何故か途中下車(?)の東京です。せっかくなので観るべきものは観ることにしました。サクッと感想です(^^ゞ
・「伊東マンショの肖像」 東京国立博物館
ヴェネツィア派(ティントレットの息子!)が描いた初めての日本人です!伊東マンショ君はなかなかに威厳をもって描かれているように見えました。でも、なんだか不安げな眼差しも感じたのですけどね。遠い日本を離れイタリアまでやってきた心労も透けて見えるような気もしますね。ということは、ドメニコ・テントレットの筆力もあり、ということでしょうか?
私的には「作品」としてよりも「歴史」としての重みをずしっと感じてしまいました。なにしろイエズス会ですからねぇ、帰国したらキリスト教禁止令ですしねぇ...。ちなみに、帽子の飾りメダルの人物は誰なのでしょう?ちょっと気になりました。
ゲストのやすこさんさんのシンポジウム・レポートによると、「作品発見」に至る来歴調査もとてもスリリングだったようで、1枚の絵の持つ物語の深さと広がりが凄いなぁと思いました。
・「ポンペイの壁画展」 森アーツセンターギャラリー
はっきり言って、考古学的古代は苦手です(^^ゞ。でも、今回の展覧会は「考古学的」なものではなく「絵画」をテーマにしているので見応えがありました。
面白いのは、建築物を遠近法的に描いてはいるけれど、正確な遠近法ではないので、眺めていると、なんか変!で、だまし絵というより不思議な空間を描いているなぁと思ってしまいました。ちなみに、某先生が「入り込めない」とおっしゃっていたのが了解できました。
で、やはりハイライトはアウグステウムの大画面の神話画でしょうね!《テイセウスのミノタウロス退治》は本当にラファエッロ風なんだもの~♪あ、たれ目っぽいのがちょっと玉木宏二に似ていると思いません?(笑)。それにしてもルネサンスの古典古代がそこにありました!!
で、ミラノ「MITO E NATURA」展でも展示されていた「静物画」、クセニアもありましたね。できたら、もうちょい良品を持って来てほしかったです(^^;。「風景画」は第4様式の神的領域(聖域)の風景が多かったけど、時代が遡るマケドニア時代の墓所風景画に似ていたのは聖域だからということ??
それから、会場で図録を見ていたら、ミラノの展覧会で気に入っちゃった緑の美しい《庭園の風景》が「黄金の腕輪の家」の壁画であることがわかり、はい、お勉強をしてしまいました(汗)。ということで、今まで避けていたポンペイを訪れたくなった興味深い展覧会でしたです(^^;;
で、で、今、ネットで公式サイトをチェックしたら、豪華なギャラリートークがあったのですね!!わぁ~、贅沢だわぁ~、残念だわぁ~(>_<) それに、NHK「日曜美術館」アートシーンも観れないっ!!