まず「しんぶん赤旗」の当該記事は「中台トップの会談は、1949年に内戦で敗れた国民党が台湾に逃れ、中華人民共和国が成立して以来初めて」と書き出しています。中国の習近平国家主席と台湾の馬英九総統が11月7日会談したことを受けての報道です。
さて、右の『中台関係史』は1999年1月発行のものですが「台湾問題が、来世紀にかけての東アジアの主要な争点として浮上している。~95年夏から翌年春にかけての台湾海峡の緊張は、中台の対立が日米を巻き込んだ大規模な戦争に発展しかねない問題をはらんでいることを改めてみせつけた。」という書き出しではじまっています。
ところでなぜこの本が私の本棚にあるのか、ですがそれは本の書き出しにある「台湾海峡の緊張」に関係します。当時台湾の李登輝総裁の訪米を機に一気に緊迫化した台湾海峡、中国人民解放軍による台湾近海を標的にしたミサイル発射演習などが報じら、私の気持を暗くしていました。
台湾に近い沖縄県石垣島には娘の一家がいます、その頃日々の報道を通じて中国と台湾の歴史の基本を知っておかねばという思いを持ったものです。そんな思いがあってそれから数年後多分たまたま入ったブックオフでこの本を見つけたのでしょう、買っておきました。ただかなりの分量もありまた馴染みの薄い台湾のことなので積読のままできていました。今度手にして読み出したら予想外に面白いのです。
まだまだ目を通しているのは国民党と中国共産党の内戦状態が書かれている部分ですが、ここでは政治家毛沢東が「戦争は他の手段をもってする政治の継続である」を地でゆく様をみせてくれます。この本の帯には「中台関係のゆくえが日本の将来を左右する。中台関係の将来は日本の動向によって決まる」と書かれています。日本の一地域石垣島はもちろんまさに日本の将来もここにはあるのです。
今回の中台トップ会談の意義を理解するためにも有益な一冊かと思います。