中里保子さん「秋草」の内部映像です。箱の上部に設けられた大きめの覗き口から見ると、美しい色合いの、横向きの円錐形のイメージを中心に、この写真よりもさらに広がりのある映像が見えます。万華鏡の内部に無限の世界が広がっている3D映像の面白さです。
ミラーシステムはテイパードの4ミラーシステム。正確に言うと3面がミラーで第4面は外部と同じ赤いガラスに撫子などの花を刻み込んだもの。きれいな円盤状に、円錐のまわりに映りこんでいます。
オブジェクトセルは本体の内部に横長に位置するシリンダーで、バーナーワークなどによるガラスのオブジェクトが詰まった、ドライタイプです。本体の側面についている小さなノブを回して映像の変化を楽しみます。外部のデザインも素敵ですが、内部に展開する映像表現が、中里さんのアートの個性をよく表し、美しかったからこそ高い評価を得たのだと思います。
オブジェクトがより自由に動きやすいオイルセルにすることも考えたそうですが、昨今の空港でのセキュリティーチェックの厳しさから万が一のことを心配し、液体入りシリンダーの持込を断念したとのこと。でもこれは本当に笑えないほど深刻な話です。
もう一つの特徴はミラーシステムの際(きわ)に施された透明なガラス細工です。この映像ではやはり立体的な輪のようになって円錐の下部を飾り、オブジェクトの色を映しこんで華やかさを添えています。
万華鏡の映像には偶然性も多いですが、それは作家さんの緻密な計算の上にこそ成り立つものなのですね。作家さんの意図する表現に、光や鏡が働きかけ、想像を超えた何かが生まれる・・・そんな魅力を感じさせてくれる作品です。
(この内部写真はアトリエロッキー万華鏡館の伊藤さんにいただきました。)
ミラーシステムはテイパードの4ミラーシステム。正確に言うと3面がミラーで第4面は外部と同じ赤いガラスに撫子などの花を刻み込んだもの。きれいな円盤状に、円錐のまわりに映りこんでいます。
オブジェクトセルは本体の内部に横長に位置するシリンダーで、バーナーワークなどによるガラスのオブジェクトが詰まった、ドライタイプです。本体の側面についている小さなノブを回して映像の変化を楽しみます。外部のデザインも素敵ですが、内部に展開する映像表現が、中里さんのアートの個性をよく表し、美しかったからこそ高い評価を得たのだと思います。
オブジェクトがより自由に動きやすいオイルセルにすることも考えたそうですが、昨今の空港でのセキュリティーチェックの厳しさから万が一のことを心配し、液体入りシリンダーの持込を断念したとのこと。でもこれは本当に笑えないほど深刻な話です。
もう一つの特徴はミラーシステムの際(きわ)に施された透明なガラス細工です。この映像ではやはり立体的な輪のようになって円錐の下部を飾り、オブジェクトの色を映しこんで華やかさを添えています。
万華鏡の映像には偶然性も多いですが、それは作家さんの緻密な計算の上にこそ成り立つものなのですね。作家さんの意図する表現に、光や鏡が働きかけ、想像を超えた何かが生まれる・・・そんな魅力を感じさせてくれる作品です。
(この内部写真はアトリエロッキー万華鏡館の伊藤さんにいただきました。)