Reflections

時のかけらたち

坂本龍一×福岡伸一 "SWITCHインタビュー 達人達"  Ryuichi Sakamoto × Shinichi Fukuoka

2017-07-20 18:53:52 | people
●『SWITCHインタビュー 達人達(たち)「坂本龍一×福岡伸一」』
NHK Eテレ 6月3日(土)午後10時00分〜 午後11時00分
今年8年ぶりのオリジナルアルバムで新たな音楽に挑戦した坂本龍一と、「動的平衡」の概念で生命の謎に
挑む福岡伸一が、活動拠点のニューヨークで語り合う。




最新アルバムで街の雑音などいわゆるノイズを取り込み、秩序だった既製の音楽像とは異なる音楽を制作した坂本。
一方福岡は、「動的平衡」について考察する過程で、論理を越えた自然の力の大きさに魅せられてきた。
坂本がコンサートを行ったホールと福岡が研究活動を続けるロックフェラー大学で、2人は秩序や論理の限界を知り
自然を見つめ直すことの重要性や、音楽と生物学の意外な共通点についてトークを繰り広げる。


                         

ずいぶん前の番組になるが、ビデオに撮っておいてやっと見ることができました。
私の最も興味ある科学者、生物学者の福岡伸一と坂本龍一のトーク。
福岡さんの本は読んだことがないのだけど、コラムや書評でいつも引っかかっていました。
須賀敦子さんの本が好きなのですよね。

今回の坂本さんとの対談も本当に面白くて、何回でも聞きなおしたくなるとても興味深いものです。

メモを取っていた方がいたので、興味ある方は参照してください。

私が一番納得したのは福岡さんの「生きていることを思い出させるという装置としての音楽」という言葉。
いつもコンサートで感じているのはこのことなのだと・・

坂本さんは自然本来の音に戻って行って、楽器も自然に戻してあげたいと言っていました。
ピアノの弦を直接たたいたり・・
環境音楽やジョン・ケージのノイズのように本来ある音も音楽で、新しいものを加える必要なんてないと・・
これはちょっとスコット・ウォーカーの現代音楽にも共通しています。声は誰のでなく人間の声を表現したいと
昔はあんなに歌が上手だったのに、最近は個性を殺しているような・・


フィシスの回復。
フィシスとロゴス。分類して言葉に置き換えてもあまり意味はないという福岡。
どっちかというとロゴスの世界にいる現代人。
でもレオナルド・ダ・ヴィンチは最後に残るのは言葉だと言った。

登ったからこそ見える次の山を目指したいと語る坂本龍一。まだ夢の途中。
今まではランダムに山を登っていたがもう時間がない。

お二人の話し方も含めて、ものすごく魅力的な対談でした。
いつだったか芸大でノーベル賞受賞者3名も集めて行ったシンポジウム芸術と科学の接点(融合?)より
数倍おもしろかったです。


明日から少しの間、自然の中に行って自然の音を聞いてきます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする