Jun日記(さと さとみの世界)

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三文小説(9)

2017-08-02 17:41:05 | 日記

 「どうしたの。」

野原さんが彼女に尋ねると、彼女は顔を曇らせたままで、

「野原さんが、松山君の名前を知っていたという事が、意外だったからよ。」

とだけ答えるのでした。そして彼女はちらりと野原さんの顔を横目で見て、内心穏やかではない様子で顔を背けると、『そうばかりでもないと思うわ。』と密かに思うのでした。

 野原さんは、そんな何時もと少し違う平野さんの様子に気が付きましたが、なぜ彼女が沈んだ様子でいるのかには気が回りませんでした。それより、野原さんにとって不思議な行動をした、松山君の方により注意が向いていました。

「松山君って変な人ね、喧嘩の仲裁に入って、自分の方が喧嘩を買って出るなんて。」


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