国立西洋美術館「モネ展」が10月5日から始まったが、体調がまだ不安定なので、いつ行けるかわからない。
・公式サイト:https://www.ntv.co.jp/monet2024/
・作品リスト:https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/pdf/2024monet_list.pdf
作品リストを見ると、どうやら西美所蔵作品とマルモッタン美術館所蔵作品を中心とした構成のようだ。
で、まだ観に行けないものだから、2018年秋のアルベルティーナ美術館「モネ展」を想起し、デジカメ写真を再見しながら、あらためて気が付いたことがあった。
・公式サイト:https://www.albertina.at/en/exhibitions/monet/
展示作品は欧州&米国の美術館所蔵作品が中心であり、目玉作品が国立西洋美術館《舟遊び》であったのが私的に嬉しかった。
で、展示作品の中に、その年の春に訪れたばかりのバイエラー財団美術館《睡蓮》も展示されていた。うかつにもバイエラー作品だとは気が付かず、「私好み💛」として写真を撮っていたのだ。
クロード・モネ《睡蓮》(1916-1919年)バイエラー財団美術館
バイエラーで観た時より好印象で、より色彩の深みも増し、睡蓮の花と葉の緑のコントラスト、池面に映る空の表情も鮮やかなような気がした。
何故なのか??
バーゼルにあるバイエラー財団美術館は建築家のレンゾ・ピアノによる設計で、館内には自然光があふれていた。
・公式サイト:https://www.fondationbeyeler.ch/startseite
館内の広い展示室の一面に、モネ作品は並んでいた。
3枚並びの右端の作品が《睡蓮》である。
クロード・モネ《睡蓮》(1916-1919年)バイエラー財団美術館
自然光の中で近接し、モネの筆致をしみじみ味わうことができた。多分、モネが描いたジベルニーの光の色彩そのままなのかもしれない。睡蓮池の水面に移ろう光と色彩を留めようとしたモネの筆致が鮮明なのである。
で、写真を比較しながら「何故なのか??」が了解された。
バイエラーの《睡蓮》はキャンバスそのままあり、かつ、自然光の中で展示されていた。一方、アルベルティーナの《睡蓮》は額装され、照明の下で展示されていた。要するに、額装と照明の効果が了解されたと言うべきなのかな?
どちらが良いとかは関係なく、両方観ることができたのはラッキーだったと思う。自分の場合だが、自然光では客観的に見がちであり、効果を高めるための照明の下では「鑑賞」がちかもしれない。好きな作品ならどっちでも観ていて嬉しいものだしね。
この秋の東京なら、カナレット展がおもしろそうですね。私はウォレス コレクションでカナレットみて好きになりました。あの冷たい澄み切った乾燥した空気感がなんともいえない。ただ、英国にあるカナレットのなかには出来がいまいちのものもあるようです。
ダリッチあたりは期待できそうです。
で、「カナレット展」も始まったようで、やはり観たい展覧会です。ウォレス・コレクションのカナレットの記憶が遠いのですが(汗)、多分ヴェネツィアの快晴の光を写した作品なのでしょうね。英国にはグランドツァー絡みのカナレット優品が多いような気がします。