庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

スパムメール対策

2007-02-26 23:12:00 | その他
WEB上でメールアドレスを公開している限り、まあ仕方のないことではあるが、数年前からスパム(迷惑)メールの量が増えてきて、最近は毎日100通を越えるようになった。

去年までOE(OutlookExpress)の振分け機能で5割方、残りはひたすらデリートで対処してしてきたのだが、あんまり鬱陶しいのでこないだから「SpamFighter」というネット機能をフル活用したソフトを使ってみたらこれがとても良かった。ところが基本的に有料ソフトだけあって、試用期間が終わったら送信メールにこれまた鬱陶しい宣伝文が付くようになった。

それではと、フリーの「迷惑メール振分けソフト」を幾つかDLしてみたのだがどれも設定が面唐ナ使いものにならない。これはもう、メーラー自体を変えるしかないという結論に達した。

そこで、数日前から迷惑メール撃退機能が充実しているというベッキーを試し、最終的にサンダーバードに落ち着いた。これももちろんフリーのメーラーだが、OEの設定をそのまま簡単に引き継ぐことができる。動作が軽いし、学習能力があるというフィルター機能もすこぶる優れていて、すでに9割方自動的に削除してくれている。ありがたいことだ。これでつまらない作業に貴重な時間を使わないで済むようになるかもしれない。

ことほど左様に、文明の利器は常に便利と不便、明と暗が背中合わせになっている。人間が作り出したものはすべからくそうだと言えるだろう。小は手近な生活道具から大は社会国家の諸制度に至るまで、何らかの幸福を作り出すための道具が、同程度の不幸を作り出さずにはいない。

であるとするなら、もの作りを止めることができない宿命をもった人間が、自ら作り出したものの中で取るべき賢明な生き方は、幸不幸の狭間で幸の方向を見る眼を堅持するということではないだろうか。つまり「楽観主義」を採用することである。これを「幸福主義」と言っても差し支えない。どんな環境でも何があっても、心の持ち様を幸福の方向に向けることである。具体的には「・・・ありがたい・・・」と思うことである。

こんなことは、山ほどある人生論や処世術に書いてある単なる観念論ではないか・・・と思われるかもしれないが、実はそうではない。単なる観念は客観的現象を生まないが、心底からの感謝の一念は必ず何らかの具体的事実として現れ、手に触れることのできる形となって結果する。これがこの地球上に無数にある生命体の一つである人間という変な存在の面白いところだ。
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ビクトル・ユゴー

2007-02-26 15:46:16 | 言葉
今日2月26日はユゴーの誕生日。英訳から少し彼の言葉を拾っておこう。



Adversity makes men, and prosperity makes monsters.

逆境は人間を作り、繁栄は怪物を作る。

An intelligent hell would be better than a stupid paradise.

聡明な地獄は愚かな天国よりも良いものだ。

As the purse is emptied, the heart is filled.

財布が空になるにつれて心が満たされる。

Fashions have done more harm than revolutions.

流行は革命よりも害をなしてきた。

Forty is the old age of youth; fifty the youth of old age.

40歳は若年の老齢、50歳は老齢の若年。

Have no fear of robbers or murderers. They are external dangers, petty dangers. We should fear ourselves. Prejudices are the real robbers; vices the real murders. The great dangers are within us.

強盗や殺人者を恐れることなかれ。彼らは外側の些細な危険である。我々は自分自身を恐れるべきだ。偏見が真の強盗であり、悪徳が真の殺人者である。巨大な危険は我々の内側にある。

It is from books that wise people derive consolation in the troubles of life.

賢明な人々が生活上の困難から慰めを得るのは書物である。

Mankind is not a circle with a single center but an ellipse with two focal points of which facts are one and ideas the other.

人間は中心を一つしか持たない円ではなく、理想と現実という二つの中心を持つ楕円である。

The first symptom of love in a young man is timidity; in a girl boldness.

男の臆病、女の大胆・・・これが若者の恋愛の最初の兆候である。

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水木しげる

2007-02-26 11:10:06 | 自然
昨夜のNHKアーカイブスに66歳の水木しげるが出てきた。『妖怪たちはどこへ行った・水木しげるの寝ぼけ人生』・・・平成元年、20年近く前に放映されたものだが、私はどうやらこの番組を観ていたらしく、部分々々の記憶がはっきり蘇ってくる。

彼は召集されて行ったニューギニアの原住民の生活に強く魅(ひ)かれ、戦争が終わっても現地に残ることにしたのだが、上官の説得で帰国し、戦後日本の混乱と喧騒の中で大変な苦労をしている。

ニューギニア原住民といえば、食生態学者の西丸震也も彼らの生き方に深く共鳴する人物であり、私はずいぶん以前からお二人のファンである。1922年と1923年生まれで同じ時代を生き抜いてこられた大先輩だ。お二人ともまだまだお元気なのが嬉しい。

水木しげると西丸震哉
 


初対面で気が合っちゃうわけですね、言葉が通じなくても。ということはね、いろいろ今頃になって考えてみると、彼らは森の人ですよ、いわば。人間よりも森が多いですから。だからそういう中で育つと、人間の心も何パーセントか直物化するんでしょうかね。いわゆるこう、植物と同じような感じが入ってくるんでしょうね。

だから、なんとなく暖かいし平気なんですよね。ほいで、彼らもそういう、何ていうのかな、いわゆる社会生活やいわゆる都会の生活というものがないわけですから、素直に育っちゃうわけですよ、子供のときから。だから素直な人たち、巨大なベビーですよね、ある意味で。

で、私も考えてみると巨大なベビーだったわけですよ。今頃になって分かったですけどね。ていうのはその、一部の頭は大人になっとるけど、子供のままの部分がかなりあるわけですよ。最近になって分かったですけどね。だからその子供の部分が一致するんでしょうね。で、半ばもう彼らと同じような生活をしとったんですわ。
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やっぱりこの転生を信じたいわけですよね。生まれ変わるってことを。これは世界いたるところありますから。だけど、ただ確証もないから・・・まあ、転生すればいいと思ってますけども、ひょっとしたら何もないかも分からんです。何もないと思うとこりゃ寂しいですよね。やっぱ生まれ変わるという考え方をいろいろ研究して、頭の中にこう植えつけなきゃいけないんじゃないかと思ってますけどね。

人間に生まれ変わるより、もちょっと楽なもんに生まれ変わったほうがいいじゃないかと思いますけども、虫なんかに生まれ変わるといきなり殺されますから、ありゃちょっとかなわんですけど、もちょっと楽な何かがあるんじゃないかと思いますけどね。

人間はあれですよ、この漫画描きなんかに生まれたら忙しいばかりで、もう何もないですよ。ハッと気付いたときは60歳でしたからね。あ!これから楽しまなきゃならない。時間が余ってしまったな・・・て感じなんです。

無我夢中で働かされるんです。ちょっとねえ、慌しすぎるんですよ、この日本の毎日の生活ってのは。もうちょっとゆったりした自分の時間みたいなものが欲しいわけですよ。たとえば仮に8時間労働でもね、私なんかでもそうですけど、話の筋なんか考え始めると、いったいこれ面白いのかな面白くないのかななんて考えちゃうと、8時間労働では終わらない。家に帰ってからまで考えますからね。風呂入ってから寝てからまで考えますから。そういうのは、こう、心配をしょっちゅう持ってる感じなんですよね。

だからこの、まあ胃癌は関係ないかもしれんけど、胃癌なんかなったりする人が多いってのは、やっぱこの仕事から来る心配みたいなものが多いからじゃないかと思うんですよ。だからこういうこのなんて言いますか、猛烈に働いて心配社会みたいな感じになってるんで、それがこう今嫌なんですよね。物が豊富になったことは結構なことですけどね。

だけど、何て言うんですかね、自分の地位なり何なりを確保するためにかなり心配しなくちゃならんということ。やはりこりゃえらいですよね。だからこう、幸せを感ずる余裕がないんじゃないでしょうかね。

妖怪もまた、この現実にはないけどもいるかもしれないと、そういう世界があるってことを考えるだけでも面白いし、事実またそういういうおぼろげながら何かいるじゃないかと、これがまあ妖怪をいじくる原動力なんでしょうね。すなわち快感があるっていうこと。すなわち現実が嫌いだっていうことですよ。あまり好きじゃないってことですよ。だから夢想の世界の方がファンタジーの方が子供のころから好きだったから。


今年で85歳の水木は「最近はどんどん人間離れして妖怪に近づいてきています。そのためますます元気ですよ。」と言っている。
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