花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」

2005-09-07 03:16:03 | 映画
映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」と「フィデルとチェ」をDVDで立て続けに観た。
http://www.herald.co.jp/official/m_cycle_diaries/

アルゼンチンの医学生エルネストは、親友アルベルトと中古のおんぼろバイクに乗り南米大陸を縦断する冒険の旅に出る。その大陸を縦走する熱き冒険心とアルベルトとの友情、旅で出会う人々との触れ合い…そこから見据えて行く南米の現実と向き合う心の成長、そんな諸々が観ている私の心を暖かく揺らした。「モーターサイクル・ダイアリーズ」は青春ロードムービーとして優れた作品だと思う。

一昨年モスクワに行った時、赤の広場へ続く地下道にTシャツを売る店があった。店頭で見かけたゲバラTシャツ。ゲバラは20世紀の革命アイコンなのかもしれない。資本の自由化されたロシアで革命家が商品化されていることになにやら皮肉なものを感じた(^^;
でも、私はエルネストの後の姿である革命家チェ・ゲバラを良く知らない…。故にTSUTAYAの棚で「モーターサイクル・ダイアリーズ」の隣に並んでいた「フィデルとチェ」を観ることにした。しかし…

「フィデルとチェ」はフィデル・カストロを主役にしたキューバ革命を描いた映画だった。アメリカ資本が独裁政権と結託して島を経済的に支配する。真の独立を求めてゲリラ戦を始めるフィデル、そしてそこに参戦するチェ・ゲバラ。しかし、そこに描かれる世界はやるせない。理想に燃えた革命運動も結局は同じような粛清を伴う独裁政権に取って代わった、とこの映画は言いたいようであった。ここでのゲバラは過激さだけが強調されている。クレジットを読むと2002年アメリカ映画。確かに英語を話すフィデルとチェであった(苦笑)

製作する側の視点の違いによるものか、描かれたゲバラの印象もまた異なる。どうも登場人物たちに対するリスペクトの違いによるもののようにも思われる。私には製作者たちの志の違いまで見えてきたような気がした。