Reflections

時のかけらたち

残像 ・・・ afterimage

2017-07-28 23:52:06 | movie


希望の見えない映画にしたのは、これが過去のことだけでないからだと
思いました。




一人の人間がどのように国家に抵抗するのか。
表現の自由を得るために、どれだけの代償を払わねばならないのか。
全体主義のなか、個人はどのような選択を迫られるのか。
これらの問題は過去のことと思われていましたが、
今、ふたたびゆっくりと私たちを苦しめ始めています。
――これらにどのような答えを出すべきか、私たちは既に知っているのです。
このことを忘れてはなりません。   
                       アンジェイ・ワイダ 2016年、初夏。

管理された体制の中で国家はいかに簡単に個人の自由を
奪い追いつめて行ってしまうのか・・

何十年も前に文化大革命っておかしいと当時の中国語の先生をしてくれた
先輩に話したことがあった。その当時彼女はそこは通らざるを得ない道だと
答えていた。共産主義っていうのも今思うとすごく怖い。個人の自由がない。
違う考えを持つ者は生きていけない世界。

今の中国は共産主義と言えるのか何かさっぱりわからないけれど
相変わらず強い権力で統治していかないと成り立たない多民族国家なのだろう。

現代でもこんなことが起きているという最近のニュース。



中国:民主活動家 劉暁波氏が拘禁中に死亡

それでも彼の表情は清々しくさえ思える。





昨日たまたま岩波ホールをチェックしたので、ワイダ監督の映画に気が付いたのだけど
なんと次回、明日からエミリー・ディキンソンの伝記映画。

学生時代に大好きだった詩人。リルケやヘッセ、ホィットマン、ワーズワースとかに並んで。

家にある本を探したら、和訳の方が見つからなくて、よく読んでいたのでどこかに紛れて
しまったのだろうか。 原文の方はちょうど映画でも紹介されていた A Letter to the World。







インターネットで探していたら、私の米文学の先生、亀井俊介がディキンソンの詩集を編集していた。最近はオーラル・ヒストリー
を出版された記事がたくさん出ていた。私が卒論をW.Whitmanにしたのは彼の影響が強いと思う。30代で学士院賞を取る
切れる先生だったけど、自由でアカデミックでなかったところが良かった。米文学の講義は本当に楽しかった。
今でもご健在で活躍されていてうれしく思いました。もう80を超えている年令ですが。
コメント
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