社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

10月20日(金)

2017年10月29日 23時39分39秒 | 2017年

  5時半起床。今日は休日出勤の振替休日を取って、日帰りで長野方面へ鉄道旅に出かける。

  6時過ぎに家を出る。平日とはいえ、さすがにこの時間だと蒲田駅も閑散としている。普段の喧騒からは想像も出来ない静かさだ。

  新宿駅07時30分発の特急あずさ3号に乗り、小淵沢へ。所要時間は約2時間。車内は結構混雑していて、半分くらいはビジネスマンである。朝食は、新宿駅で購入した「牡蠣と炙り煮あなご弁当」を車内で頂く。期待以上に美味しい。メインは牡蠣かと思っていたが、あなごが良い仕事をしている。

  定刻どおり、小淵沢駅へ到着。次の予定まで少し余裕があるので、一旦改札を出て駅の展望広場へ。高さはそれほどでもないが、周囲の町が結構よく見える。また、遠くの山が朝靄に包まれている様子が幻想的だった。

  今日のメインの目的は、今年の7月にデビューしたばかりの小海線のリゾート列車「HIGH RAIL 1375」に乗ることである。

この列車が運転する小海線は、高原地帯や八ヶ岳の眺望、日照時間や寒暖差による豊かな実り、美しい星空を眺めるなど沿線に多くの魅力を有しております。「空」に近い自然環境、JR線でも標高が高く「空」に近い線区の特徴から「天空にいちばん近い列車」をコンセプトとしました。(JR東日本HPより)

  少しだけ補足をすると、小海線の野辺山駅は日本全国のJR線の駅の中で最も高い標高(1345.67m)に位置しており、この駅と隣の清里駅の間にJR線標高最高地点(1375m)がある。列車名の数字は、この標高最高地点の高さから来ている。実際、路線の勾配はかなり急で、何も知らずに乗っていても「随分登ってるなー」と実感出来るほどだ。

  出発の15分ほど前に、列車が入線してくる。沿線から眺められる八ヶ岳をはじめとした山々や星空をイメージして作られた車両で、キハ100、110系を改造したものだ。内装もいかにもリゾート列車といった感じで、中でも特筆すべきは私の乗った1号車にあるシングルシートとペアシートである。特にシングルシートは1人席に2席分のスペースが割かれているので、広々としている。座席が窓に対して45度の角度に向かって設置されているのも、景色を眺めるのに最適だ。また、2号車には天井がプラネタリウムになっているギャラリーもある。これは面白い。これまで乗ったリゾート列車の中でも1番かもしれない。

  10時30分に出発。小淵沢を出てすぐに、かなりの勾配を上り始める。まさに、"High Rail"。景色も素晴らしい。また、野辺山駅の手前では、JR鉄道最高地点の標柱を見ることが出来た。1375m地点だ。

  JR線の中で最も標高が高い駅、野辺山駅で5分ほど停車時間があったので、車外に出る。びっくりするくらい何もない駅だが、それがいい。

  野辺山駅を出てからは、まったりモード。景色を眺めたりパンフレットに目を通したり、シングルシートは本当に広々としていて、リラックス出来る。また、途中でアテンダントさんが回ってきて、記念写真を撮ってくれた。少し恥ずかしさもあるが、こういうサービスは嬉しい。

この地域といえば、高原キャベツ。

  車内販売コーナーへ行ってみる。限定グッズが所狭しと並んでいて片っ端から買いたい衝動に駆られたが、ぐっと堪えて、りんごジュースとお豆入りの抹茶ケーキを購入。うん、美味しい。小腹を満たすにはちょうど良い。

  今回乗った快速HIGHRAIL1号は、途中で長時間停車するということがない。それが唯一の不満なところだろうか。沿線に何もないのかもしれないが、どこかで少し長めの休憩時間をとって、駅周辺を自由に散策できると嬉しい。ちなみに、反対方面への2号では野辺山駅で15分間の停車時間があるし、夜に走る星空号では同じく野辺山駅で約1時間の星空観察会に参加することが出来る。是非、1号もそのような遊び時間を設けてもらえると嬉しい。

  乗車からちょうど2時間。12時31分に終点の小諸駅に到着。素晴らしい時間を過ごすことが出来た。今回、2日前にシングルシートが取れたのは本当に幸運だった。2日前の時点で残り座席が1席しか空いていなかったのだが、その1席がシングルシートだった。この席は7席しかないから、狙っていてもそう簡単に取れるものではない。急に思い立って、ダメ元で切符を取りに行って本当に良かった。

  小諸駅で下車し、帰りに軽井沢まで乗るしなの鉄道のリゾート列車「ろくもん号」のチケットを受け取ってから、駅を出る。小諸周辺は、私の大好きな「これぞ地方都市の駅」といった雰囲気だ。何となく、会津若松駅の雰囲気に似ている。

  駅から10分ほど歩いて、温泉宿「中棚荘」へ。ここで、日帰り入浴をさせて頂く。島崎藤村ゆかりの宿で、彼の作品の中にもこの宿が出て来る。また、彼が明治29年に発表した詩「初恋」にちなんで、内湯にりんごを浮かべる「初恋りんご風呂」が名物になっているそうだ。今はちょうどそのお風呂の時期が始まったところである。

  お昼時の時間だったので、お風呂は完全に貸切。室内に入った瞬間に、木の良い香りがする。建物全体が木造で、特に柱や梁などの立派さが印象的だ。脱衣所も畳敷きで、居心地が良い。たくさんの林檎が浮く内湯に、木漏れ日の射す露天風呂。内湯は温かくて体がポカポカになるし、露天風呂は冷たい風が心地よくて長く入っていられる。いつの間にか、肌もツルツルになっている。上がったあとは、しばらく畳でゴロゴロする。危うく、そのまま本格的に眠ってしまうところだった。

お風呂を出たところで飲泉も出来る。入っている時には気付かなかったが、結構濃い温泉だ。

  駅前まで戻り、「遠州家」で昼食。鯉のあらいと鯉こくが入った「鯉定食」を注文する。大学時代に初めて鯉のあらいを食べた時に、鯉の美味しさにはまった。生でも臭みはないし、食感もしっかりあって美味しい。鯉こく(鯉の味噌汁風煮込み)は初めて食べたが、身の柔らかさと脂の旨みがよく感じられて、全体的に甘めの味噌汁に仕上がっていた。これは相性抜群だ。お風呂上りだったこともあって、味が身体に染み渡っていく感じだった。

  駅周辺を少し散策する。かなり古い街並みで、良い具合に寂れている感じがある。しかし、個々のお店には活気があるものもあるし、面白いところも多い。何だかんだで、このあたりで生活に必要なものは何でも揃いそうだ。

  駅舎を背にして左手には、市民広場(停車場ガーデン)が広がっている。ここだけやけにお洒落な雰囲気だ。庭園はかなりしっかり手入れがされていて、たくさんの種類の植物が植えられていた。

  小諸駅に入り、電車を眺める。115系電車が並んでいて、中には横須賀色(青色)もあった。首都圏では見られなくなった古い車両が現役で活躍している姿にほっこりする。

  乗車予定の「ろくもん号」が入線してくる。しなの鉄道が力を入れている観光列車で、真田一族の家紋である「六文銭」から命名され、車両も真田幸村が用いた「赤備え」をイメージしたデザインになっている。通常は、長野・軽井沢間を2時間から2時間半ほどで走っている。今回私は小諸・軽井沢間のわずか30分ほどの乗車だけだが、フルで乗車すれば周辺地域のお店が提供するコース料理や懐石料理を車内で食べられるプランもあって、人気を博している。

  小諸での停車時間が15分ほどあり、多くの乗客は駅周辺の散策に出掛けているので、その間に車内を探索。この列車は、内装へのこだわりがすごい。座席や机はそれが電車内のものとは思えないし、私が乗車した1号車には中央部分に木のプールが設置されていたりもする。食事付で乗車する方々が利用する2号車、3号車は更に凝っていて、ソファとカウンター席のあるラウンジ風(2号車)や和風個室(3号車)など、かなり豪華な造りになっている。どうせ乗るなら、長野から軽井沢まで全区間で乗って、ゆっくりと食事を楽しみながら景色を眺めるのがいいだろう。

私が乗車した1号車。

2号車。お洒落なバーのような雰囲気だ。

3号車は個室。反対側の景色は見づらいが、特別感はダントツである。

  小諸から終点の軽井沢までは、約30分。電車はゆっくりと田園地帯を走る。途中、本来なら浅間山が綺麗に見られる場所を通ったが、今日は生憎の天気で雲がかかっていた。そして、30分はやはりあっという間だ。せっかくこんなに素晴らしい列車に乗るんだから、次は全区間を楽しみたい。

本来は、ここから浅間山がよく見えるらしい。

  軽井沢で新幹線に乗り換え。16時11分発のはくたか582号に乗り、東京へ戻る。

  東京駅で仕事終わりの妻と待ち合わせて蒲田へ戻り、「吉岡家」で夕食。妻は石狩鍋定食、私は天ぷら定食に肉豆腐をつけてもらった。ここの天ぷらはカラッと揚げてあるし、野菜の種類も多いので好きだ。

  19時過ぎに帰宅。1日に2本のリゾート列車に乗れるという、夢のような1日だった。最近はこの手の列車がどんどん新しく出てきているから、この調子でどんどん開拓していきたい。


10月8日(日)

2017年10月28日 23時42分42秒 | 2017年

  6時30分起床。7時半頃に家を出る。今日は、妻と一緒に茨城へ日帰り旅行に行く。メインの目的地は、楽法寺(雨引観音)。ここで、妻の安産祈願をする。予定日は2月。性別も、9割方女の子だろうとわかっている。前々から安定期に入ったら安産祈願に行こうという話をしていて、どうせ行くなら2人で行ったことのあるお寺にしようということになり、楽法寺に伺うことに決めた。

  上野駅08時30分発の常磐線特急ときわ53号に乗り、石岡へ。所要時間は約1時間。

  石岡駅前でレンタカーを借り、まずは石岡市にある「大場観光ぶどう園」へ。以前、私の誕生日に妻が連れてきてくれた葡萄農園で、雰囲気の良さと葡萄の美味しさが強く印象に残っており、いつかまた来たいと思っていた所だ。のどかな田園風景に囲まれていて、空気が気持ち良い。

  ぶどうの味が素晴らしいのはもちろんのこととして、この農園の一番の魅力は、人である。ご主人も女将さん方もとっても優しいし、明るい。特に女性陣は、おしゃべり好きだし本当によく笑う。「とりあえず食べてみたらいいよ」と種類も量もたくさんの試食を出してくれたり、「昔、わんちゃんがいましたよね?」と聞くと「あ、犬好きなの?じゃあこっちこっち」と案内して色々と教えてくれたり、とにかく面倒見が良い。何か、田舎のおじいちゃん、おばあちゃんに会いに来た感じだ。そして、めちゃくちゃ美味しいのに、ぶどうの値段も驚くほど安い。しかも、そこから更におまけしてくれちゃったりもする。「本当にいいの?大丈夫?」と思ってしまうほどだ。結局、想定していた予算よりも安い金額で、両手いっぱいにぶどうの袋を抱えて帰ることとなった。

  昼食は、地元・笠間や茨城の食材にこだわったメニュー展開をしている「kitchen 晴人」へ伺う。奮発をして、「ちょっと贅沢コース」を注文。有機野菜のサラダやスープに始まり、フルーツもずく、真鯛と蛤のカルパッチョ、野菜の揚げ出し、常陸牛ステーキ、お寿司と続く。全体的に素材の味や食感がよく伝わるような調理がされていて、例えば常陸牛にしても、ステーキで食べるのとお寿司で食べるのとでは全く違う味になっている。フルーツもずくも、これまでもずくがかなり苦手だった私だが、とても爽やかな風味で美味しく頂くことが出来た。今が旬の栗も、揚げ出しのあんの風味との相性が抜群だ。また、期間限定のモンブランプリンも美味しかった。栗と卵の甘さがこんなに合うとは。総じて、こういう素材の活かし方があるのかと、驚きを感じながら食事を楽しむことが出来た。

  楽法寺(雨引観音)へ。風情のあるお寺である。山門から石階段を上るだけで心地よい。本堂への参拝をしてから、安産祈願のお守りや腹帯を頂く。どうか無事に出産が終わり、母子ともに健康でありますように。ここは坂東三十三観音巡礼の札所(24番)だし、坂東巡礼を結願している私のお願いだから、きっと仏様も聞いて下さるだろう。その後は、景色を眺めたり、境内の孔雀を観察したりと、しばし休憩する。

  笠間駅へ戻り、以前妻が住んでいたアパートのあたりを少しお散歩。そこには、以前と全く変わらない景色が広がっていた。ただ、駐車場の向かいのお宅にいた犬のクロちゃんの小屋のある場所が変わっていて、きちんと挨拶が出来なかったことが少し心残りだ。

  笠間駅前のケーキ屋「グリュイエール」で、モンブランを食べる。今日はちょうど笠間で焼物のイベントが行われており、店内はかなり混雑しているし、モンブランは既に売り切れになっていたが、私たちの分は妻が予約しておいてくれた。笠間に来たら、ここのモンブランは外せない。

  笠間芸術の森公園へ足を延ばす。ちょうど「笠間浪漫 ~秋の笠間焼大陶器市~」という大きなイベントの最中なのだが、夕方の時間で少しずつ人が減っていくタイミングだったので、比較的ゆっくりと散策することが出来た。所々でコンサートが開かれていたりして、良い雰囲気だ。蒲田まで車で帰れるなら、いくつか焼物を買いたいところだ。しかし、今回は葡萄で手いっぱいなので諦めた。

  夕食は、「鍛冶屋」へ。妻が笠間に住んでいた頃、何度か一緒に来たお店である。ばらちらしや揚げ物(確か海老と帆立だった)、海老の塩焼きやめひかりの唐揚げなどを頂く。ばらちらしは私の大のお気に入りメニューである。また、めひかりの唐揚げを食べたのは初めてだったが、身がほくほくでとても柔らかく、ほのかな塩味でとても美味しかった。

  石岡駅19時14分発の常磐線特急ときわ86号に乗り、帰途につく。帰宅は21時前。帰って早速ぶどうの袋を開ける。うん、すごい量だ。一気に部屋中に香りが広がる。こうして眺めているだけで、よだれが出てくる。

 


10月1日(日)

2017年10月22日 11時35分29秒 | 2017年

  8時起床。今日は、私の大好きなスノードラゴンが出走するスプリンターズステークス(芝1200m戦)を観に、中山競馬場へ行く。10時前に家を出て電車を乗り継ぎ、今回は武蔵野線の船橋法典駅から歩く。競馬場への専用通路は、スプリンターズステークス一色になっている。

  スプリンターズステークス限定発売の出走馬グッズ(ボールペン)を買おうと思ったら、見事にスノードラゴンのところだけが売り切れになっていた。私のようなファンが多いのか、はたまた製造量が少ないのか。この後色々な場所のグッズ売り場を見て回ったのだが、どこも売り切れだった。場所によっては、昨日のうちに売り切れた売場もあったらしい。

  馬場に出ると、ちょうど午前中のレースが終わったところだった。芝コースでは、音楽隊やチアダンサーによるミニコンサートが行われている。天気は、快晴。気持ちは良いが、重い馬場を得意とするスノードラゴンを応援する人にとっては苦々しい青空である。

  今日はスノードラゴン以外の馬券を買うつもりはないので、まずはゆっくりと昼食をとることにする。前々から気になっていたものの、いつも混雑していて諦めていたお寿司屋「和可奈」へ伺う。ここのお寿司は注文を受けてから職人さんが握るので、時間が掛かる。しかし、味は期待以上だった。ネタはしっかりしているし、巻物にも一工夫が加えられたりして、美味しい。普段から行列が出来ているのも頷ける。これだけ美味しいなら、1レースくらい飛ばしても、並んで食べたいと思うだろう。

  9レースが終わったくらいからパドックに陣取って、スノードラゴンの登場を待つ。パドックにはどんどん人が集まってきて、10レースの終了前後には満杯になった。さすが、秋のG1戦線の初戦である。ここから、G1シリーズが年末まで続くのだ。

  先頭を切ってパドックに出てきたスノードラゴンは、以前にも増して白さが目立っていた。目もクリクリで、ついつい惹き込まれてしまう。周りの人たちも、「やっぱりスノードラゴンはかわいいなー」と色めきだっている。馬券の人気はビリ(16頭中16番人気)だし、もう9歳(人間でいえば40歳)というおじさんだが、可愛さは断トツの1番だろう。また、これだけ多くの人に囲まれているにも関わらず、彼はいつものようにゆっくりと、しかしながら元気よく歩いている。とても9歳とは思えない、若々しい馬体だ。大野騎手が上に跨ってからは凛々しさも増した。私はその姿から目を離すことが出来ず、パドックの周回時間がいつもよりとても短く感じられた。

  馬券は既に、昨日買ってある。3年前のこのレースで勝ったあの時の縁起を担いで、買い方は全く同じにした。

  ゴール前の見やすい場所に体を滑り込ませ、レースの発走を待つ。会場の熱気は素晴らしく、ファンファーレが鳴り始めると大きな拍手に包まれた。この興奮は何ものにも代えがたい。

  まずまずのスタートを決め、中段のやや後ろに陣取ったスノードラゴン。しかし、3コーナーからペースが上がるタイミングで少しずつ周囲から遅れ始める。これだけの良馬場だし、さすがに厳しいか…。と思ったのもつかの間、最後の直線に入って残り200mを切ったあたりで、再内から真っ白の馬体がグングン伸びてくる。「そうだドラゴン!大野持って来い!」。各々の馬を応援する周りの歓声に負けじと叫ぶ私。「来た!本当に来た!」。彼は最後までグングンと伸び、ゴール版を4番手で駆け抜けた。なんだこれ、すごい馬だ。確かに、ギリギリ馬券圏内には入っていない。当然、私の馬券は外れだ。しかし、そんなことはどうもいい。こんな走りを見せてくれるなんて、本当に素晴らしい馬だ。馬券を買っておきながら、正直なところ、こんなに最後まで興奮するレースが見られるとは思っていなかった。気付いたら、自分でも驚くくらい涙を流していた。年齢的にもきついし、馬場が向いていないし、とにかく怪我なく無事に走り切ってくれればそれでいいなんて、君を甘く見ていたよ。ごめんなさい。そして、感動をありがとう。

  私は、今回のレースが彼の引退レースになるのではないかと思っていた。だから、どうしても現地で応援したかった。しかし後日、彼の次走予定が発表された。今のところ、JBCスプリント(11月3日の大井競馬場、ダート1200m戦)に向けて準備を進めているらしい。まだ走らせるんかい!という気持ちの一方で、今日のレースを観てしまったら、そりゃあまだまだいけると考えるよな、とも思う。せっかくここまで頑張ったんだから、もう1度1番最初にゴールする姿を見たい気持ちもある。しかし、40歳を超えたおじさんが、肉体的に全盛期の若者たちに混ざって駆けっこをするのだ。とにかく無事に。それが一番の願いである。そして、出来ればいずれは種牡馬として、その血を次の世代につなげてほしい。それが叶わなくても、穏やかな余生をのんびりと過ごさせてあげたい。そのためにも、まずはしっかりと疲れを取って、良い状態で次走に臨んでほしい。私も、食費をちょっと節約して、来月までに6,000円を用意しなければ。


9月30日(土)

2017年10月16日 20時47分50秒 | 2017年

  9時起床。10時前に家を出て、川崎競馬場へ場外馬券を買いに行く。今日は、私が今年度のPOGで1位指名しているヘンリーバローズ君の未勝利戦が阪神競馬場で行われる。 7月16日に中京競馬場で行われた新馬戦でワグネリアンにハナ差で敗れて以来のレースである。あのレースは本当にすごかったし、その後ワグネリアンがオープンクラスの野路菊ステークスで圧勝したことからも、この子には大きな期待が持てると思っている。

  競馬場に着くと、ちょうどヘンリバローズのパドックの様子が映し出されていた。うん、相変わらずの素晴らしい馬体だ。

  馬券を購入。ヘンリーバローズは断トツの1番人気で、単勝は1.1倍。だから、今日の馬券は稼ぐためのものではなく、記念馬券としての保管用である。ちなみに、この1.1倍は払戻し10%アップキャンペーンによるものなので、実際の倍率は1.0倍。俗に言う、「元返し」というやつである。人気がありすぎて、単勝馬券がギャンブルとして成立していないのだ。もちろん、複勝は1.0倍。これも元返しである。

  せっかくなので、競馬場祭りが行われている内馬場へ移動し、大型ビジョンでレースを観ることにする。内馬場にはたくさんの人が集まっていて、子どもたちが元気に走り回っていた。父は競馬、母と子どもはお祭りで楽しむという構図である。

特別にダートコースを横切って内馬場へ入れるので、実際の砂の感触を確かめることが出来る。思っていたより重いし、深い。

  発走は10時55分。このレースは、良い意味で全くドキドキしなかった。良いスタートから先頭に立ったヘンリーバローズは、最後まで後続を寄せ付けることなく、超のつくほどの余裕で1着入線した。鞍上のミルコ(デムーロ騎手)も、ノーステッキ(鞭を使わない)のはもちろん、全くと言っていいほど手を動かして(追って)いなかった。走破タイムは1分47.5秒。上がりの3ハロン(600m)は33.8秒。ずっと馬なり、一度も本気で走らせていないのに、時計もかなり優秀だ。これは、やっぱりすごい馬である。

  今川焼を買って食べながら、バスに乗って川崎駅へ戻る。

  蒲田へ戻り、駅前の喫茶店「和蘭豆」で休憩。カリフォルニアティーという、アイスティーにオレンジジュースを混ぜたものが美味しくて、最近はよく飲んでいる。

  妻と待ち合わせ、天ぷら屋「天味」で昼食。ここの天ぷらは美味しい。海老、キス、イカ、茄子、南瓜と続き、最後のかき揚げを丼にしてもらう。このお店は2回に1回は満席で入れないくらい繁盛しているのだが、今日はとても空いていてラッキーだった。

  「カフェ・ドコバ」で食後休憩。私にとってはカフェ、天ぷら、カフェという豪華な流れとなった。今回初めて注文したレモンスカッシュが本物のレモンで作られたもので、とても酸っぱいのだが爽快感があって美味しかった。

  帰宅して私がお昼寝(夕寝)したりテレビを見ているをしている間に、妻が夕食の鍋を準備してくれていた。はんぺんが隠し味になっているつみれが美味しい。そろそろ、鍋がありがたい季節が近づいてきている。いや、まだ少し早いか。


9月29日(金)

2017年10月15日 14時54分19秒 | 2017年

  7時起床。午前中は溝の口へ出張で、終了後、午後から時間休暇を取る。

  溝の口から東急田園都市線に乗って渋谷へ出て、JRの湘南新宿線に乗り換えて浦和へ。

 

  浦和駅前の伊勢丹で、オーダーメイドのYシャツを作る。誕生日プレゼントで、母からもらった仕立券を使う。生地を選ぶのに四苦八苦し、その後の採寸で自分がいかに太ったのかを痛感させられたが、満足のいくものが作れそうだ。

  浦和は鰻が有名な街で、駅周辺にも数件の鰻屋さんがある。その中から、「満寿屋」へ伺う。私は基本的に馬鹿舌なので大抵のものは何でも美味しいと感じる(特にお肉系はその傾向が強い)のだが、鰻に関しては好き嫌いがはっきりしている。美味しい鰻は本当に美味しいが、そうでないものは食べられない。だから、初めて本当に美味しい鰻に出会うまでは、自分は鰻が嫌いなんだと思っていた。今でも、周囲には鰻嫌いということにしている。下手な鰻を食べされられたくないのだ。その点、ここの鰻はとても美味しかった。ふわふわで香ばしい鰻そのものはもちろん、タレの風味も良い。おかげで、ご飯がどんどん進んだ。

  京浜東北線に乗り、西川口の実家へ戻る。京浜東北線にホームドアが設置されていた。そういえば、蒲田でも工事の準備が始まっていたな。

  昨年末に愛犬のサンを亡くしてからずっと落ち込んでいた両親が、先日意を決して新しい犬を飼った。父が仕事帰りに何回もペットショップに足を運んで眺めていたキャバプー(キャバリアとトイプードルの掛け合わせ)の女の子である。当初は「いや、見てるだけでいい」と言っていた父だったのだが、いついつまでに売れないと他のお店へ移動させられてしまうという話を聞いて、期限ギリギリに決心した。購入当日は私も同席し、父と母と私の3人で家へ連れて帰った。名前は、「ふゆ」(ふうちゃん)。灰谷健次郎の「太陽の子」の主人公から取ったものだ。太陽(サン)の子、という意味である。父曰く、サンとよく似て大人しいんだ、とのことだったが、我が家へやってきたふうちゃんは、とんでもないお転婆娘だった。誰彼かまわず突進してきては、上に乗って顔中を舐め回したり、服を引っ張ったり、やりたい放題である。同じ犬種でも、こんなに性格が違うものなのかと、両親も私も驚かされた。それ以来、私も何度かふうちゃんに会いに実家へ帰っている。ふうちゃんが可愛いのはもちろんだが、年末以来暗かった両親の顔が明るくなっているのを見るのが嬉しいのだ。ふうちゃん、うちに来てくれて、本当にありがとう。

  というわけで、今日はふうちゃんに会いに実家に立ち寄った。相変わらず驚くほど元気いっぱいで、ゲージから出してあげると私の周りを飛び回り、あっという間に私の顔はベタベタになった。しかも、彼女はまだ甘噛みというものを知らないので、顔中が結構痛い。私がサン(の仏壇)に挨拶している間も、ずっと私のズボンを噛みながら引っ張っている。いやいや、君の先輩に挨拶しているんだから、その時くらいちょっとは静かに…なんて通じるわけもないか。写真を撮るのも一苦労で、下に載せる写真が撮れたのは奇跡に近い。

  妻も仕事帰りにこっちへ寄るというので、西川口駅まで迎えに行く。せっかくなのでちょっと寄り道をして、かつてかなりお世話になった駅近くのラブホテル街を通ってみた。多少の入れ替わりはあるが、まだまだ健在のようだ。あるホテルではポイントカードを作っていて、ディズニーペアチケットがもらえるくらいたくさんポイントを貯めたなー、なんていう思い出を懐かしみながら、妻を迎える。

  妻を自転車の後ろに乗せ、実家へ戻る。妻と自転車2人乗りをしたのは初めてだ。というか、2人乗り自体、大学生の時以来じゃないだろうか。

  実家でふうちゃんと戯れながらしばしゆっくり。

  実家を出て、隣の蕨駅まで歩き、駅前にある「福しん」で夕食。ここのチャーハンを一度妻に食べてもらいたかったのだ。未だに、ここのチャーハンを超えるチャーハンに出会ったことがない。餃子も美味しいし、餃子を食べた後のニンニク入り醤油をチャーハンにかけて食べるのも良い。ただ、この食べ方をしてしまうと、しばらくの間は全身からニンニク臭がする。そうだ、今日はこのあと電車に乗って蒲田へ帰らなければならないんだった。

  21時前に帰宅。「今日ちょっと実家に寄ってから帰るわ」という私に、「じゃあ私も会社帰りに寄るわ」という妻の、義理の実家に気軽に顔を出せる社交性が本当に羨ましい。逆ならそうはいかない。妻のご両親は本当に優しくて魅力的な方々だが、それでも私はそれなりに緊張する。その他の人間関係にしても、妻は自然に誰とでも仲良くなっている。私が社交的なのは仕事モードの時だけで、普段は知らない人と交流するなんてまっぴらごめんというタイプなので、彼女と結婚して助かっていることが本当に多い。