「この子私の友達だから、これからも私の家に遊びに来ると思う。」
「ホーちゃんも、この子が家にいて遊んでいたら仲良くしてね。」
こう言ったあと、彼女は蜻蛉君に同じ様に蛍さんの事を紹介しました。自分達の従妹であり、隣に住んでいる、彼と同い年になるだろう、私の親戚だから仲良くしてね、と。
そう紹介された2人は、その後、お互いに自分の名前を言い合ったり、曙さんに教えられて好きな物等も言うなどして自己紹介の真似事の様な事をすると、従兄妹の家で皆で遊ぶ内に自然親しくなって行ったのでした。
それ以降、何時しか蛍さんの家にも蜻蛉君は遊びに来るようになり、彼は遊び仲間の顔ぶれの中に当たり前のように入り込んでいたのでした。彼は、今では茜さんに限らず、曙さんや蛍さん等の親戚の皆の欠かせない遊び相手になっていたのでした。
そうすると、蛍さんは気付きました。
『あの子と遊ぶようになったのは茜ちゃんのせいだったんだ。』
自分から友達になったわけじゃない。あんな嫌な子、こうやって遊ぶようになったのは茜ちゃんのせいなんだ。そう合点すると、彼女は一瞬ギ―ッと茜さんの顔を睨むのでした。
この時、殺気というわけでも無いのですが、茜さんはこの蛍さんの恨みこもった視線をひしひしとその身に感じました。
『来た!』
と茜さんは思いました。
『ホーちゃん気付いたんだ。』茜さんは気持ちが冷え冷えとして来ました。こうなる前に早々にこの場から退散したかった彼女なのですが、時既に遅しというところでしょうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます