Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

洋梨の思い出(追記)

2018-12-08 11:25:27 | 日記

 また、旅行先での欲しい土産物等は、今度来た時にね(買って上げる)が、母の口癖でした。私はそんな親の言葉もごく幼い頃は信じていました。次に来た時に買って貰えると涙を呑んで我慢したのです。最初の時はかなりきつかった覚えがあります。同じ観光地を再訪した折に、当然私は欲しかった商品が今度こそは手に入れられる、買って貰えると思うと嬉しくて、勇んで母に買ってと言ったものです。そんな事が数回ありましたが、いずれも母の応対は決まり文句を返すだけに徹していました(何でしょうか、この点節約、躾としての教育だったんでしょうか)。

 私の方はすっかり当てにして、この場この時を待ちに待っていただけに、当然今度と言っていたじゃないかと猛烈に抗議したものです。しかし、全く買って貰えなかったのでした。この様に約束に反して欲しい商品を買って貰えなかったという事が続き、以降、私はあれが欲しいこれが欲しいという言葉は決して口にしない事にしようと決意しました。約束を破られたのだ、次には買って貰えると涙を呑んで諦めたのにと、前回の無念な気持ちが甦えり、多分怒りが倍増したのだと思います。その後は言っても無駄な事は言うまいと自身に硬く誓ったのでした。

 以降、何も欲しい商品を希望する事が無くなった私に、今度は母の方から何か欲しい物は無いの?と聞かれるようになりましたが、頑なになって仕舞った気持ちは解れませんでした。私は常に何も(要らない)と答える事に徹していました。結構意固地な子供時代が続いたと言えるでしょう。拒否されたら1回で懲りた方が身の為だと、無理強いしないあっさりしたタイプになりました。私のそれ以降の独身時代の人生は、『家は貧しいのだから何でも買えないのだ、贅沢は出来ない。』という信念のような物を持っていました。幼い頃から節約や、贅沢、過分な物は買えないという質素な生活が必要以上に身についてしまったと言えるでしょう。お陰で両親が老齢になり気の弛んだ生活に入ると勝手が違って見え、一体どうしたのだろうと思い、今まで私は騙されていたのだ、家にはお金が有ったのだと考えるようになりました。


洋梨の思い出(追記)

2018-12-08 10:27:50 | 日記

 直前のエッセイ、洋梨の思い出の追記です。

 私は父の後年に、父が家を建て直した事に驚きました。それ迄、孫(私からすると子供達)の為に隙間風が入る、家の設備も古いこの旧家を建て直して欲しいと頼んだところ、あっさりお金が無いと言われていたからでした。それを急に改築すると言い出しのですから、父から改築すると聞いた時には私は思いも掛け無い事にびっくりしました。

 実際に改築された家を見て、そこで暮らし始めた頃には一種不思議な気がしたものです。両親の暮らし向きも何だかそれ迄と違ってゆとりが有りました。そんな点も私には信じられ無い気分で不思議でした。

 ある日、昼食時にカップ麺でいいかと父に聞くと、「カップ麺なんか!」とふんというような口調で馬鹿にしたように父が言うので、その事にも私の方は面食らってしまいました。家は昔から、休日にはよく昼食がカップ麺だったのです。それも父が率先して昼はカップでいいと言っていたものです。それ以前、私達姉妹の学校時代の休日と言うと、2食でよいからと、朝昼兼用、ブランチという物ですね、それでした。しかも前日の残りご飯で作った雑炊が定番です。私のお弁当のおかずはというと、ご飯以外はほぼ1種類のおかずでした。ひじきの煮物とか、干し大根の煮つけとかです。とんかつとキャベツなんかは相当に嬉しいお気に入りのおかずでした。本当に貧しさに徹していましたね。

 そんな感じで育った私です。私はこの新しい家を見る度に、住んでいるのですから自覚する度にと言い換えた方が良いでしょうね、この建築の何分の幾つかは私の食費や学費をケチって建てられた物なんだなぁ、と溜め息が出ました。どちらかというと親の節約に偉いと感動したのでは無く、子供への粗略な扱いと待遇に腹が立ってムカついたのだと言えるでしょう。 

 私は幼い頃から両親の、特に母からの「お金が無い」という言葉を口癖のように聞いて育ったものでした。あれが欲しい、お金がないから、これが欲しい、お金がないから、何々が習いたい、お金がないから、と、全て買えない出来ないと駄目だしされて来たのです。


今日の思い出を振り返ってみる

2018-12-08 10:23:39 | 日記
 
美湾

  登山後は、汗を流す為のシャワーを浴びる建物にやって来ました。日本の銭湯のように入り口で男女に分かれます。男湯入口、女湯入口のような感じで、男性シャワー場、女性シャワー場の入り口......
 

 登山が終わってホッと一息です。