社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

1月9日(月)

2017年01月21日 17時48分54秒 | 2017年

  6時起床。7時から、貸切温泉を予約してある。貸切温泉は宿の玄関を出てすぐのところに入口があるのだが、わずかな移動でも身体が凍えるように寒い。しかし、朝の雪景色はまたそれで良いものである。

  ゆっくりとお湯につかる。檜の湯船が硫黄成分で完全に白くなっていて、まさに白船のようになっている。私が給泉口からがぶがぶ温泉を飲んでいると、妻から「さすがにそれだけ飲んだら身体に悪いんじゃないの?」と言われた。大丈夫、ここの温泉を飲むと、体の中から成分が吸収されて、身体に良いのだ。だから、温泉の出口には漏れなく飲泉用の枡が置かれている。まあ、確かに飲み過ぎは良くないんだろうけども。

  宿へ戻る頃になると、日が照ってきた。今日は良い天気になりそうだ。

  部屋へ戻り、少し休憩。窓からの景色は、昨晩とは全く違うものになっている。これぞ銀世界。

  朝食は、温泉で炊いたお粥と湯葉から作る豆腐が主役。特に、硫黄の香りが漂うお粥は本当に美味しい。おかげで、朝からお腹いっぱいになった。

  10時にチェックアウト。車に大量の雪が積もっていて、せっかくなので道具を借りて自分で下す。全体的に凍っているので、結構大変な作業だ。雪国の人たちの大変さが少しだけわかった。

  山を下る途中で、驚くほど綺麗に氷柱ができている沢があった。おそらく、これほどのものを見たのは初めてだと思う。氷柱って、こんなに美しいものだったんだ。

  松本駅へ戻ってくると、こちらでもしっかり雪が積もっていた。そうか、昨日は山だけでなく、こっちもしっかり雪が降ったのか。雪の上を歩き、時には道端の雪を妻にぶつけながら、松本城を目指す。

  雪化粧をした松本城は、凛々しい。歴史、特に日本史に疎い私にとって、お城というのは純粋にただの建物なのだが、この松本城のかっこよさはさすがにわかる。

  昼食は、「ル・コトリ」(Le Kotori)へ。かわいらしいフレンチのお店である。妻は「安曇野酵母豚ヒレ肉 マスタードソース」、私は期間限定の「ビーフシチュー」を選んだ。休日のお昼の時間なのに他にお客が1人もいないので大丈夫かなと思っていたのだが、最初に運ばれてきた白菜のポタージュスープを一口飲んで驚かされた。めちゃくちゃ美味しいのだ。白菜そのものよりも、白菜の美味しい味がする。メインの料理でも、その驚きは続く。まず、野菜が美味しい。特に蕪が絶品で、外はカリッと中はほくほく。どうやってこういう焼き方をするのだろう。そして、メインのお肉も素晴らしい。シチューの牛肉のほろほろ具合はもちろん、豚肉の柔らかさ、そしてソースの美味しさが印象的だった。今度来る時は、是非きちんとしたディナーのコースを頂きたい。

  10分ほど歩いて、松本市美術館へ。雪で足下が危なっかしい。

  松本市美術館では、屋外に草間彌生さんの作品が展示されている。自販機も草間彌生仕様になっている。今回は時間の関係で中には入らず、屋外の作品だけを観た。

  続いて、まつもと市民芸術館へ。その隣に、公益社団法人才能教育研究会(SUZUKI METHOD)という看板の掲げられた建物があり、「なんだこれ?やばい系の施設か?」と、この時は思っていた。

  芸術館の中に入ると、たまたまアンサンブル・カプリス演奏会が始まるところだった。そして、演奏者の項目に目をやると、先ほどの「才能教育研究会」の出身者が多い。なるほど、先ほどの団体はやばい系ではなく、音楽の才能を教育する場だったのか。というわけで、せっかくなのでその「SUZUKI METHOD」を見てみよう(聴いてみよう)ということになり、予定を変更して演奏会を聴いていくことにした。

  急遽聴くことにした演奏会だが、思っていた以上に楽しむことが出来た。やはり、生の演奏を聴くのは心地よい。私は音楽に疎いので質の良し悪しはわからないのだが、素晴らしい時間を過ごさせて頂いた。

  ブックカフェ「栞日」に立ち寄る。雰囲気の良い本屋さんで、品揃えも個性的。こんなジャンルの専門誌あんの?というような面白い本や雑誌が並んでいる。せっかくなので、何冊か本と雑誌を購入した。今度は、ゆっくりお茶もしたい。

  松本駅15時19分発の特急あずさ24号に乗り、帰途につく。妻はほとんどの時間眠っていたので、私は先ほど購入した本を読む。『東京甘味食堂』。都内で甘味を出す古き良き食堂を紹介する本である。読みやすい文章と、お店や料理が写真ではなく絵で表現されているのが良い。中には以前に行ったことのあるお店や、家の近くのお店も紹介されている。しばらくは、この本を持って散策するのが定番になりそうだ。

  19時前に帰宅。夕食は軽くお茶漬けで済ませる。白骨温泉の匂いが服にしっかり付いていて、部屋にも硫黄の香りが漂っているような気がする。そして、その服の香りは洗濯しても残っていた。


1月8日(日)

2017年01月21日 15時14分02秒 | 2017年

  8時起床。今日は、妻と一緒に松本・白骨温泉へ旅行に行く。9時前に家を出て、新宿へ。

  新宿駅10時00分発の特急スーパーあずさ11号に乗り、松本へ。所要時間は約2時間30分。車窓からの景色を眺めながら、現地での訪問先を考える。途中、車内販売で桔梗屋の信玄餅アイスを食べる。きなこアイスに黒蜜、お餅が入っている。車内販売で買えるのは、この中央線特急だけだ。現地に着く前から信州旅行気分を味わうことができてありがたい。

  お昼過ぎに松本に到着。現地は、驚くほど寒い。気温は1度。

  しばらく散策をしてから、「珈琲まるも」で休憩。ホットコーヒーとケーキを頂き、暖をとる。

  引き続き、市内を散策。中町通りは城下町の雰囲気に溢れていて、観光客が集まっている。また、その中にある「はかり資料館」が面白かった。今では1g単位で正確に量れる計量機が当たり前のように使われているが、そんなものがなかった時代にも、人々は色々と知恵を絞って重さを量り、それに基づいて取引や選別などを行っていたようだ。特に、蚕の雌雄を重さで選別していたというのには驚かされた。

  昼食は、「草庵・中町井say」で。私たちの入店直後、お店に獅子舞がやってきた。さすがに頭を噛んでもらうことにはならなかったが、何となくラッキーな気持ちになる。注文は、私は十割そばとおたぐり(馬のもつ煮)、妻は鶏そば。サービスで、まめ板(米飴に落花生を練りこんだ松本の有名な飴菓子)も食べさせて頂いた。飴の甘さと落花生の香ばしさが相まっていて、目の前にあればついつい手を伸ばしてしまう味である。肝心のお蕎麦はとても良い香りで、味も濃くて美味しい。おたぐりも思っていたよりも癖や脂っこさがなく、私は牛や豚よりもこちらのほうが好きかもしれない。

  松本駅前でレンタカーを借り、白骨温泉を目指す。松本市街を走っている頃に雪が降り始め、沢渡から白骨温泉方面への道に入った頃からは本格的な雪景色を拝むことが出来た。ただ、道路にも雪が結構積もっているので、スタッドレスタイヤ&4WDという出来る限りの装備をした車を選んだものの、何度か後輪を取られてヒヤッとした。

  今日の宿、「新宅旅館」に到着。約5年前(2011年9月8日)に、母、祖母、弟と4人で白骨温泉を訪れた際にも泊まった旅館で、料理も温泉も素晴らしかったので、今回もこちらにお世話になることにした。部屋に入ってカーテンを開けると目の前にお風呂の建物があって、雪景色の中に湯気が漂っている。この光景が何とも言えなくて、滞在中何度も眺めていた。

  さっそく、温泉に入る。白骨温泉のお湯は弱酸性の炭酸硫黄泉で乳白色。硫黄と炭酸成分が強く、浴室に入ると心地より硫黄の香りが漂っていて、お湯につかると体の芯まで温まる。露天風呂では、雪景色を眺めながら、雪が頭に積もるくらいゆっくりと過ごす。別世界に来たかのようだ。ちなみに、白骨温泉という名前の由来は、硫黄成分が湯船に沈着して白くなり、それが白い船のように見えるかららしい。

  夕食は、地元の食材を使った創作和食。料理も、この旅館の魅力のひとつである。信州サーモンのお造りや朴葉味噌の焼き物、林檎のグラタン、お粥コロッケ、岩名の塩焼き、信州そば等々、美味しいものばかり。

信州サーモンの脂ののりがすごい。

お出汁が甘いお茶のよう。

お味噌で焼くと、お肉はもちろん、野菜が驚くほど美味しくなる。

林檎のグラタン。口に入れるとりんごの香りが広がる。中の具材を食べ終えたあと、りんごの身を削って食べるのがまた美味しい。

お粥コロッケ。前回来た時からの私のお気に入り。ちゃんと硫黄の香りがする。

岩魚の塩焼きは、きちんと囲炉裏で焼かれたものだ。ホクホク。

炊き合わせは優しいお味。

信州蕎麦は、熱々のお汁につけて食べる。

食べ終わった後は、お汁で雑炊。

デザートが出てくる頃には、完全にお腹いっぱいである。

  お腹をパンパンにして部屋へ戻ると、夜食用のおにぎりが用意されていた。温泉で炊いたお米で作ったおにぎりで、野沢菜や梅が混ぜてある。お腹がいっぱいでも、ついつい食べてしまう美味しさだ。

  もう1度温泉に浸かり、部屋でゴロゴロ。硫黄の香りにまみれながら眠る。


12月31日(土)

2017年01月21日 00時56分52秒 | 2016年

  9時起床。軽く部屋の掃除をしてから、スーパーで買い物。

  昼食は、蕎麦を茹でる。スーパーで海老天とかき揚を一緒に、年越し蕎麦として頂く。ちょっと良いお蕎麦を買ったこともあって、美味しかった。

  夕食は、すき焼き。妻の実家では大晦日にすき焼きをするのが定番だという話を聞いて、我が家でもやってみることにした。確かに、1年の締めくくりにすき焼きをつつきながらまったりするというのは、しっくり来る。

デザートには苺も食べる。

  振り返ってみると、2016年も色々なことがあった。妻との新婚生活の開始、キューバを始めとする旅行の数々、結婚式といった楽しいものもあれば、愛犬の死のように本当につらいこともあった。仕事でも、充実した体験をすることもあれば、失敗したこと、嫌な思いをしたこともある。しかし、良いことばかりではなく、人生にはスパイスも重要であると、今は心から思えている。喜怒哀楽に溢れる日々を過ごせたことを、幸せに思う。そして、今年1年も、たくさんの方々にお世話になった。人間は社会的な生き物だから、周囲の方々の存在なしには生きられない。来年も、どうぞよろしくお願いします。