気にせず、どんどん聞かせてちょうだい」と温かい言葉を掛けて頂くこともあり、本当にありがたかった。

 生活面では、蒲田に住んでいた頃より駅までの距離が近くなったので、通勤も楽になる。前述のとおり妻は新幹線通勤だし、私は神奈川県内への出張が多いので、新横浜という場所は理想的だ。あと、これはあまり大きな声では言えないが、場外馬券売場が徒歩圏内にあるのが嬉しい。不便さがあるとすれば、蒲田ではマンションの隣がスーパーだったため買い物がとても楽だったのだが、ここでは駅前まで出ないとスーパーもコンビニもないということぐらいだろうか。しかしまあ、そのほうが無駄遣いは確実に減るだろうし(深夜の甘い物調達が出来なくなる)、それに応じて体重も減るだろう。

 一方で、引っ越しによるデメリットもある。これは事前にわかっていたことだが、横浜市は東京都23区に比べると子育て行政に力を入れていない。23区では子どもの医療費は中学校まで完全無料だが、横浜市では小学校高学年からは500円の自己負担があるし、通院費の助成は小学校まで(入院費は中学校まで助成される)。また、所得制限の金額も低く設定されており、我が家ではおそらくその制限を越えてしまうので、実質的にこの助成は受けられない。更に、これは先々の話ではあるが、横浜市では「母親がお弁当を作ることで子どもとのつながりを……」という糞みたいな理由で、公立中学校で給食がない。保育園にしても、林市長は待機児童ゼロだと胸を張っているが、少し調べればわかるように、それは嘘だ。しかも、かなり悪質なレベルの嘘である。実際、新横浜のある港北区は横浜市の中でも保育園激戦区である(これは蒲田も同じだが)。このように、横浜市は子育て家庭に厳しい(しかも税金は他の市町村より高い)。このようなデメリットについて、私たちはそれを覚悟の上で住環境を取ったから仕方ないのだが、横浜市へ引っ越しを検討している子育て世代は、そのあたりをきちんと理解する必要がある。

 最後に、引越業者についても少し書いておこう。私たちは「アート引越センター」にお願いした。アートに限らず、ネット上では引越業者の悪口やトラブルの情報が数多く掲載されていて、業者に引越をお願いするのが初めてだった私はかなり不安があったのだが、実際には何の問題もなかった。作業員さんの態度も良かったし、作業も素早く丁寧で、おかげでとてもスムーズに引っ越しを終えることが出来た。もちろん同じアートでも担当者によって違うだろうし、他の会社でも良いところはたくさんあるのだろうが、次引っ越しする時にも、おそらくアートに頼むだろう。