卍の城物語

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ABBEY ROAD/THE BEATLES

2006-12-11 22:35:32 | ロック
ロック100選。第2回。

69年発表。
実質的ラストアルバム。

ホワイトアルバムというバンド名義のソロ作品集を出した時点で、解散は決定的だった。
しかし、もう一度昔の様にやろう!とゲットバックセッションを行ったが、失敗に終わる。
4人の方向性は全く違っていたのだから。

偉大なバンドが終止符を打つ事は、世間的にもバンドとしても望んでいなかったが、それは避けられない運命だった。
解散原因を不仲説やオノ・ヨ-コの陰謀説に理由付けしても仕方ない。
月並みの理由の方向性の違いに他ならない。
ポールが解散を一番避けようとしてたのに、自らバンド脱退を発表したのは、愛するバンドだからこそ自ら悪者になったという説があるが、個人的には嘘くさい説だと思う。
バンドでのレコーディングに嫌気をさしていたジョージも一度脱退すると言ったし(ギターが抜けた為ジョンは激怒しながらも、変わりにエリック・クラプトンを入れればいいと漏らした。結局はすぐレコーディングに戻り、脱退はなくなった)、誰かが一番始めに抜けたかったし、悪者にはなりたくなかったと思う。
キリストより有名なビートルズも所詮いち人間たちだという事です。

危うい人間関係の中にありながら、正反対に曲は素晴らしい。
サイケミュージックを卒業し、ヘビーなロックンロールナンバー2つを歌うジョン。
遂にジョンとポールを出し抜き、後世に残るメロディアスなギターサウンドの名曲を2つも作ってしまったジョージ。
バンドメンバーとしての評価は低いが、アルバム全曲を彩り、3人の天才たちの曲を臨機応変に、そして独自性もだしたドラムを叩いたリンゴ。
そしてアルバム全体の構成を作り、ポップでロックな曲たちをメドレーで一気に畳み掛ける奇跡のB面を作りあげたポール。

ビートルズ名義の曲は、短めの曲や未完成の曲しか無く、アルバム1枚をを完成するだけの曲数は無かったのだが、メドレー方式という発想の転換で見事に解決したどころか、むしろ逆に功を奏し、メロディーメーカービートルズの底力を感じさせ、以降次々と現れるロックバンドに全く引けを取らない神秘的なアルバムになった。

M9のメロディをM14,15にもう一度使う手法も、曲不足を逆手にとり、B面メドレーをさらにドラマティックに盛り上げる。M16のドラムソロからのギターバトルは感動のフィナーレ、ビートルズのフィナーレとして涙を誘う。オマケのようなM17の演出もニクイ(レコード盤はシークレットラックとしてクレジットされてない)。

ポール死亡説さえ噂された世界一有名なアルバムジャケットも最高で、ビートルズという世界最高のバンドが作った最高傑作。天才たちの最後のプレゼントに酔いしれたい。

因みにカラオケのサイバーダムにB面メドレーがあるので、周りの白い目を気にせず、長々とマイクを独り占めしましょう。

オススメ度(ロック評価)・☆☆☆☆☆