社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

7月30日(月)

2012年07月31日 01時00分48秒 | 2012年

  7時起床。今日は、仕事を休んで慶應大学病院へ行く。本当に久しぶりの通院で、希望的観測ではこれが最後の通院となるだろう。

  8時前に家を出て、信濃町へ。先生に会うのは2年振り。症状が治まったことやそれに伴う心境の変化について話をし、今後気を付けるべきことについてアドバイスを頂いた。正直、当時の診察や投薬治療にどれほど効果があったのかについては疑問もあるが、先生には感謝している。


お世話になりました。

  新宿へ移動し、「あるでん亭」で昼食。ベーコンと卵、サワークリームソースの「ロレンツァ」を注文する。サワークリームのカルボナーラといった感じで、ほのかな酸味が良いアクセントになっている。ランチタイムのピーク前に入店したのですぐに食べることが出来たが、お店を出る頃には外に行列が出来ていた。確かに、並ぶだけの価値のあるパスタである。

  新宿から中央線に乗り、神田で銀座線に乗り換えて日本橋へ。日本橋松坂屋の地下1階にある「フルーツパーラーレモン」で、「パイナップルかき氷」を食べる。切りたてのパイナップルをミキサーでジュースにし、それをシロップとして使ったかき氷で、氷の肌理も細かくてふわふわ。予想をはるかに超えるレベルのかき氷である。私の中では秩父で食べたかき氷が一番なのだが、それに優るとも劣らない。

  日本橋から銀座線へ銀座へ移動し、銀座の有名なケーキ屋「キルフェボン」に入る。大学生の頃にアルバイト先の同僚からおすすめされて以来、いつか来たいと思っていた。そして、今日はとにかく食べたいものを全て気の向くままに食べることにした。たくさんの種類のケーキやタルトの中から、迷った挙句に「山形県鶴岡産 まだ“名前も無いメロン”のタルト」を注文。ドリンクは、「フランボワーズネクター」。フルーツそのものの甘味と、ヨーグルトの酸味の効いたムース、そしてタルト生地。さすがである。今後は、少しずつ色々な種類を食べてみたい。

  15時前に帰宅。

  夕食は、実家から送られてきた新潟県産コシヒカリを炊いて、イカの塩辛と卵かけのご飯にして、おかずにはローストビーフとお刺身(カツオ、スズキ、アジ)を買ってきた。ちょっと豪華にし過ぎただろうか。

  夜は、テレビでロンドンオリンピックの柔道女子57キロ級、男子73キロ級を見る。3回戦から全ての試合を見て、松本薫選手の金メダルと中矢力選手の銀メダルを見届けた。松本選手の気迫溢れる柔道ももちろん素晴らしかったし、惜しくも決勝で敗れた中矢選手の柔道も良い意味で泥臭さがあって魅力的だった。銀メダルは嬉しくないかもしれないが、少なくとも私は心底感動した。胸を張って帰ってきてください。

  今日に限らず、今大会の柔道を見ていて思うのは、圧倒的な強さを見せる選手がいないということである。それだけ世界的にレベルが上がり力が均衡してきているのかもしれないが、そこで思い出すのは、やはり2000年シドニーオリンピックの時の井上康生選手である。全試合1本勝ちの金メダルというのは当時も衝撃的だったが、今から振り返ってみるとそれがいかにすごいことだったがよくわかる。それに加えて、表彰式で母の遺影を掲げたシーンも印象的だった。「亡き母に捧げる全試合一本」。当時の新聞記事に書いてあったこの表現も、未だによく覚えている。素人がこんなことを言って申し訳ないのだが、こういう柔道家がもう一度出てきてくれないだろうか。


7月24日(火)~29日(日)

2012年07月30日 23時36分03秒 | 2012年

  どうやって書こうか考えていたら、1週間近くが経ってしまった。何とかうまい表現でこの感覚を伝えたいと思うばかりに、筆が(正確にいえばタイピングが)全く進まなかった。しかし、考えたからといって良い文章が書けるというわけではないので、思うがままに書くことにする。

  この3年強の長期間に渡って、過去のある場面のフラッシュバックに悩まされてきた。発症初期には、それによって過呼吸になったり、仕事が出来なくなったりもした。最近は日常生活への支障はない状況になっていたが、それでもずっと気にはなっていたし、いつ来てもいいようにと緊張感を持って生活をしていた。

  そのフラッシュバックが、ついに消えた。正確にいえば、消えたのはもう1ヶ月以上前のことである。1ヶ月が経って、ようやく消えたという確信を持つことが出来たのだ。それに気付いた時には、ホッとして体全体から力が抜け、全身が一気に軽くなった。

  「フラッシュバックが消えればどんなに楽になるだろう」。ずっとそう考えてきた。私と同じ状況に置かれている人なら、誰だってそう考えるだろう。しかし、どうやらそうはいかないらしい。

  フラッシュバックに悩まされている間は、ただ目の前の日々を平穏無事に過ごすことが最重要課題となり、人生を充実させることへの意識は薄くなる。というか、そんなことはどうでもいいことに思える。

  しかし、今は違う。自分の人生、将来について考えられるようになったし、逆に言えば考えてしまうようになった。今の仕事をずっと続けるのか、結婚はどうするのか、もっと貯金したほうがいいのではないか等々、同年代がごく普通に考えていることを、今、久しぶりに考えている。

  このように、ようやく解放されたと思ったら、考えなければならないことがたくさん待っていた。しかし、それは私がようやく”まともな”精神状態になったということで、この変化は喜ぶべきことなのだろう。大袈裟に言えば、これまでとは世界の見え方が変わるのではないだろうか。何となくだが、そんな気がしている。

  そして最後に、今回のことで心配を掛けた方々、支えてくれた家族や友人には本当に感謝している。彼らがいなければ、ここまで来ることはなかっただろう。 


7月23日(月)

2012年07月23日 23時25分09秒 | 2012年

  7時起床。身支度を整え、8時半過ぎに友人の家を出る。

  仕事前の友人に、青森空港まで送ってもらう。何から何まで、本当にありがとう。

  出発まで1時間ほどあったので、お土産を買ったり、屋上に上ってみたりして過ごす。飛行機が1機もない空港を見たのは、これが初めてかもしれない。

やっぱり、飛行機がないと絵にならない。

  10:10発のJAL1202便に乗り、羽田へ。せっかくなので座席をクラスJにアップグレードしてみたら、思った以上に座席間が広く、椅子の座り心地も良くて快適な時間を過ごすことが出来た。こういう環境なら、欧米への長距離フライトも余裕だろう。


海ほたる。そろそろ着陸だ。

  ほぼ定刻通りに羽田に到着。その後、京急線と京浜東北線を乗り継いで、13時前には本郷台へ帰ってくる。

  4連休最後の午後は、写真の整理やブログの更新に費やした。明日からは、また日常に逆戻りか。

 


7月22日(日)

2012年07月23日 23時13分34秒 | 2012年

  7時起床。目覚ましで起きた瞬間真っ先に感じたのは、「さむっ!」ということだった。この時期でこの温度なんて、もう青森に引っ越そうか。

  8時前に家を出て、青森駅近くにある「古川市場」へ。ここの名物は、「のっけ丼」である。最初にご飯を購入し、あとは市場内を回って好きなお店で好きな具材を「のっけ」ていくシステムだ。お店の数も多く、お店によって具材の種類も大きく異なるので、選ぶのは結構大変だ。しかも、私は迷ったらのせてもらうというスタンスで臨んだために、結局1300円分の具材をのせることとなった。なんと豪華な朝御飯なのだろう。肝心の味も抜群で、特につい先ほど捕れたところだというホタテ(目の前でさばいてくれた)が最高に美味しかった。

お茶碗を持って、市場内をうろちょろする。


どれも、一切れが大きい。


やっぱり、青森といったらホタテでしょ。


おばちゃんが丁寧に盛り付けてくれる。


完成版(ご飯100円+しじみ汁100円+具材1300円分)

  朝一番の腹ごしらえをすませたところで、青森県立美術館へ。チケットを購入し、真っ先に「あおもり犬」を見に行く。当初、私はそのネーミングがダジャレであることに全く気付いておらず、「なんで犬を作ったんだろう」と真剣に考えていた。まさか、そんなしょーもないダジャレだったとは…。しかし、実際に目にする「あおもり犬」は迫力と愛らしさ、そしてなぜか哀愁のようなものがあり、ただのダジャレを超えた魅力が感じられた。その後、企画展(Art and Air ~空と飛行機をめぐる、芸術と科学の物語)と常設展を1時間半ほど掛けてゆっくりと観て回る。企画展も面白かったが、前述の「あおもり犬」も含め、やはり奈良美智さんの作品が最も印象的だった。適切な表現かどうかわからないが、見ていてなぜかニヤッとしてしまう作品が多いような気がする。


入ってすぐのところに、スイミーの紙飛行機版のような作品が飾られている。


実は、この手前にエサ皿が置かれている。お座りして待っているのだ。

  続いては、私が前々から「行きたい行きたい」としつこく言っていた酸ヶ湯温泉を目指す。その途中、八甲田雪中行軍遭難事件の遭難場所となった地域に立ち寄り、後藤房之助伍長の像を見に行く。明治35年、日本陸軍の雪中行軍の訓練中の遭難により、参加者約200名の大半が死亡したという大事件で、後藤房之助伍長は仮死状態から奇跡的に生還した人物であると言われている。この時期は涼しくて心地よいこの場所も、真冬には想像を絶する雪模様となるらしい。

  酸ヶ湯温泉に到着し、さっそく名物のヒバ千人風呂に入る。160畳という広さのお風呂だが、さすがに1000人は入れないような気がする。しかし、泉質は素晴らしく、ゆっくりと体の芯が温まり、体全体が軽くなっていって、めちゃくちゃ気持ち良い。これで、長年の願いが1つ叶った。また、私は混浴が初体験だったので少し緊張していたのだが、女性はお婆さんばかりだったので全く問題なかった。

  十和田方面を目指して車を走らせる途中で、睡蓮沼に立ち寄る。ここからは、八甲田連峰を綺麗に見渡すことが出来る。その上、周囲360度全てを壮大な自然に囲まれていて、最高に気持ち良い。これぞリフレッシュ、である。

左側にあるのが八甲田大岳。


その周囲では、はるか遠くまで延々と森が続いている。

  十和田へ到着し、まずは腹ごしらえ。十和田のB級グルメである「バラ焼き」を食べるため、焼肉屋「大昌園」に入る。バラ焼きとは、牛バラ肉と玉ねぎを甘辛いタレで焼いたもの。シンプルだが、だからといって甘く見てはいけない。2年連続で全国B-1グランプリで8位に入っているだけあって、この味は癖になる。特に、ご飯との相性は抜群中の抜群である。おそらく、ポイントはタレなのだろう。


何気に卵スープも美味しかった。


非常にシンプルだが、味は間違いない。

  続いての目的地は、「十和田市現代美術館」。「現代アートはぶっ飛んでいて私はついていけない」。これまではそう思っていた。しかし、それは浅はかな考えだった。確かに中にはピンと来ない作品もあったが、あっと驚くようなものだったり、心踊るものがたくさんあった。おそらく、一番有名なのは「スタンディング・ウーマン」だと思うし、確かにそのインパクトや細部へのこだわりには思わず感嘆の声を上げてしまうが、それ以外にも「なんだこの発想は!」と思わせてくれる作品が数多く展示されている。うまい表現が見当たらないのでこんな言い方になってしまうが、「超面白い」のだ。しかも、周囲の公園にも作品が置かれていて、その地域全体がアート作品として形成されているように感じられた。

  美術館の目の前で、「花火アイス」なるものを購入する。昨日の「霊場アイス」と同様に名前に釣られたわけだが、なぜ花火なのかは作っているところを見てすぐにわかった。味は、昔駄菓子屋で食べたようなケミカルなもので、美味しいというよりは懐かしいという感じだろうか。見た目も綺麗だし、一度食べてみても損はないと思う。

  青森へ戻る途中で、友人のおすすめする七戸のジェラート屋「NAMIKI」に寄る。この地域では有名なお店らしく、駐車場には次から次へと車が出入りしている。私は、定番のミルクとトマトのダブルを注文。これが、衝撃的においしい。おそらく、原料のジャージー牛のミルクがすごいのだろう。めちゃくちゃ濃厚で甘いミルクがそのままジェラートになったという感じである。あまりにおいしくて、思わず箱買いするところだった。

  青森市内へ戻り、ねぶたの準備会場を見に行く。海沿いの公園に大型テントが設置され、その中で来月のねぶた祭に向けた制作作業が行われている。大半のテントは扉が閉められているが、いくつかはまだ開いていて、作品を見ることが出来た。いずれもほとんど完成に近い状態で、迫力がある。また、当たり前のことなのかもしれないが、私としてはそもそも毎年新しいものを作っているということに驚いた。

  夕食は、青森で有名な鰻屋「川よし」で。私は普通の鰻重を注文したのだが、出てくるまでに時間が掛かったからということで、2人共鰻の量を1.5倍にしてくれた。上だけでなく、ご飯の間にまで鰻が入っていて、むしろご飯が足りないくらいという嬉しい状況で、味も申し分なく、大満足である。

  20時過ぎに友人の家へ戻り、コンビニで買ったアイスや彼の作った料理を食べながら、お喋りをして過ごす。この2日間は、本当にあっという間に過ぎていってしまった。しかし、振り返ってみると、めちゃくちゃ充実した旅行だったと思う。これも全て、友人のおかげである。私の希望を聞いてプランを立て、運転も案内もしてくれた。普段はスケジュールなんかを気にしながら旅をする私が、今回は全く気の向くがままに行動できたのも、彼のおかげである。本当に、ありがとう。

 


7月21日(土)

2012年07月23日 21時24分17秒 | 2012年

  4時過ぎに起床。カーテンを開けたら、ちょうどあつみ温泉駅を出発するところだった。外も明るくなり始めたところだったので、そのままカーテンを開けっ放しにしてゴロゴロしながら景色を眺めることにした。

  酒田(05:00着)、秋田(06:38着)、東能代(07:48着)と順調に主要駅を通り、08:32に大館駅に到着。大館駅といえば「花善」の名物駅弁「鶏めし」が有名だが、前日までに電話で予約をしておくと、列車のドアのところまで届けに来てくれる。しかも、朝に作り立てなので、温かいまま食べることが出来る。今日は、私と同じ車両だけでも他に4名が予約していた。もちろん、味は素晴らしい。これを食べずに大館駅を通るなんて、もったいなさ過ぎる。

  定刻通り、09:55に青森駅に到着。かれこれ12時間40分の長旅だったが、長いと感じることは全くなく、むしろこの貴重な時間がもう少し長く続けばいいのにと思いながら到着の時を迎えた。こんな贅沢な時間の過ごし方は、なかなか出来ない。


回想用の機関車に連結される。お疲れ様でした。

  改札口で友人と合流。最後に会ったのは彼が地元へ帰省してきた今年のお正月だから、かれこれ半年振りの再会である。さっそく彼の車に乗り込み、恐山を目指して出発。

  駅を下りた瞬間に感じたことだが、青森はめちゃくちゃ涼しい。街にある温度計は18℃を示しており、涼しいを通り越して寒いぐらいだ。さらに、湿気が全くないので非常に快適。そして、何より空気が美味しい。自然と何度も深呼吸したくなる。

  下北半島に入ったあたりで、昼食を兼ねた休憩を取る。選んだ場所は、「道の駅よこはま」。青森には、横浜町という町がある。かなり聞きなれた名前である。しかし、こちらの「横浜」は周囲をこれでもかというぐらいの自然に囲まれている。レストランに入り、名物だという「ほたて塩ラーメン」を食べる。バターの風味がついた大きなホタテの入った塩ラーメンで味も文句なく、一気に平らげてしまった。

  恐山の少し手前に、「恐山冷水 不老水」という湧水のスポットがある。めちゃくちゃ冷たくて美味しい水で、1杯で10年寿命が延びると言われている。欲張ってもいけないので、私は2杯飲んだ。

  恐山は、まさに「霊場」という、非常に特別な空気に包まれている。この日はちょうど大祭典というお祭り期間で、多くの観光客が訪れていたが、それでもその空気が乱れることはない。ちなみに、恐山は地蔵信仰による死者供養の場であり、東北地方では「人が死ねばお山に行く」として長らく信仰の対象となっており、日本各地から故人を偲ぶ人々が訪れているそうだ。

何となく、乗るのが怖そうなバス。

  まずは、三途の川を渡る。三途の川を渡らないと境内に入れないという時点で、既に相当恐ろしい。境内に入るとすぐに、「イタコの口寄せ」が行われている。当初は私もある人を降臨させてもらおうと楽しみにしていたのだが、長蛇の列が出来ていたので諦めた。聞くところによると、このお祭りの時期には3時間待ち、4時間待ちが普通だそうだ。

これから、一旦死にます。

  まずは、ご本尊をお参りする。ここまでは、一般的なお寺と同じである。

山門


地蔵殿

  ご本尊の安置されている地蔵殿から先へ進むと、景色が一変する。火山ガスの噴出するゴツゴツした岩肌の一帯が続き、至る所に石が積まれている。辺りは硫黄のような臭いが立ち込め、つい最近も実際に溶岩が噴出するという事件があったらしい。まさに、地獄の名にふさわしい場所である。


賽の河原


死者があの世への旅でかく汗をぬぐえるようにと、手ぬぐいがお供えされている。

  そんな地獄を進んでいくと、大きな湖に出る。周囲の白い砂浜は極楽浜と呼ばれており、先ほどまでと違って穏やかな空気に包まれている。所々に花や線香、風車などがお供えされており、湖に向かって拝んでいる人もいた。死後の世界があるとしたら、きっと天国はこういうところなのだろう。

よく考えたら、ここで写真を撮るのは少し不謹慎だったのだろうか。

  再び地獄のような道を歩き、胎内くぐりをして地蔵殿に戻ってくる。これで、一応輪廻転生して生まれ変わったことになる…のだろう。


ガスの噴出口に、小さな仏様が置かれている。

  境内には、無料で入れる温泉が設置されている。古びた小屋の中に脱衣所と湯船があるだけの温泉だが、泉質は素晴らしく、歩いた疲れが抜けていき、まさに生まれ変わるようだ。どうせ行くのなら、タオル1枚を携えて行ったほうがいい。

  入場の時から気になっていたのだが、境内への入口付近で「霊場アイス」なるものが売られていたので買ってみる。由来はよくわからない(多分そんなものはないのだろう)が、これが予想をはるかに超えて美味しい。バナナ、ブルーベリー、よもぎの3種類の味で、特によもぎ味が草団子をそのまま食べているのではないかと思えるほど濃厚なのだ。やはり、旅ではよく分からなくてもとりあえず食べてみることが大切だ。

  無事に生き返ることが出来たので、次の目的地である大間へ。恐山からは、1時間強で到着する。青森市街地は涼しく、恐山は寒かったが、大間ではそれ以上に寒い。しかし、天気が良かったので遠くまで景色を見渡すことができ、海の向こうに北海道も見えた。

  岬のすぐ近くにある「大間んぞく」で、念願の大間マグロを食べる。元々私はマグロがあまり好きではなかったのだが、「大間のマグロを食べなきゃ好き嫌いを決められない」ということで、今日まで最終判定を保留にしてきた。このお店では、時期以外でも冷凍保存してある大間産のマグロを食べることが出来る。注文は、赤身、中トロ、大トロをそれぞれ味わえる「刺身定食」と、単品で「血合いの唐揚げ」、「生うに」(大間はうにも有名らしい)。後者の2品も絶品だったが、やはりここのメインはマグロの刺身である。赤身はマグロの味が濃く、中トロは舌の上でとろけ、大トロは霜降りの牛肉なんじゃないかと思うほど美しく、美味しかった。意外なことに、中トロより大トロのほうがさっぱりしていたような気がする。そして、最終判定としては、「美味しいマグロは美味しい」という結論に至った。

赤身(左)、中トロ(右)、大トロ(上)。


血合いの唐揚げ。


生うに。

  大間から青森までは、軽く3時間以上掛かった。私は助手席でベラベラと喋っていただけだから良いが、友人は大変だっただろう。

  なんやかんやで、友人の家へ着いたのは23時過ぎ。2DKという広々とした部屋で、お風呂も広く、予想以上に良い部屋である。これで家賃5万円とは、さすが青森。