今日は七夕です。
かささぎの 渡せる橋に おく霜の
白きを見れば 夜ぞ更けにける
中納言家持(6番) 『新古今集』冬・620
唐詩選の張継(ちょうけい)「楓橋夜
泊(ふうきょうやはく)」の一節「月落ち烏(からす)啼いて、
霜天に満つ」を元にしたもので、冬の冴えわたる夜空の星を、白
い霜に見立てたもの。
冬の夜空を見上げて、天の川に輝く夜空の星が美しい。冬の夜
がふけていくなあ、と感じ入っている歌です。
「かささぎの橋」というのは、七夕の織り姫と彦星の話のこと
です。中国では七夕の一日だけ、たくさんのかささぎが天の川に
翼を広げて織り姫の元へ彦星が渡って行けるようにしたわけです。
今日初めてカササギと七夕との関係を知りました。
何とロマンティックな話でしょう。私は百人一首にもある家持のこの句が好きですが
そういうことだったのですね。私は宮中の句かと思っていました。解釈は二通りあるとの
ことでした。
昨日いろいろ日本の音楽家のことを調べていたら、なんとビル・エヴァンスのドキュメンタリ映画が来ていたのですね。
もう今週くらいで終わってしまうので慌てて、今日のヨガはキャンセルして渋谷のミニシアターまで行ってきました。
初めて行くミニシアターアップリンクです。
インタヴューの中で「彼のことはよくわからない、けれど彼は彼の音楽の中にいる」と言う言葉が印象的でした。
ビル自身は「一音を弾くごとに自分が見えてくる」と語っています。
人とは違う音楽を追及していったビル・エヴァンス。
美と真実の追及のほかのことは考えるなと言う言葉をトニー・ベネットに残していました。
チェット・ベイカーとビル・エヴァンス、二人とも麻薬に勝つことはできなかったけれど、体はボロボロに
なっても美しい音楽を作り続けました。本物の音楽を追求し続けた姿は痛ましくもあり、時間をかけた自殺とまで
言われました。
映画の中でこのfoolish heart がとても素敵でした。私も何枚もレコードや録音を持っているけれど、
マイルス・ディビスのKind of Blue に参加していたのですね。もう聴かないと思って消してしまいました。
残念。また聴きたくなりました。
あの時代のジャズの何と知的だったのでしょう。Bill Evans はあの静けさが好きでした。そのころ付き合っていた
グラフィック・デザイナーがニュー・ヨークで彼のライブを聴いて、握手してきたと帰って嬉しそうに
話していました。それ以来よく聞くようになったビル・エヴァンス。これも40年近く前のことです。
映画を見終わった帰り道、細かい雨がまだ降っていました。
この映画には小雨が似合います。
何ともやりきれない思いを抱いて帰路につきました。
July 7 2019 Shibuya
かささぎの 渡せる橋に おく霜の
白きを見れば 夜ぞ更けにける
中納言家持(6番) 『新古今集』冬・620
唐詩選の張継(ちょうけい)「楓橋夜
泊(ふうきょうやはく)」の一節「月落ち烏(からす)啼いて、
霜天に満つ」を元にしたもので、冬の冴えわたる夜空の星を、白
い霜に見立てたもの。
冬の夜空を見上げて、天の川に輝く夜空の星が美しい。冬の夜
がふけていくなあ、と感じ入っている歌です。
「かささぎの橋」というのは、七夕の織り姫と彦星の話のこと
です。中国では七夕の一日だけ、たくさんのかささぎが天の川に
翼を広げて織り姫の元へ彦星が渡って行けるようにしたわけです。
今日初めてカササギと七夕との関係を知りました。
何とロマンティックな話でしょう。私は百人一首にもある家持のこの句が好きですが
そういうことだったのですね。私は宮中の句かと思っていました。解釈は二通りあるとの
ことでした。
昨日いろいろ日本の音楽家のことを調べていたら、なんとビル・エヴァンスのドキュメンタリ映画が来ていたのですね。
もう今週くらいで終わってしまうので慌てて、今日のヨガはキャンセルして渋谷のミニシアターまで行ってきました。
初めて行くミニシアターアップリンクです。
インタヴューの中で「彼のことはよくわからない、けれど彼は彼の音楽の中にいる」と言う言葉が印象的でした。
ビル自身は「一音を弾くごとに自分が見えてくる」と語っています。
人とは違う音楽を追及していったビル・エヴァンス。
美と真実の追及のほかのことは考えるなと言う言葉をトニー・ベネットに残していました。
チェット・ベイカーとビル・エヴァンス、二人とも麻薬に勝つことはできなかったけれど、体はボロボロに
なっても美しい音楽を作り続けました。本物の音楽を追求し続けた姿は痛ましくもあり、時間をかけた自殺とまで
言われました。
bill evans, my foolish heart from boyd bilbo on Vimeo.
映画の中でこのfoolish heart がとても素敵でした。私も何枚もレコードや録音を持っているけれど、
マイルス・ディビスのKind of Blue に参加していたのですね。もう聴かないと思って消してしまいました。
残念。また聴きたくなりました。
あの時代のジャズの何と知的だったのでしょう。Bill Evans はあの静けさが好きでした。そのころ付き合っていた
グラフィック・デザイナーがニュー・ヨークで彼のライブを聴いて、握手してきたと帰って嬉しそうに
話していました。それ以来よく聞くようになったビル・エヴァンス。これも40年近く前のことです。
映画を見終わった帰り道、細かい雨がまだ降っていました。
この映画には小雨が似合います。
何ともやりきれない思いを抱いて帰路につきました。
July 7 2019 Shibuya