社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

10月31日(水) 蒲田で連続空振り、ツーストライク。

2018年10月31日 23時07分42秒 | 2018年

 7時起床。朝食は、娘の食事用の食パンから残った耳の部分。おいしいが、何かつらい。

 9時前に家を出て、妻と娘と3人で日吉にある認可外保育園の見学に伺う。幼児教育の充実や親の負担軽減策の推進を積極的に行っている保育園で、取組内容の理論的背景もしっかりしていて好感を持った。一方で、部屋の狭さや認可外ゆえの値段の高さ(行政からの補助金がないので仕方ないのだが、認可の倍以上の値段設定になっている)、それに何より自宅からの距離がネックである。今申し込みをして入園金(10万円)を払えば来年度の枠が確保でき、認可に落ちた場合でも保育園難民になることを確実に避けられるが、迷うところだ。辞退することになっても戻ってこない入園金や、実際に預けた場合の高い保育料などの金銭面はもちろん、現実的に毎日ここへ預けられるのか?という根本的なところにまだ自信が持てない。

 妻と娘は先に帰宅し、私は蒲田へ向かう。「マーボ屋」で中華料理を、「カフェ・スリック」でシフォンケーキをテイクアウトして帰ろうと考えていたのだが、どちらもお休みだった。「マーボ屋」に関しては単純に定休日を忘れていたのだが、「カフェ・スリック」は月曜と火曜が定休日だというところまでは調べていたものの、月末の水曜日はお休みというところまでは情報収集が至らなかった。まあ、そういう日もあるか。もしかしたら、シフォンケーキはこっそり1人でお店でも食べちゃおうと画策していたバチが当たったのかもしれない。

 せっかくなので、4ヶ月前まで住んでいたマンションの部屋を見に行ってみる。私たちが退去した後は賃貸ではなく中古物件として販売されているようなのだが、まだ空室のままだった。日当たりも良いし、内装はリフォーム済みで綺麗だし(私たちもほとんど汚していない)、共用部分の管理はかなりしっかりされているし、広さ的にも夫婦2人くらいで住むにはちょうど良い物件だと思うのだが。ひとつ明確な欠点があるとすれば、斜め向かいにある古い工場の従業員たちが道に出てタバコを吸うくらいだろうか。

 仕方がないので、「鳥久」でお弁当を買って、新横浜へ帰る。かろうじて蒲田まで行った成果を持ち帰ることができた。

 午後は、娘とテレビを観たり、親子3人でお昼寝をしたりして過ごす。

 夕食は、ミートソースパスタ。妻特製のミートソースは何度目かだが、今日はいつも以上に美味しかった。トマトの酸味にコクと深みがあるような気がした。

 娘のお風呂を終えてから、岸根公園へウォーキングに出掛ける。外が寒くなってきて、歩くにはちょうど良い。ぴったり1時間で6キロを歩いた。

 プロ野球日本シリーズの第4戦は、ソフトバンクが4-1で勝利した。上林選手の先制ホームランが決め手となったが、個人的には初回のソフトバンクの守備が印象的だった。1死1塁で丸選手が放った右中間フェンス直撃打をセンターの柳田選手が的確なクッションボールの処理をして中継の明石選手へ素早く返球し、明石選手もすぐに素晴らしい送球でバックホームをして、1塁ランナーの菊地選手を見事に刺した。これこそがまさにプロのプレー、というプレーだった。こういうプレーが初回に出ると、チームは勢いに乗れる。結果、今日のソフトバンクは一度も広島にペースを掴ませなかった。

 今日で10月も終わり。私の育児休業も、残りはちょうど2ヶ月となった。何かやり残していることはないか考えると同時に、そろそろ復帰に向けた生活リズムの調整と体力作りを意識しなければならない。


10月30日(火) たくさん歩いてたくさん眠る。

2018年10月30日 23時51分23秒 | 2018年

 8時起床。朝食はトースト。生協で買ったはちみつレモンで食べる。これを買ったのは大正解だった。

 10時前から歯医者へ。上の奥歯の治療ということで、先生は随分大変そうだった。私のほうも、ずっと口を大きく開けているのが結構つらかった。顎が筋肉痛になる。

 一足早くお散歩に出掛けている妻と娘を追いかけて、岸根公園へ向かう。新横浜の駅前から新幹線の線路沿いに歩いてみたら、途中で窯元らしき建物があって驚かされる。こんなところにあるのか。インターネットで調べてみたら、作品を作って販売するようなことはしておらず、専ら陶芸教室として運営されているようだ。

 岸根公園で、妻と娘と合流。広場の中心にある大きなプラタナスの木の下で遊んでいて、娘の手は土で黒くなっていた。少し前までレジャーシートの外に出るのを怖がって泣いていたのが嘘のようだ。

 散策がてら、ウォーキングをする。これまで夕方や夜に来ることが多かったので、昼間の岸根公園というのがやけに新鮮に感じられた。強い日差しも木々が適度に遮ってくれるので、ウォーキングも気持ちよくできる。

 私が先ほど公園へ歩いてくる途中で見つけたパン屋「ぱんくらぶ」に寄り、昼食用にパンを買ってから帰宅する。たくさんの種類を買って、妻とシェアして食べた。

ソーセージデニッシュとコロッケパン。

ハムチーズパンと、豚角煮デニッシュ。

明太ポテトパン。

ダークチェリーデニッシュ。

 娘と寝室で遊んでいるうちに、そのまま昼寝に入る。ウォーキングの距離を長く(6キロ)したら、全身が心地よい疲れに包まれて、とても気持ちよく眠れた。ただ、妻からは「寝過ぎ」と苦言を呈されてしまった。

 夕食は、牡蠣や赤魚を中心とした魚介系の鍋。春菊が美味しい。ただ、最後は雑炊を作るにあたって卵を切らしているのに気付かず、急遽駅前のコンビニまで買いに行ったのは少し大変だったが。

 プロ野球日本シリーズの第3戦は9-8でソフトバンクが勝利し、対戦成績を1勝1敗1分の五分に戻した。この試合では両チームの打線の魅力が存分に発揮されていて、一見すると乱打戦のような印象を受けるが、要所要所でピンチを脱してきた投手陣の頑張りも光っていた。どちらかの投手力が弱かったら、おそらくもっと大差のついた大味の試合になっていただろう。日本一になるには、投手力(守備力)も攻撃力も兼ね備えていなければならない、ということがよくわかる試合だった。クライマックスシリーズで敗れた2チームは、敗れるべくして敗れたのかもしれない。西武は投手力(守備力)が、日本ハムは攻撃力が足りなかった。


10月29日(月) 1万歩以上歩いた日は、ウォーキングはお休み。

2018年10月29日 23時20分39秒 | 2018年

 6時半起床。文字通り娘に叩き起こされる。叩く力がどんどん強くなっている気がする。

 朝一で、駅の反対側にある100円ショップへゴミ袋を買いに行く。今日も良い天気だ。

 午前中は、以前の台風で雨漏りをした箇所の補修作業。脚立に乗って、窓枠の上の小さなひびが入っている部分に補修テープを貼っていく。原因の場所が本当にそこなのか定かではなかったので、かなり広めにテープを貼ることになり、思った以上に時間が掛かった。

 先に出掛けた妻と娘を追いかけて、鴨居にある「ららぽーと横浜」へ。私が合流した時には、ちょうど娘の冬服などの買い物が一通り終わったところだった。

 昼食は、「The Best Cheesecakes」というカフェレストランで。横浜・元町にあるアメリカンチーズケーキ専門店が運営しているレストランだそうだ。だからこういう名前なのか。私は「牛肉のファフィータ」(牛肉を玉ねぎやパプリカなどの野菜と一緒にフルーツベースのソースで炒めたものをトルティーヤに挟んで食べる料理)、妻は「牛肉のエンチラーダ」(具入りのトルティーヤの上からチーズをかけて焼いたもの)を注文。よくわからずに注文した料理だったが、結果的には正解だった。ジューシーな牛肉がたくさん入っていたのと、ソースの美味しさが印象に残っている。また、ランチセットでついてくるチーズケーキ(ハーフサイズ)も、店名にするだけのことはあるなと思わせられる味だった。

ランチセットの前菜も、メキシカン風。辛かったり酸っぱかったり。個人的には好きな味。

牛肉のファフィータ

トルティーヤにのせて食べる。よく考えたら、きちんとトルティーヤを食べるのは初めてかもしれない。想像していたより柔らかい。

牛肉のエンチラーダ。

 「気軽に着られる薄めのパーカーが欲しいんだよね」という私の何気ない発言がきっかけで、「そういえば今年の誕生日プレゼントはまだだったね」と話が進み、いくつかのお店を見て回る。最終的には、「FRED PERRY」で妻に買ってもらった。ただ、パーカーではなく、ブルゾンを選んだ。良いパーカーもあったのだが、色や着心地がより魅力的だったことと、今まで着たことのないブルゾンというものにチャレンジしてみようと思ったのだ。妻曰く、真冬はこのブルゾンの上に今持っているマウンテンパーカー(これも妻からプレゼントしてもらったもの)を着ると良い、とのこと。本当に?自分がプレゼントしたものをヘビロテさせようとしてるだけじゃないの?という疑いもあるが、もう少し寒くなったら試してみよう。

 帰途につく頃には、日が沈みかけていた。日没の時間がどんどん早くなっている。

 帰宅後、私は少し夕寝。朝早く起きたのと、何だかんだでかなり歩いたので、疲れてしまった。

 夕食は、もつ煮。

 今夜は、娘を寝付かせるのに苦労した。あまり昼寝もしていなかったので眠いはずなのだが、だからといってスムーズに眠れるわけではなさそうだ。娘が眠ったあとで妻と話をして、明日からは入眠に至るルーティンを作ることを意識してみようということになった。


10月28日(日) 平成最後の秋の盾、惨敗。

2018年10月29日 00時27分50秒 | 2018年

 8時起床。娘のお世話を妻に丸投げして、今日の天皇賞・秋の予想をする。昨晩のうちに一通り買い方を決めているのだが、朝に改めて考えるということが結構大切なのだ。それは、予想の精度が上がるという意味ではなく、買い目(購入金額)を減らせるという意味で。睡眠を挟んで冷静になると、これは手を広げ過ぎとか、金額が多すぎとか、予想のスリム化ができる。軍資金が限られる私のような人間にとっては、この工程はとても重要なのだ。

 予想を終えて、すぐにウインズ(場外馬券売場)に出掛ける。自分の馬券に加えて、妻から頼まれた分の馬券も購入し、ついでに駅ビルで昼食用のお弁当も買って帰る。

 私の馬券は、軸馬を2頭選んで購入した。2年前のPOGで指名していて、私に仲間内での「皐月賞オーナー」の称号を与えてくれたアルアイン(5枠7番)と、”平成の盾男”こと武豊騎手と金子オーナーのディープインパクトコンビで出走するマカヒキ(5枠6番)を軸に、私が大好きでずっと応援していたバンドワゴンの半弟であるスワーヴリチャード(4枠5番)を対抗の1番手にした。先に予想云々ということを書いたが、結局は思い入れで馬を選んでいる。

 妻の馬券の予想方法は単純で、「(騎手が)ミルコ、武さん、ルメール」の三連単である。経験的に、色々と余計なことを考えた私の馬券より、こういう馬券のほうが当たる。

 急いで帰宅し、今度は大学の同窓会に出掛ける妻を見送ってから、娘に離乳食を食べさせ、ようやく自分の朝食。昨日「パン日和あをや」で買ってきた食パンに、レモンはちみつを塗って食べる。

 朝食から2時間ほどしか経っていなかったのだが、娘がお昼寝に入ったタイミングで昼食をとる。先ほど駅ビルに入っている惣菜店「まつおか」で買ってきた新横浜限定の幕の内弁当。これが予想を超えて美味しかった。普通の幕の内弁当とは一味違って煮物が多く、それが美味しいのだ。茄子の煮びたしなんかは、これまで食べた中で一番の味だったと思うほどだ。値段もそれほど高くないし、これは良いお店を見つけた。

 娘と一緒に競馬を見る。不思議なことに、普段はあまりテレビをじっと見ることのない娘が、なぜか競馬の時だけは画面に集中している。しかも、レースのところだけ。それは、今日に限ったことではない。私が普段熱心に見ているのが伝わっているのだろうか。以前、藤田菜七子騎手が騎手を目指したきっかけについて、「父が見ていた競馬中継を見ていて騎手のかっこよさに魅了され、なりたいと思うようになりました」的なことを言っていたが、同じようなことになるのだろうか。その時は、お父さんは反対しますよ。危険な仕事ですから。

 天皇賞は、全然予想外の展開だった。当然、馬券は外れ(妻も)。アルアインは頑張って4着に入ったが、マカヒキとスワーヴリチャードが全然だめだった。しかし、これもまた競馬である。レース自体はとても面白いものだったし、勝ったレイデオロの強さには恐れ入った。それにしても、ルメールはこれで3週連続G1勝ちか。良い馬に乗っているということもあるが、やっぱりすごいジョッキーだ。

 夕方に妻が帰ってきてから、娘と3人で岸根公園へ散歩に出掛ける。家にいると何だかんだでお互いにやることがあるから、お散歩中が一番夫婦の会話が弾む時間である。こういう時間を大切にすることが、家庭での安定した関係を築くことにつながるのだろう、多分。

 私はそのままウォーキングを始める。日が暮れるまで、1時間ほど歩いた。

 娘のお風呂を終えてから新横浜の駅まで出て、仕事の関係で今日は新横浜に泊まるという静岡の同期&先輩と会う。仕事に関するお願い事をされたのだが、あまり気が進まない。内容自体は面白そうだし、頼ってもらえることは嬉しいのだが、私が適任とは思えないし、更に言えばそもそもその工程自体が必要ないように思えるのだ。今日のところは、とりあえず再検討してもらうということになった。ただ実際のところ、改めてお願いされたら断れないだろうなと思う。もしくは、「俺、育休中だから」で押し通して逃げようか。

 21時半過ぎに帰宅。日本シリーズの第2戦は、5-1で広島が勝利した。ソフトバンクは、昨日から打線が不調だ。短期決戦でこれは結構つらい。明日は移動日で明後日からは地元・福岡で戦えるから、これが空気を変える最大のチャンスである。パ・リーグの代表として、何とか頑張ってほしい。


10月27日(土) 嬉しさと緊張。

2018年10月27日 23時57分51秒 | 2018年

 6時起床。自然に目が覚める。競馬に行こうという日は、嫌でも必要以上に早く起きてしまう。

 8時前に家を出て、東京競馬場へ向かう。新横浜からだと、横浜線へ菊名へ出て、東横線で武蔵小杉、南武線で府中本町という経路が最短だ。1時間掛からないが、乗り換えが多くて少し面倒臭い。

 開門時間の9時ちょうどくらいに到着し、並んでいた人々に続いて入場する。入場ゲートの前には、既に明日の天皇賞に向けて並んでいる人たちがいる。少なくともこれから丸1日はここで待つのかと思うと、その熱心さに頭が下がる。「指定席の抽選が当たったら行こう」くらいに思っている私には、そのバイタリティはない。夜は冷えますので、どうぞ風邪などひかないようにお気をつけください。

 家を出る頃には雨がぱらついていたが、予報通り晴れてくれた。絶好の競馬日和である。

 朝食に、「梅屋」できつねうどん(卵入り)を食べる。濃いめの出汁が空っぽの胃にしみこんでいく。

 今日の目的は、第2レースの2歳未勝利戦。私が仲間内のPOGで指名したアルママ(牡2、父・オルフェーブル、母・ホエールキャプチャ)の2戦目である。デビュー戦を札幌競馬場まで観に行った(7月28日)くらい期待している馬なので、東京競馬場なら言わずもがなである。馬券は、一か八か単勝にぶちこんだ。

 アルママの前に、新潟の第1レースをモニターで見る。障害未勝利戦に、私がずっと応援しているトラスト(牡4、父・スクリーンヒーロー、母・グローリサンディ)が出走したのだ。デビュー前に彼が牧場にいた時にたまたま出会って(当時はまだ名前がついておらず、「グローリサンディの2014」と呼んでいた)、その可愛さに魅了されて以来ずっと追いかけてきた。レースの結果は、ぶっちぎりの1着。初障害で不安だった飛越も見事なものだったし、そうなれば足の早さは群を抜いているから、当然こういう結果になるだろう。単勝(3.8倍)を1000円買っていたので、幸先の良い1日のスタートが切れた。トラストくん、ありがとう。障害レースを続けるのだとしたら、今まで以上に怪我には気をつけて、これからも頑張ってね。

 パドックの最前列に陣取り、アルママの登場を待つ。馬体重は440キロ。3ヶ月前のデビュー戦の時より10キロ増えたが、それでもまだかなり小柄な部類だ。歩く様子も、どうにも落ち着きがない。落ち着き具合だけでいえば、デビュー戦の時のほうがあったかもしれない。要するに、まだ子どもなのだ。一応1番人気ではあるが、冷静に考えてみればかなり危険な1番人気である。

 レースは、残念ながらパドックでの不安が的中する結果となった。スタートを無難にこなして中段につけたのだが、明らかにスローペースなのでそのまま前に行けばいいものを、付いていけなかったのか、騎手が抑えたからなのか、その両方か、段々と後方に下がってしまう。ようやく最後の直線に入ってから伸び始めたが、その時点では既に前にいる馬たちとの差は絶望的なものになっていた。結果は、6着。大前提として、馬の実力的にまだまだ成長不足ということはあるだろう。しかし、今日の敗因の大半は騎手にあると思う。そう思う理由はふたつ。ひとつは、明らかなスローペースに対応できずに無策のまま後方に下げ、そのまま留まったこと。道中で行きたがっている馬と喧嘩してまで手綱を引いていたことから、騎手の意思で後方に留まったものだと類推する。もうひとつは、最後の直線に入っての追い出し方で、右鞭を打った直後に無理やり右側へ進路変更をしたこと。基本的に馬は鞭を打たれた側とは反対方向に進路を取るように教育されているため、右のスペースへ誘導するなら左鞭を打つのがセオリーだ。右鞭を打たれて左方向のスペースに頭を向けた馬に対して、直後に手綱を使って無理やり右を向かせるようなことをしていては、スピードを上げられるわけがない。騎手のミスで負けた(と感じた)ことはこれまでに何度もあるが、通常は「これもまた競馬ですよね」と思える。しかし、今回初めて、どうしても釈然としない気持ちになった。もちろん、私のような素人のわからない意図や事情があるのかもしれない。しかし、こちらは一応お金を賭けているわけで、文句のひとつくらいは言いたくなるのである。まあ、よく聞く野次のように「金返せ!」とまでは思わないが。次、期待しております。

 今日の競馬は終了だが、帰途につく前に、場内にあるJRA競馬博物館に向かう。

 現在、競馬博物館では、2つの魅力的な特別展示を行っている。「武豊騎手4000勝記念展」と「メジロ牧場の歴史~”白と緑”の蹄跡」である。まずは、武さんの展示へ。先日、JRA通算4000勝を達成した偉業を記念して、デビューからこれまで32年間の軌跡が様々な資料を基に紹介されている。改めて武豊というジョッキーの凄さがよくわかる内容だ。デビュー2年目でG1レースを勝ち、3年目にはリーディングジョッキー(年間最多勝騎手)になっている。今では考えられない出世ペースである。そして何より、それ以来ずっとトップクラスであり続けているのがすごい。海外にも若い頃から積極的に出ていって、数多くの結果も残している。メディア対応や話も上手で、競馬の魅力を広く発信することにも長けている。競馬は知らないけど武豊の名前は知っている、という人はたくさんいるだろう。どのような側面から見ても、不世出の名騎手であることは間違いない。彼が現役で活躍している時代に競馬ファンでいられることを、本当に幸せに思う。その幸せが少しでも長く続くように祈るばかりである。

お父さんの邦彦さんも名騎手、名調教師だった。

日本ダービーの優勝旗。武さんはこれを5回も勝ち取っている。もちろん、史上最多だ。

年間最多勝記録を更新し、212勝を挙げた時のトロフィー。

 「メジロ牧場の歴史」も、とても面白かった。今は亡き牧場ではあるが、メジロラモーヌ、メジロライアン、メジロマックイーン、メジロドーベルといった名馬を数多く輩出してきたオーナーブリーダーで、改めて振り返ってみるとその功績に圧倒される。一番驚いたのは、生産した馬を売るのではなく、全ての馬を所有してその獲得賞金で経営していたということだ。これはつまり、強い馬を作り続け、育て続けていたということである。今では到底考えられないことだ。また、調教師や騎手といった関係者が語る創業者の北野豊吉さんと、その後を継いだ妻・ミヤさんに関するエピソードも興味深かった。外国から輸入した種牡馬が全盛の時代に内国産種牡馬を重要視する姿勢や、長距離レースである天皇賞へのこだわり、目の前の勝利だけでなく人とのつながりや人を育てることに熱心だった姿など、今の競馬界で忘れられつつあるものを体現されていたようだ。牧場はなくなってしまったが、メジロの馬(血統)も、人(志)も、大切に後世へつないでいかなければならないと思う。

 最後に、こちらは常設の「競馬の殿堂」コーナーを見る。ここから先は写真撮影禁止なので中の様子は伝えづらいが、競馬の発展に特に功績があったということで顕彰された人馬が紹介されている。白黒写真でしか知らないような大昔の馬や騎手、調教師の功績も詳しく書かれていて、競馬の歴史を遡ることができる。この場所は、時間がある時に改めてゆっくり回ってみたい。

 家に帰る前に、せっかくなので美味しいパンをお土産に買って帰ることにする。府中本町から南武線で鹿島田へ出て、久しぶりに「パン日和あをや」へ。鹿島田は、駅を挟んだ両サイド、東口と西口で全く違う光景が広がっているから面白い。西口(新川崎駅側)にはタワーマンションが立ち並んでいる一方で、東口には昔ながらの商店街も残っている。聞くところによると、タワマンのおかげで街の人口は増えているものの、商店街にあるような個人商店の売上にはそれほど貢献がないらしい。また、これは武蔵小杉などでもよく聞く話だが、タワマン開発に街のインフラが追い付いていないのが最大の問題点だということだった。確かに、保育園とか超が付くほどの激戦なんだろうなと思う。

 駅から10分ほど歩いて「パン日和あをや」に到着。お店に入ってすぐ、店主さんから「2階に大久保先生いらっしゃってますよ」と教えて頂く。私の出身大学・学部・専攻の先生で、現役時代に直接教えて頂いたことはなかったのだが、「フィールドノート」というブログをずっと読んでいる。ブログで紹介されていたことがきっかけで読んだ本や行ったお店もたくさんある(ここのお店もそのひとつだ)。そもそもこのブログを始め、続けているのも先生の影響だ。初対面だけどずっと前から知っているような、感覚的には芸能人に会ったような感じで、普段は初対面の人と話す時もあまり緊張しない私だが、やけに緊張した。初めてお会いした第一印象は、良い声だなー、だった。ブログを通して外見はわかるし、雰囲気も何となく伝わってくる。しかし、声はわからない。私の中で勝手にイメージしている声もあったのだが、全然違った(イメージしてたのも良い声ですが…)。また、先生が私のブログに目を通してくださっていることを知り、恐縮すると同時に嬉しかった。一方で、お会いしたらお礼を言おうとずっと思っていたのだが、たくさんの言葉が浮かんできたのと緊張していたのとで、うまく言えなかった。要約すると、「先生(のブログ)から影響を受けたおかげで人生の充実度が増してます。ありがとうございます!」ということを伝えたかった。しかしまあ、お会いできただけでも幸運なことだ。先生、一緒にいらっしゃった卒業生さん、お話中だったのに、お時間を頂いてありがとうございました。

 食パンとクロワッサン(チョコレート)を購入してお店を出る。今日、ふと思いついてここへ来て良かった。かなりご無沙汰だったにも関わらず、私のことを覚えていて、先生につないでくださった店主さんにも感謝である。ありがとうございました。

 14時前に帰宅。妻と一緒に買ってきたばかりのパンを食べる。食パンはそのままトーストで。クロワッサンもトースターで温めて食べる。やっぱり、美味しい。こうなると、一番好きなベーグルがなかったのが悔やまれる。この美味しさを思い出してしまうと、逆にどうしてもベーグルが食べたくなってしまう。

 妻と娘と3人で、岸根公園までお散歩に行く。2人が芝生でまったりしている間、私はウォーキング。私の後に、妻も1周だけ歩いていた。行き帰りも含めて、1時間15分で5.8キロを歩いた。

 夕食は、生協で注文していた鯵のたたきを丼ぶりにしたのと、おかずに煮物と鴨のロースト。少し不思議な組み合わせだ。鯵のたたきは不思議な味で、甘さが強かった。美味しいといえば、美味しい。

 夜、テレビでプロ野球日本シリーズの第1戦を見る。結果は、2対2で延長12回引き分け。試合時間が4時間半を超える長丁場で、両リーグを代表するチームの意地とプライドのぶつかり合う、とても良い試合だった。当初、パ・リーグを優勝した西武が出てこないのでいまいち気持ちが盛り上がらないと思っていたのだが、ソフトバンクさん、大変失礼いたしました。明日以降の試合も楽しみだ。