展覧会の第2章は「謡本と光悦蒔絵」であった。
所謂「嵯峨本」や「光悦蒔絵」における光悦の関与については定かではないらしい。しかし、多分、光悦風な斬新で雅な謡本や蒔絵が当時の人々の目を惹き、魅了したことは確かな気がする。
下↓は唐草模様の端正な美しさに魅了されてしまう《花唐草文螺鈿経箱》。「経箱」ながら漆黒に螺鈿草文の麗しさが際立つ。
本阿弥光悦《花唐草文螺鈿経箱》(江戸時代 17世紀)本法寺
しかし、光悦の蒔絵と言ったら、やはり展覧会オープニングを飾る《舟橋蒔絵硯箱》が素晴らしい!!
本阿弥光悦《舟橋蒔絵硯箱》(江戸時代 17世紀)東京国立博物館
美術ど素人の感想ではあるが、光悦の《舟橋蒔絵硯箱》を観ていると、高台寺蒔絵とは異なる系譜がここから始まるような気がするのだ。
下↓2作品はいわゆる「光悦蒔絵」。
《舞楽蒔絵硯箱》(江戸時代 17世紀)東京国立博物館
《子日蒔絵棚》(江戸時代 17世紀)東京国立博物館
後の尾形光琳(1658-1716年)、小川破笠(1663-1747年)や原羊遊斎(1769-1846年)の源流に本阿弥光悦の存在があるのだなぁと、(勝手に)しみじみ了解できたのだった。
さて、第2会場に移って、第3章は「光悦の筆線と字姿」だった。
恥ずかしながら私は書がよくわからないのだが(汗)、光悦の書は墨筆線にリズムがあり、その強弱がデザイン的で目に心地よい。
特に、俵屋宗達の下絵に墨蹟が躍る《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》なんて、きゃ~っである。鶴の動きと書のリズムに目がシンクロで喜んでしまうのでしたわ。
本阿弥光悦 筆・俵屋宗達 下絵《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》(江戸時代 17世紀)京都国立博物館
https://www.kyohaku.go.jp/jp/collection/meihin/kinsei/item02/
※ご参考:びじゅチューン!「鶴下ウェイ」
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=zV1gwR-x52s
ということで、超サクッと感想ですみませぬ(汗)。次回は「光悦茶碗」!