
ピヨートル・アンデルシェフスキ ピアノ・リサイタル
2019年6月4日
すみだトリフォニーホール



プログラム
シューマン/フゲッタ形式の7つのピアノ小品 作品126
暁の歌 作品133
ベートーヴェン/ディアベリのワルツの主題による33の変奏曲 作品120
アンコール
バッハ/平均律クラヴィーア曲集第2巻より
Ⅷプレリュードとフーガ BMV877

私が今最も注目するピアニスト アンデルシェフスキのコンサートがあることを知り、慌ててチケットを取って
聴くことができました。できれば八ヶ岳高原ホテルのコンサートホールで聴きたかったけれど。
3回目のコンサートです。
昼間小石川後楽園を鳥を求めて歩いた後でしたが、疲れて寝ることもなく、音楽の世界に浸りました。
私が驚いたのはこんなに素晴らしいピアニストなのに前の両端に空席があったこと。安い席は満杯だけど・・
少しでも空席があれば目立つから、ちょっと残念でした。そんなこともあるのかと初めての経験でした。
今回は少し前に発見してショックを受けたシューマンの晩年の曲が聴きたくて、とても期待してきたのですが
最初にYouTubeで聞いた時の感動の方が大きかったです。
その深く静かな演奏が心に深く入っていきました。
暗く静寂を感じる音楽はそれでもほのかな希望を感じさせるものでした。
今回のコンサートは後半のベートーヴェンのディアべリ変奏曲にポイントがあることがわかりました。
私にはなじみのないこの曲はバッハのゴールドヴェルグ変奏曲と並ぶ2大変奏曲であることを
知りました。難解なイメージの曲です。
彼と『ディアベリ変奏曲』との因縁は、1990年の「リーズ国際ピアノコンクール」にまで遡る。選曲が自由な
「リーズ国際コンクール」にあっても、『ディアベリ変奏曲』を選択すること自体が驚きだ。しかも予選での
圧倒的な演奏によって聴衆を魅了したにもかかわらず、他のプログラムに満足できずにコンクールを棄権して
しまったことは、今もピアノ・ファンの間で語り草だ。その後、彼の名を一躍有名にしたアルバムも
『ディアベリ変奏曲』であったことが記憶に残る。伝説的な「リーズ国際コンクール」からすでに30年もの年月を
重ね、今や世界で最も注目されるピアニストの1人となったアンデルジェフスキが奏でる“現在の”『ディアベリ変奏曲』
とは一体どのようなものだろう。
アンコールのバッハがすばらしく、それはヒラリー・ハーンのバッハと同じく音楽が天上から生まれて
来るようでした。彼の作り出す音楽は生きています。
終わってからCDにサインをしてもらいました。今回は英語でこのCDが気に入っていることと
やっぱりシューマンとバッハが好きと話しました。とてもやさしい佇まいの人でした。
ベートーヴェンはもうちょっと聴きこまないととらえられないかもしれません。

シューマンについて
アンコールの曲とは違うけど、プレリュードとフーガ
若いころの演奏でフランス組曲からサラバンド
演奏活動を休止したこともあり、いろいろと深く考えるタイプのようだけど、また音楽を聴くことが
できてうれしいです。
参考)
ベートーヴェン 『ディアベリの主題による33の変奏曲』シューベルトやムソルグスキーにもつながる宇宙
このサイトに「Scott Walker Sings Jacques Brel」も取り上げられていて驚きました。

June 4 2019 Sumida