
人生の秋、ならぬ麦秋の頃が近付いてきました。
昨日、父の法要を済ませました。




こちらは田舎なので、祈祷の後、会席などするのが一般的です。
引き出物なども茶菓子、おけそく(白い小餅)、乾物、菓子箱なども付き物です。
丁寧だと粗品なども加わってきます。
これに当日の列席者から供せられた品を分配して、各自袋か風呂敷に分け、お持ち帰りいただきます。

この日まで、会所選びから品物選びと進む内に、思い出て来るのが昔いただいた引き出物の品でした。


昔は大変豪華でした。昆布や海苔、干し椎茸、鰹節の乾物。大ぶりの生餡のお菓子2~4個、大きな饅頭2個セット、菓子箱1個(和菓子の箱詰め)、洒落た人はバームクーヘン1~2個の箱入りにする人もいました。加えて粗品に当たるタオルや風呂敷、毛布、その他記念品。

このように豪華でしたから、法要は何かしら待ち遠しいものがありました。

子供の事なので、甘いお菓子が待ち遠しかったのです。
祝事はともかく、法事を待ち遠しがると、子供といえど不謹慎と叱られがちなものですが、目くじら立てて怒られた事は無く、こらこら、誰が聞いているかわからないから言わないように、とだけ言われたり、ダメだよ人の不幸事だから待つような態度はいけないと厳かに言われたりしました。



お葬式はもちろん大層叱咤されたでしょうが、法事という事で大目に見られたようです。
子供といってもその辺は心得ていましたから、葬式の引き出物と分かると
控えめに口に運んだものです。



思うに、昔の事、やはり皆このお菓子類の大量の甘味、しかも上物といえる甘味が相当な魅力(好みとは書けませんね、やはり
)

だったようです。

私も、おけそくやお菓子類、特に餡の生菓子が明確に記憶に残っています。
思い出しついでに、店頭で目に付いた記憶にあるお菓子を茶菓子に選んでみました。

中身が羊羹だった事もあります。黄緑色の鶯羊羹というような感じでした。
検索してみると、昔から全国的にあるお菓子でした。地方特有のものではないようです。
昔を懐かしんで、このような法要の席では子供時代を思い出してしまいます。

昔のように大ぶりのものではないのですが、ほんの少しの記憶の後引きに、親戚の皆さんの子孫と家系の繁栄を願いつつ、会席はお開きとなったのでした。