映画100選。第1回。
2005年作品。アカデミー賞作品賞、脚本賞、編集賞受賞作。
監督・ポール・ハギス
出演・サンドラ・ブロック、ドン・チードル、マット・ディロン、ブレンダン・フレイザー、テレンス・ハワード、サンディ・ニュートン、ライアン・フィリップ、ジェニファー・エスポジト、リュダクリス
監督のポール・ハギスは映画初監督で、テレビドラマの脚本・製作などで鍛えただけあって、デビュー作とは思えない完成度。
主役が何人も存在する多面的視点はよく使われる手法で、個人的に好きだが、主としたテーマの人種問題を扱う上で必要不可欠。
ストーリー上の、銃を突きつけられて車を強奪され、恐怖のあまり、家の鍵を全部変えた話は、監督の実体験らしい。
ロサンゼルスを舞台に、アメリカの実社会、人種問題をメインに、銃問題、治安問題などをリアルに表現。
未だに存在する人種差別。特に黒人差別は一般のメディアを見るだけでは知ることは出来ないし、アメリカが国として隠したい問題である。
表面上の平等な社会を作っても、黒人はハンディキャップを背負って生まれるため、スタートラインすら全く違う白人とは勝負すら出来ない。
黒人が大金を手に入れるためには、バスケット選手になるか、ラップスターになるかしかないとまで言われている。
劇中の車泥棒役には、本物のラップスターのリュダクリスが好演している。
貧困家庭に生まれ、保険にも入れず、ハイスクールにも行けない、就職すら出来ない若者は、ギャングの一員になったり、コソ泥になったりと、ダークなスパイラルに陥って、結果的に黒人の犯罪率が上がる。
劇中では黒人が歩いてるだけで、ビクビクしている態度に腹を立て、車を盗むシーンが印象的に描かれている。
素晴らしい作品だとは思うが、気になった点は、悲劇を敢えて避けようとしている場面が多く、爆破寸前の車に一人だけ残されてるのではと思わせるシーンと、子供が撃たれるシーン。
どちらも重要なシーンだが、現実的不条理性から、ホッとしたようで、物足りない安堵感を憶える。
あとどうでもいいけど、サンドラ・ブロックは登場シーンが少なすぎるのに、何故一番上にクレジットされてんの?ギャラ順?せめてドン・チードルの下と思うが。
黒人だけではなく、中国・アジア系、メキシコ・カリブ系、ヒスパニック系、ネイティブアメリカンと、人種モザイク国家のアメリカ合衆国は、そもそも国家として成立しているのか?疑問さえ感じる。
実験国家アメリカの現実を露わにし、それに困惑し、それでも立ち向かい、衝突しながらも生きる人々を見事に表した作品です。
オススメ度(映画評価)・☆☆☆
2005年作品。アカデミー賞作品賞、脚本賞、編集賞受賞作。
監督・ポール・ハギス
出演・サンドラ・ブロック、ドン・チードル、マット・ディロン、ブレンダン・フレイザー、テレンス・ハワード、サンディ・ニュートン、ライアン・フィリップ、ジェニファー・エスポジト、リュダクリス
監督のポール・ハギスは映画初監督で、テレビドラマの脚本・製作などで鍛えただけあって、デビュー作とは思えない完成度。
主役が何人も存在する多面的視点はよく使われる手法で、個人的に好きだが、主としたテーマの人種問題を扱う上で必要不可欠。
ストーリー上の、銃を突きつけられて車を強奪され、恐怖のあまり、家の鍵を全部変えた話は、監督の実体験らしい。
ロサンゼルスを舞台に、アメリカの実社会、人種問題をメインに、銃問題、治安問題などをリアルに表現。
未だに存在する人種差別。特に黒人差別は一般のメディアを見るだけでは知ることは出来ないし、アメリカが国として隠したい問題である。
表面上の平等な社会を作っても、黒人はハンディキャップを背負って生まれるため、スタートラインすら全く違う白人とは勝負すら出来ない。
黒人が大金を手に入れるためには、バスケット選手になるか、ラップスターになるかしかないとまで言われている。
劇中の車泥棒役には、本物のラップスターのリュダクリスが好演している。
貧困家庭に生まれ、保険にも入れず、ハイスクールにも行けない、就職すら出来ない若者は、ギャングの一員になったり、コソ泥になったりと、ダークなスパイラルに陥って、結果的に黒人の犯罪率が上がる。
劇中では黒人が歩いてるだけで、ビクビクしている態度に腹を立て、車を盗むシーンが印象的に描かれている。
素晴らしい作品だとは思うが、気になった点は、悲劇を敢えて避けようとしている場面が多く、爆破寸前の車に一人だけ残されてるのではと思わせるシーンと、子供が撃たれるシーン。
どちらも重要なシーンだが、現実的不条理性から、ホッとしたようで、物足りない安堵感を憶える。
あとどうでもいいけど、サンドラ・ブロックは登場シーンが少なすぎるのに、何故一番上にクレジットされてんの?ギャラ順?せめてドン・チードルの下と思うが。
黒人だけではなく、中国・アジア系、メキシコ・カリブ系、ヒスパニック系、ネイティブアメリカンと、人種モザイク国家のアメリカ合衆国は、そもそも国家として成立しているのか?疑問さえ感じる。
実験国家アメリカの現実を露わにし、それに困惑し、それでも立ち向かい、衝突しながらも生きる人々を見事に表した作品です。
オススメ度(映画評価)・☆☆☆