ホテルにチェックインし荷物を部屋に置いたついでに、フレッチャ・ロッサで貰ったおやつ(?)でお腹を少し満たした。ジャルディネッティからヴァポレットに乗り、サン・トーマに向かう。目指すは久々のサンタ・マリア・グロリオーサ・デイ・フラーリ聖堂である。ヴェネツィアに来たからにはベッリーニ《フラーリ祭壇画》にも挨拶をしなくてはね。(ティツィアーノ《聖母被昇天》は私的にはオマケかも)。
サンタ・マリア・グロリオーサ・デイ・フラーリ聖堂(Basilica di Santa Maria Gloriosa dei Frari)
https://www.basilicadeifrari.it/
このフランチェスコ会の教会はゴシック様式で1396年に完成している。
もちろん、この聖堂を有名にしているのはティツィアーノの傑作《聖母被昇天》である。内部に入ると内陣仕切りから中央祭壇の《聖母被昇天》が目に飛び込んでくる。
ティツィアーノ《聖母被昇天》(1516-1518年)(板に油彩)
しかし、私的にはやはりジョヴァンニ・ベッリーニの《フラーリ祭壇画》なのである。
ジョヴァンニ・ベッリーニ《フラーリ三連祭壇画》(1488年)(板に油彩)
ベッリーニらしい完成された美しさを見せる。聖母子の足元にいる楽奏使たちも可愛らしい。この左右の聖人立像がヴェネツィアを訪れたデューラーに影響を与えたことがなんだか嬉しい。
今回、えっ?と思ったのは、祭壇画の前にロープ仕切りがあり離れて観るしかなくなっている。前回はもっと近い位置で観られたような気がするのだが...。
この聖堂にはティツィアーノによる《ペーザロ祭壇画》もあるし、仰々しいティツィアーノ記念碑彫刻もあるはで、なんだかティツィアーノの聖堂とも思ってしまう。すぐ近くのサン・ロッコがティントレットのスクオーラと言えるのと同じかも?
ティツィアーノ《ペーザロ祭壇画》(1519-1526年)
この《ペーザロ祭壇画》で興味深いのは、ペーザロ家とボルジア(教皇アレクサンデル6世)の紋章のある旗を掲げていることで、対トルコ戦争での両者の結びつきを示しているようだ。
本当に見どころの多い聖堂ではあるが、先を急ぐので(帰国まで先が長すぎる)他は省略ということで...最初の方にフラーリ聖堂のリンク先貼ってあるのでご参照あれ(汗)。