人の評価は棺をおおってのち決まるとか言われます。全生涯が終り功罪が
明らかになって後でなければ評価できない、というわけです。
もし、あなたが亡くなってみて、その後にどんな話が取り交わされるか?
ここでノーベル賞の元になったアルッフレッド・ノーベルの話になります。
ノーベルは1896年12月10日に亡くなっていますが、その前に一度死んだと
報道されました。それは彼の兄の死をノーベルと間違えたのですが、その報
道の内容が、痛くノーベルを考え込ませました。
そこにはこう書かれていました。
「可能なかぎり短時間で大勢の人間を殺害する方法を発見し、巨富を
獲得した人物が昨日死亡した」と。
この記事がもとで、ノーベルは自分の死後の評価を憂慮し、ノーベル賞の創設
を遺言に記載したそうです。(この部分は下記のテキストによります)
通夜や葬儀には故人の親族はじめ、色々な関係の人々が集まり、故人
を偲びます。直接故人に関係することばかりでなく、その系図的なつなが
りがあって、意外なことから自分との関係の知られざる糸が見えて来たり
します。それは故人の再発見であると同時に、自分の再発見でもあります。
「死後の評価」のことは別にしても、こういう機会に耳を傾け話を交わす
ことは人に関する見方を深めるためにも得難い機会であることは間違い
ないでしょう。