故郷について2日目の昼過ぎ、ミルは激しい頭痛と共に目覚めました。これは…⁉
「二日酔いだ!」
ミルは言葉を吐き出しました。
彼は頭を寝床に押し付けた儘、折角の休暇だからもう少し寝ていようかなと考えたのですが、堪え切れない程の頭痛は一旦臥せった彼の身をゆうるりと起こさせました。その後彼は如何にかこうにか立ち上がり、よろよろと台所へ進んで行くと、運よくこの星の二日酔いに効くという木の実のジュース、白濁したその液体がグラスに満々と満ちているのを見つけると、その場に座り込み這う這うの体で飲み干しました。
「おや、起きられるのかい?。」
すぐに祖父がミルの背後から声を掛けました。
「昨日あれだけ飲んだんだから、今日は1日寝ていたらどうだい。」
まだまだ休暇は有るんだろう。祖父はそう言ってニヤニヤ笑いながらミルの顔を覗き込むと、床に座り込んでいる彼の孫の事を気遣ってその肩を摩りました。まだまだお前には負けないなぁ。祖父はいかにも可笑しくて仕様が無いという風にははははは…と声に出して笑ってしまうのでした。
「酷いなぁ…。」
呻くようにそう答えながら、頭痛のせいで半ばぼんやりとした思考しかできないミルは、お祖父ちゃんは元気なの?と聞くのがやっとでした。
「平気だよ。」
孫の問いにそう答える祖父の頑とした屈強さに、彼はぼうっとした顔をしながら驚き呆れてしまいました。
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