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人生そのものがフィールドワーク。

3月10日(土)

2018年03月18日 12時42分47秒 | 2018年

  5時起床。今日は川越の妻の実家に行くのだが、かなり遠回りをして向かう。身支度を整えて5時半過ぎに家を出る。この時間だとさすがにまだ外は暗い。それに、人がほとんど歩いていない。駅にも人はまばらだ。普段は人で溢れているので、何とも不思議な光景である。いつもこうだといいのだが。

  普通に川越へ向かう場合は上り線だが、今日は下り線で一旦逆行する。横浜でみなとみらい線に乗り換えて、終点の元町・中華街まで。

  一旦改札を出て、予約しておいた指定席券を発券する。昨年デビューした西武鉄道の「S-TRAIN」に始発駅から乗って所沢まで行くため、わざわざ早起きしてやって来た。

  電車の時間まで余裕があるので、一旦地上へ出る。当然ながら朝7時前の中華街は静かなもので、それはそれで独特の雰囲気があって面白い。なんか、異世界に迷い込んだ感じがする。

  せっかくなので山下公園まで足を延ばしてみる。こちらにはこの時間でも散歩をしている人が結構いる。地元の人と近隣のホテルに泊まっている観光客と半々くらいだろうか。ちょうど顔を出し始めた太陽の光と海風でとても気持ち良い。

  元町・中華街駅へ戻り、S-TRAINの入線を迎える。車両は西武線の40000系。見た目は普通の通勤型普通車だが、ロングシートとクロスシートの両方に切り替えが可能な「L/Cカー」と呼ばれるタイプの車両である。座席指定制のS-TRAINでは、クロスシートで運行される。導入されたのは1年ほど前で、当時は結構話題になった。また、現在このタイプの車両は関東圏では東武線や京王線でも運行されている。ただ、実は関西圏ではかなり前から存在する。

  車内に入る。この車両はインターネット上でも賛否両論があるのだが、個人的には同じ料金なのに指定される座席による当たり外れが大きいのが問題だと感じた。窓が無くて足下の狭い席(今回当たった座席がまさにそうだった)があったり、車両の端が普通のロングシート席のままだったりする。また、座席のリクライニング機能はないので、長く乗っていると疲れてしまう。いずれの課題も通勤ライナー的な運用時は(座れることに一番の価値があるから)ともかくとして、今回のような観光客向けの運用(元町・中華街→西武秩父)の場合には結構大きなネックになるのではないだろうか。正直なところ、この車両にお金を払って西武秩父まで行くのなら、池袋まで普通列車で行って、西武線の特急に乗ったほうがよっぽどいい。一方で、窓側座席の足元にコンセントがあるのは今時のニーズにきちんと対応しているなと感じる。やはりメインは平日の着席型通勤車両としての運用で、週末はそのPRも兼ねた運行なのだろう。

 

 

  元町・中華街を出ると、みなとみらい、横浜と停車し、そこから東急東横線に入ると次の停車駅は自由が丘。特急の停まる菊名や武蔵小杉も通過する。ただ、実際にはそれらの駅でもドア扱いがないだけで一旦停止する(ダイヤの関係だろう)ので、あまり颯爽と走っている感じはしない。続いて渋谷、ここから地下鉄副都心線に入り、新宿三丁目、池袋と停まる(池袋は降車扱いのみ)。ここまで来ても、全然人が乗ってこない。多い車両でも1両に4,5人といったところだろう。池袋を出ると、小竹向原(乗務員交代)と練馬(保安装置切替)で運転停車をしつつ、 西武線内初の停車駅は石神井公園。これまでの停車駅に比べると、なんでここに停まるんだ?と思ってしまう。そして、次の停車駅が所沢。私はここで降りる。所要時間は約1時間15分。途中からは窓のある座席に移動してみたが、私の乗車区間ではこれといった景色も見られなかった。そもそも、半分くらいの時間は地下を走っていたし。ちなみに、列車はこのあと入間市と飯能に途中停車しつつ、西武秩父まで行く。

  所沢で新宿線に乗り換え、終点・本川越の1つ手前の南大塚で降りる。西武線での妻の実家の最寄駅である。

  妻の実家までは、歩いて15分弱。閑静な住宅街をただただ歩く。

  妻の実家には9時前に到着。さっそく、娘を抱っこするが、がっつり泣かれる。どう考えてもまだ父親だとは認識されていない。続いては、初めての入浴タイム。お湯につかると本当に気持ち良さそうな顔をするのが面白い。一方で、顔に水が掛からないように、耳に水が入らないように注意しながら頭や身体を洗うというのは、結構気を遣うし大変なものである。こればかりは慣れだろうが。

  職場で先輩から教えてもらったバルーンアートを作る(道具は職場から拝借してきた)。昼休みに練習をして犬くらいなら簡単に作れるようになった。ただ、まだ娘にあげるには早すぎた。まだ目もろくに見えていないんだった。

  妻は、よだれかけを作ったそうだ。うん、こっちのほうがはるかに実用的だ。

  日中は娘を抱っこしたり、お昼寝しているのを眺めたりして過ごす。退院の日以降、私が仕事やら体調不良やらで3週間会いに来られていなかったのだが、その間にどんどん大きくなっていた。そして、顔も一気に人間らしくなった。生まれた時から猿っぽさはあまりなかったのだが、それでも大きく変わった。なんだこの成長曲線は。ちなみに私のほうも、緩やかではあるが成長している。おむつ替えの手際もかなり良くなったし、不思議とうんちの臭いも気にならない。厳密に言えば臭いは感じるのだが、それが全く不快ではないのだ。これなら、食事をしながらでも平気で替えられる。また、娘の成長と同時に、妻の成長(という言い方が正しいのかはわからないが)というか変化にも驚かされた。お世話の手際の良さといった技術的な面もそうだし、何より溢れ出る母親としての自覚や覚悟、責任感のようなものが感じられる。それに比べると、まだまだ私は父親になっていないんだなと痛感させられる。

  昼食と夕食をご馳走になった。妻のお母さんは料理上手で、しかもその素材にはお父さんが畑で栽培した新鮮な野菜が使われているので、毎回の食事が本当に楽しみで仕方ない。妻や娘と会えるということに加えて、私の川越訪問の大きなモチベーションのひとつになっている。いつの間にか、「今日は魚系が食べたい」と要望も出すようになっている。結婚の挨拶でガチガチになり、味もわからない状態でご飯を頂いた頃からすると考えられないことだ。

  帰りも南大塚まで歩き、帰途につく。妻の里帰り以降頻繁に川越に行くようになってから、自分の中で「毎回違うルートで移動する」というルールを定めている。今日は、途中で所沢から池袋まで特急に乗った。鉄道マニアとしては、こうした行き帰りの行程も楽しまないと。

  先日正式に会社から承認通知を頂いたのだが、4月の3週目から1年間、育児休業を取ることにした。年明けから上司に相談して仕事の調整などを始め、2月末に正式な申請をして、承認された。休業を取ることについてはもっとずっと前から考えていて、実際のところかなり迷ったし悩んだ。詳細は実際に休業に入るタイミングで書こうと思うが、そうして考え抜いた上での結論について、上司をはじめ職場の皆さんが応援してくださったのは本当にありがたかった。3月中は年度末の処理もあるし、4月に入ってから2週間という引き継ぎ期間も十分な長さとは言えないから、ここから1ヶ月はかなり忙しくなるが、後任者や周囲に掛かる負担が少しでも軽くなるように頑張らないと。