5月26日
イタリア語の先生と友達と一緒に見に行こうと話していた映画のスケジュールが合って
同じ日に行くことができました。とてもお得なシネ・スィッチのレディスデイです。
イタリア映画づいています。たまたま「丘の上の本屋さん」を見た時に予告をしていた
「帰れない山」とフランス映画「それでも私は生きて行く」は見てみたいと思っていました。
Le otto montagne 2022年 イタリア=ベルギー=フランス 147分
スタッフ
原作 パオロ・コニェッティ
監督、脚本、共同製作 フェリックス・ヴァン・フルーニンゲン
シャルロッテ・ファンデルメールシュ
撮影 ルーベン・インペンス
- キャスト ピエトロ ルカ・マリネッリ ブルーノ アレッサンドロ・ボルギ
自然と呼ぶのは都会人だけ・・と言うブルーノのことばがささりました。
都会で忙しく働くピエトロの父親は山の中で本当の自分らしさをみつけるけれど、山で暮らすブルーノほ
自然と一体になってその厳しさも知り尽くしているから出る言葉だったのかしら。
親に反発して大好きだった父との山の生活を捨てて、自分の居場所を求め続けていたが、父の死後一緒に登った
山々を一人登り、父親のほんとうの気持ちを知り、父の想いが息子に繋がります。
何十年ぶりに会っても変わらない友情、遠く離れていても思いあうことができる友情は素晴らしいと思う。残念なことは
女性より気持ちが理解ができること。ピエトロは自分の場所を求めて世界放浪の旅に出てネパールに居場所を見つけ
作家となり、愛する人にも出会うことができた。一方ブルーノは一人自然の中で暮らし続け、家族は彼のもとを去り
自然の厳しさの中で突然亡くなってしまう。
普遍的なテーマで見終わってからじわっと心の中に波紋が広がって行きました。
さりげく淡々とした映画でしたが、自然と人間、自然と都会、親子の絆、自分の居場所、友情など普遍的なテーマは重厚で
考えさせられる映画でした。
原タイトルが8つの山でそれがどうつながっていくのか見ていたのだけど、途中でネパールから戻ったピエトロが語るのが
仏教などの世界観にある8つの山の話。
8つの山 真ん中にあるのが須弥山
8つの山をめぐるピエトロと、中央の山から出ないブルーノの二つの生き方
8つの山とは?(THE EIGHT MOUNTAINS)
世界の中心には最も高い山、須弥山(スメール山、しゅみせん)があり、その周りを海、そして 8 つの山に囲まれている。
8つの山すべてに登った者と、須弥山に登った者、どちらがより多くのことを学んだのでしょうか。
※古代インドの世界観で、世界の中心にそびえる聖なる山。仏教、バラモン教、ジャイナ教、ヒンドゥー教にも共有されて
いる概念。ピエトロはネパールでこの話を知り、ブルーノに伝える。
共有する思い出も一人が欠けたら消えてしまうという言葉が悲しい。「帰れない山」と言う日本語タイトルはもう戻れない世界
と言う意味をあらわしているのだろう。
小説の方も読んでみたくなるような作品でした。最近ダンテの「神曲」にも興味がわいてきて、やりたいことが多くて
どうしたらいいのかわからないくらい。それでも何でも少しずつしか進まない私はやっと仏教関係の古典を読み終わり
なんて仏教って難しいのだと思ったところです。
映画『帰れない山』予告編
『帰れない山』フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン&シャルロッテ・ファンデルメールシュ監督 大きな世界に存在すること【Director’s Interview Vol.310】
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