卍の城物語

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20世紀フランス絵画の精髄~伝統とエスプリ~@鷹山宇一美術館

2010-05-19 01:23:19 | 美術鑑賞
祝!東北新幹線青森駅12月開業!
そして、七戸十和田駅も開業!ってわけで、七戸町の道の駅の敷地内にある「鷹山宇一美術館」の特別展に行ってきました。

弘前からみちのく有料道路を使って、ざっと2時間で到着。
もちろん初めて入る。

七戸町出身の鷹山宇一の作品を常設展示している小さな美術館だが、今回、山形美術館のコレクションを中心とした特別展が開催されている。

まず特別展のフランス絵画から。
有名どころでは、ピカソ、シャガール、ルノワール、ローランサン、ルオー、ユトリロなどの絵画があった。

シャガールは、2点あったが、中でも「花嫁の回想」が、これぞシャガールって感じのカラフルで幻想的な描写が素晴らしかった。

ローランサンは今まで興味なかったけど、この「犬を抱く少女」を見て、絵から伝わる悲壮感が滲み出てたのが、さすが有名なだけあるなと思った。

ルノワールは大好きだけど、「コロナ・ロマノ」という女性の肖像画で、しかも小さいサイズだったので、あんまり感動出来ず。
風景画がみたかったところだが。

ピカソも二点、しかも大きなサイズのものだったが、いわゆるキュビズムで、はっきりいって嫌いなので興味なかった。

他にあまり知られてないが、個人的に気に入ったものを。
・「雪と道の家」/ヴラマンク
・「騎士たちの休息」/アンドレ・ブラジリエ
・「ナイル川の婦人」/ミシェル・ロッド
・「追跡」/ウラジミール・ヴェリコヴィック
・「マリオネット祭り」/ジャン・ジャンセム
などが結構良かった。

ほとんどが、印象派以降の、フォービズムやキュビズムなどの近代から現代のフランスを中心に活躍した画家の作品で、山形美術館のコレクションが多かったようだ。

ちなみに、私は山形美術館に2回訪れて、2回とも臨時休館(そのうち1回は勘違い)で入館出来なかったという、苦い思い出があるので、その山形美術館のコレクションが数点観れたことは、ある意味リベンジになった。

小規模であったが、60作品と、なかなか満足出来るレベルではあったと思う。

他に、こちらの美術館を冠する鷹山宇一作品が数点展示されていた。
もっとたくさんあるだろうが、従来の常設展示スペースが、特別展になってるので、縮小されていたようだ。

七戸が生んだ鷹山宇一。
はっきりいって今まで名前も知らなかったが、展示作品を観ると、これがまた素晴らしいのである。
基本的には、ダークな色を背景に、蝶や花を中心に配置した花鳥画ならぬ、花蝶画である。
とはいっても、白鳥の絵もあったし、暗黒の中にある美をテーマに描いた作品が多かった。
10点ほどしかなく、もっと観てみたかったが・・・。

その隣に「絵馬展」なる、絵馬の常設展示。
七戸周辺の民間信仰の資料などあり。
このスペース削って、鷹山宇一作品を飾って欲しかったが。

その隣には「ランプコレクション」の常設展示。
鷹山宇一は大のランプ好きで、日本有数のコレクターであり、ヨーロッパ製のランプが数多く展示していた。
とはいえ、ランプには興味なし。

以上、小さな美術館ながら、なかなか楽しめました。

庭には実物大の馬の銅像が数多く展示されていて、気軽に触れるのもあり、遠目から見ると本物みたいで面白い。

その先には、建設中の新幹線の駅が見えます。
駅からこの道の駅や美術館まで徒歩5分くらいでしょうか。
今後、七戸に多くの観光客が訪れる事を望みます。

そんなわけで、満足して後にしました。
今後またこの美術館に来る事があるかはわかんないけど、魅力ある企画展を行って欲しいものです。

会期・6月6日迄
開館時間・10:00~18:00(入館は17:30迄)
休館日・会期中は無休

住所・七戸町字荒熊内67-94
電話・0176-62-5858