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2月の空気は冷たく何か精神が覚醒しそうなそんな感じがします。
今日は雪になるかとの予報でしたが、雪は降らずに済みました。
私は2月14日が結婚記念日ですが、主人はこの2月の空気が好きだと
結婚式で挨拶をしていました。
たまたま神崎主計(俳号 縷々)のことを見ていたら、2月11日生まれで
亡くなったのが2月28日(祖母は手帳に雪が降っていたと書いていました)。
この頬に冷たい風を感じる日に友との永遠の別れがありました。
昨年の11月の始めにお見舞いに病院まで行って、彼女の治療計画とかいろいろ
聞いて、友人と3人で持って行ったケーキを食べました。ポットにコーヒーも入れて。
その後、いったん退院して、1週間弱家にいて、治療のための再入院。それは腰とか
痛く、通院が困難な彼女のために取ってくれた病院の配慮でした。11月の終わりに
治療中の病気ではなく大腸の出血であまり詳しくはお聞きしていませんが
手術後意識が戻られなかったようです。2月4日に連絡があり、3日に旅立ったとの
ことでした。私が知っているのは病気の原因がわかり、治療が進み、回復することを
描いていた彼女でまた元気になってコンサートに行こうと言っていたのに。
今日最後に会った彼女はあの治療中の様子とはかけ離れて別人のようでした。
穏やかに眠っていましたが、痩せてしまって・・
神様はこの世でもっと楽しませてくれないで、この世の苦しみから彼女を救い
永遠の安らぎの中に連れて行ってしまったのだと思いました。
参加する人の少ない静かな告別式でしたが、本当に彼女をよく知っている人たちに
囲まれて、友達のすすり泣きが聞こえ、きっとかわいがったであろう甥御さんたちも
号泣していました。私も自然に流れる涙が頬を伝い、ときどきぬぐいました。
でも最後にお別れした彼女はあまりにも変わっていたので、実感がわきませんでした。
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元気になって行けたらいいねと話していたアヴデーエワのコンサートが2月にあることを
知り、慌ててオペラシティでのチケットを取りました。昨年の6月に私といつも一緒に
コンサートに行っている方が行けないので彼女を誘いましたが、行けなくなり、次回ご一緒
しましょうと話していたのに。
最近は毎日シラグーサのCDを聴いています。彼女からのプレゼントです。暖かく若い澄んだ声です。
私も好きなテノールでしたが、最近は彼女のイメージも重なって、もっと心に響きます。
彼女の棺の中にファビオ・ルイージのN響のパンフが入っていました。一緒にサイトウキネンで
ファルスタッフを見たことを思い出します。ルイージの指揮は他にも一緒に行きましたね。
最後のマリア・ジョアン・ピリスや一緒に行ったコンサートが浮かびます。
あとはボランティアの日本語のテキストも入っていました。一人残された娘さんが準備された
のでしょうね。うちと同じような環境なので他人事とは思えません。
帰り道、珍しくかわいい鳥の声で空を見上げたら、うちの近くの公園の枯れ枝の上の方に
エナガが来ていました。
いつも穏やかで冷静でつつましやかで上品だった彼女はいつまでも私の友人で、人生の師でも。
彼女の人生に拍手を送りたい。今彼女の魂は自由に羽ばたいているのでしょう。
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こういうことが増えていく年齢になったのだなと思います。友達との一瞬一瞬も大事な時間となりますね。