社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

9月10日(土)

2016年10月11日 22時10分46秒 | 2016年

  5時起床。5時半に濱田さんに迎えに来て頂き、空港へ。これで、キューバ旅行も本当に終わりだ。

  事前に濱田さんからのアドバイスでウェブチェックインをしておいたので、長蛇の列を後目に、あっという間にチェックインを終える。

  ここで、濱田さんとお別れ。最後に、お手紙と記念に麦わら帽子をプレゼントして頂いた。本当に良いガイドさんで、今回のキューバ旅行が素晴らしかったのは、彼のおかげである。彼との出会いもまた、この旅行の大きな収穫だった。彼と別れた後で頂いたお手紙を読み、妻も私も泣きそうになった。そして、その手紙で知ったのだが、実はこれが彼にとって初めての旅行ガイドだったらしい。最初に担当したのがお2人で良かったと言ってくれたが、こちらこそ、彼の最初の旅行客になれて光栄だった。おそらく彼は帰国後、抜群の語学力と中南米での経験、そして何より魅力的な笑顔と人柄で、きっと素晴らしい仕事に就き、普通の人ではなかなかできない経験を重ねていくだろう。本当に、ありがとうございました。そして、残りの滞在がより充実したものになることを願っています。

  ホテルをチェックアウトする際に頂いた朝食を食べる。キューバで定番だといわれているハムとチーズのサンドイッチだ。キューバ最後の食事にふさわしい。

  出国手続きを終え、お土産を物色してから、搭乗口で休憩。なけなしの現金をはたいて、カフェへ。妻はコーヒーを、私はよくわからないメニューを選んだら、生ぬるい牛乳(?)だった。日本の牛乳よりも、甘味があって美味しい。

  最後に手元に残った現金は、わずか数百円。チェ・ゲバラが描かれている3CUC札をそれぞれの手元に残し、記念に持ち帰る。

  ハバナ08時00分発のエアカナダ1753便に乗り、トロントへ。トロントで約2時間半の乗り継ぎ時間を経て、トロント14時00分発のエアカナダ001便で成田へ戻る。帰りの飛行機でこの日記の文章を考えるはずが、立て続けに映画を観てしまい、結局書けず。

  定刻通り、翌11日(日)の16時頃に成田に到着し、入国手続きを経て、京成スカイライナーに乗り、都内へ戻る。帰宅は18時過ぎ。飛行機の中では一睡もしなかったので、さすがに眠い。

 

  新婚旅行でキューバに行くというのは、少し珍しいことかもしれない。「は?新婚旅行でキューバ?」という反応を何度もされた。しかし、この選択は大正解だったし、もし少しでもキューバに興味がある人には、それが新婚旅行であるかそうでないかに関わらず、ぜひおすすめしたい。

  まず、大前提として治安が良い。もちろん外国なので最低限の注意は必要だが、これまでに行った東南アジアやヨーロッパよりも危険な感じはなく、ほぼ日本と同じ感じで歩き回ることが出来る。そして、基本的に人が優しく、朗らかだ。道行く人もお店の人も、もちろん日本が目指すような「おもてなし」を期待してはいけないが、肩肘を張らない自然体で接してくれるし、何より笑顔が多い。料理も、日本人からしても違和感はそれほどなく、適度に新鮮な驚きがあって、味も美味しい。特に、ロブスターやマンゴーの美味しさは忘れられない。また、街並みや雄大な自然、美しい海など、観光資源も様々で充実しており、数多くの体験や光景が心に強く残る。

  私たちの場合は、濱田さんやアリエルさんといった素晴らしい方々に恵まれたこともあって、訪れた観光地の情報はもちろん、キューバの歴史や文化、政治情勢、人々の暮らしなど、観光ガイドやインターネットには載っていない話をたくさん聞くことが出来た。そのような充実した情報もまた、旅行に深みをもたらせてくれた。私は、基本的には旅行でガイドさんがつくことを好まず、何でも自力でやってみたいと考えるタイプだが、今回彼らに出会って、こういう形にも大きな魅力があると考えを改めた。

  今回の旅行のおかげで、今後の旅行先の選択肢に中南米が加わった。これまでは考えもしなかった地域だが、他の国にも行ってみたい。さて、次はどこに行こうか。


9月9日(金)

2016年10月08日 09時15分15秒 | 2016年

  6時起床。あまり食欲がなかったので私は朝食をパスし、トリニダーのCASAから持ってきたクッキー的なパンと、バーでもらってきたレモネードで済ませる。食欲がない時でも、このクッキーの懐かしい甘さなら受け入れられる。

  身支度を整え、お土産にコーヒーや葉巻を購入して、宿をチェックアウト。お迎えを待つ間、バーでクラッシュアイスのレモネードを飲む。キューバでお気に入りの飲み物である。

  濱田さんとアリエルさんに迎えに来て頂き、ハバナへ。途中、バグナヤグア橋という地上112mに架けられた橋に立ち寄る。ユムリ渓谷という谷に架けられた橋で、近くの展望台から眺めるとその高さに足が震えるほどだ。また、周囲の景色も雄大で、天気が良かったので遠くの山々まで見渡すことが出来た。

  展望台の売店で、ココナッツジュース(パイナップル入り)を飲む。冷たくて美味しい。また、周囲のお土産売り場が面白くて、ついつい色々と買い漁りそうになった。結局、またチェ・ゲバラのTシャツをもう1着購入した。

  ハバナへ戻り、サン・ホセ民芸品市場に立ち寄る。巨大なお土産売り場で活気があって、歩いているだけで楽しい。特に、大きくてとても綺麗な絵がたくさん売られていたのが印象的だった。良い輸送手段があれば、1枚くらい買いたかったのだが。

市場の裏は海に面している。

市場の入口には、なぜか汽車が。

  今日の、そしてキューバ最後の宿泊先、「アンドス・ムンドス」(Ambos Mundos)に到着。ヘミングウェイが常宿としていたことで有名なホテルである。ロビーには、ヘミングウェイの写真が数多く飾られている。そして、アリエルさんとはここでお別れ。明るくて優しくて、熱心に説明をしてくださる、本当に素晴らしいガイドさんだった。本当に、ありがとうございました。

かなり古い型のエレベーターがあって、ちょっと感動。しかし、残念ながら今はもう動かしていない。

  チェックインの時間まで、ロビーのバーでしばらく休憩。せっかくなのでキューバっぽく、ノンアルコールのモヒートを飲む。雰囲気は出るが、やはりノンアルコールだと単純にミントとソーダの味だ。

  案内された部屋は、道路に面しておらず、狭かった。清潔感もいまいち。ヘミングウェイが泊まっていたということで最後の宿泊先にしたのだが、純粋にホテルのレベルとして考えると、あまり良いホテルとはいえない。

  少し休憩してから、再び外出。葉巻愛好家に人気だという「カサ・デル・アバーノ」で、葉巻を物色する。妻がお土産に葉巻を買いたいとのことだったのだが、シガーバーも兼ねている店内には葉巻の煙が充満しており、私でもかなりきつかった。というわけで、最低限の葉巻を買って、早々に退散。雰囲気は映画に出てくるような感じで良かったのだが、さすがにあの煙の空間に長時間いるのは難しい。

  2日目にエクレアを購入したオビスポ通りのパン屋さんで昼食を購入し、ホテルの部屋で食べる。キューバではハムとチーズのサンドイッチが定番らしく、このお店のそれはパンがパイ生地のような食感で、とても美味しかった。

  ホテルの中でヘミングウェイが実際に宿泊していた部屋が展示室になっているので、見に行ってみる。彼が実際に使っていたというタイプライターや直筆の原稿、釣竿や当時の写真が飾られていて、いかに彼がキューバを愛し、馴染んでいたかをうかがうことができる。ただ1点気になったのは、部屋がやけに広いこと。私たちが泊まっている部屋との差が大きい。やっぱり、彼はVIP待遇だったのか。

  ホテルの屋上に上がってみる。レストランになっていて、周囲の景色が素晴らしい。遠くのモロ要塞まで見渡すことが出来る。上から眺めると、ハバナ旧市街がまた少し違った雰囲気に感じられる。

  2時間ほどお昼寝(というか夕寝)をしてから、夕飯を食べに出掛ける。夜のハバナ旧市街は雰囲気がとても良くて、治安にも全く問題はない。(もちろん最低限の警戒心は前提として)暗い道を歩いていても特に危険な感じはないし、飲食店の客引きなどはあるが、全くしつこくさがなく、断るとすぐに引き下がって、「そっか、じゃあ次は是非来てね。良い旅を!」と爽やかな対応をしてくれる。日本の繁華街の客引きも見習ってほしい神対応である。総じて、キューバは私がこれまで訪れたいくつかの国の中で、最も治安に不安を感じない国だった。

  ヘミングウェイが通っていたというレストラン「ラ・ボデギータ・デル・メディオ」(La Bodeguita del Medio)に行ってみたのだが、座席は空いていたものの、店員さんが忙しそうで全体的にも落ち着かない雰囲気だったので、別のお店へ行くことにする。

  カテドラル広場にあるレストラン「エル・パティオ」(El Patio)で、広場を眺めながら夕食。涼しい夜風を浴びていると、心地よい。注文したのは、ロブスターとラム。妻と私の手持ちの現金を合計し、残っているお金をほぼ全額使い果たす。ロブスターもラムも、期待以上に美味しくて、キューバ最後の食事にこのお店を選んだのは正解だった。また、食事をしていると野良猫や野良犬がやってくるのだが、私がついついおねだりされるがままに食べ物をあげてしまうので、最後のほうは彼らに囲まれて食事をする形になった。

私はレモネード、妻はモヒートを飲む。キューバでは、「リモーネ」と注文すると普通の缶のレモンジュース、「リモーネ・ナショナル」と注文すると、クラッシュアイスで作られた本当のレモネードが出てくる。もちろん、おすすめは後者。

ここのパンはレベルが高かった。柔らかいものも、細くてパリパリしたものも美味しい。

ロブスター。小さい海老や白身魚、野菜もたくさん添えられていて、大満足。

トリニダーのお店でもそうだったが、ラムの味付けが絶妙だ。

みんな、行儀よくおねだり。偉い。

  ホテルへ戻ると、周りにたくさんの若者がたむろしていた。そうだ、このホテルはWifiスポットになっているんだった。この光景も、いつまで見られるだろうか。

  ホテルの屋上から、夜景を眺める。キューバ最後の夜である。