仙台市博物館「ご覧あれ浮世絵の華- 歌麿・北斎・広重 平木コレクションの名品」展を観た。チケットは昔の同僚の旦那様から頂いてしまった(^^)v
平木コレクション所蔵の浮世絵で綴られた「浮世絵の歴史」とも言える内容で、モノクロ浮世絵→二色刷り→錦絵、そして全盛時代を経て小林清親に至るまでがわかる展示だ。摺りの技法についても丁寧な解説があり、私的にとても勉強になった。
で、中でも特に目が惹かれた作品がある。喜多川歌麿《橋下男女魚釣》だ。この色男、釣りに飽きたのか酒に酔ったのか、川面に杯を潜らせながら映る自らの姿を見ている。
喜多川歌麿《橋下男女魚釣》(1789-1801年)
観た瞬間、これってカラヴァッジョ《ナルキッソス》の歌麿版じゃない?!と思った。だって、なにより立ち膝のヒザカブを見てご覧なさいな。あの膝株と同じなのだ!!(同様に構図的にも放物線(弧)の連続・連環を意図している。)
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カラヴァッジョ《ナルキッソス》(1598-99年)パラッツォ・バルベリーニ
あのサルバドール・ダリ《ナルキッソスの変貌》もこの膝株が重要なモチーフになっているほどで、カラヴァッジョ《ナルキッソス》のある意味誇張されたキモなのである。
サルバドール・ダリ《ナルキッソスの変貌》(1937年)
私的に見れば、橋下の色男は釣りよりも綺麗な女よりも「自分」が一番好きな江戸のナルキッソスということになる。歌麿は女をよく観察しているけど、男もよ~く見ているなぁ~(笑)。