碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

飛び石だけど全部足したら10時間テレビ

2008年08月30日 | テレビ・ラジオ・メディア
引き続き、札幌に滞在中。

UHB北海道文化放送「のりゆきのトークDE北海道」、HTB北海道テレビ「イチオシ!」の生出演も無事終わった。

「トーク」は、31日(日)に行われる北海道マラソンにちなんで、そのコースの沿道にある<味の店>を紹介するという企画。マラソンと美味。こういう柔軟な発想が楽しい。

「イチオシ!」では、<隠れ家的お店>の特集。森の中にある手打ちそばの店などが登場した。店もそうだが、店主がどんな人なのかを、ちゃんと見せている。第二の人生とか、リタイア組とかだが、「こんなことやりたいなあ」と思って見ている団塊世代も多いだろう。しかし、あくまでも成功例だからね。その裏には死屍累々があることも忘れずに。


夜は行きつけの串揚げ屋さんで、親しい演出家さんと夕飯。あれやこれやの話で盛り上がるが、気がつくとテレビの話に回帰しているのが面白い。

深夜、ホテルに戻ってテレビをONに。

すると、夕方まで自分が座っていたHTB「イチオシ!」のスタジオセットに、大泉洋さんたちが座っていて、びっくり。

真夜中なのに、「水曜どうでしょう」のコンビである大泉さん&鈴井さんをはじめとするTEAM-NACS(チーム・ナックス)のメンバーが勢ぞろいして、何やら大笑いしている。「イチオシ!」の司会者・ヒロさんもいる。司会進行役は小野優子アナだ。

実はこれ、HTB開局40周年記念企画「全部たしたら10時間 ユメミル広場に大集合」の一環だった。30日(土)に、あの「札幌ドーム」を借り切って、巨大なスタジオとして使い、早朝から夕方まで延々と生放送をするらしい。

ところが、ネットワーク(系列)というものがある。つまり、HTBが自分のところで作った番組だけを、ずっと流しているわけにいかないのだ。キー局(テレビ朝日)や準キー局(大阪の朝日放送)から送られてくる「全国放送」の番組も入れ込まなくてはならない。

そのため、ぶっ続けで「開局記念特番」を放送するのではなく、いわば飛び石状態になっている。その放送時間の合計が10時間。タイトルの「全部たしたら(=足したら)10時間」は、そういう意味なのだ。

案の定、午前1時半になったら、「朝まで生テレビ」が始まってしまった。いや、私も「朝生」はよく見るし、今回のテーマ「皇室」にも興味はある。ただ、言ってみれば40年に1度の「40周年特番」なんだから、17時間でも、24時間でも、HTBが好きなだけ生放送を続けるのを見てみたかった。

まあ、それにしても、チーム・ナックスの人気は大変なものだ。この3月まで6年間、北海道に住んでみて、実感した。たぶん、ずっと北海道にいなければ、大泉さんたちの道内における「ポジション」がどんなものか、本当のところは分からなかったと思う。

極端にいえば、彼らチーム・ナックスが所属する「オフィス・キュー」という事務所のタレントさん抜きに、北海道のテレビ各局の「自社制作番組」は成立しないのではないか。それくらい、どの局の番組にもオフィス・キュー銘柄の出演者が登場する。

大泉さんは、ドラマや映画でわかる通り、いわゆる「全国区の人」になっている。安田顕さんだって、今や「NHK朝ドラの人」だ。でも、北海道が拠点であることを変えないし、地元の番組でもまったく変わらない元気な(ハチャメチャな)姿を見せている。それがまたファンの支持を集めるのだ。

今日30日は、私も札幌ドームに行く予定。一体どんな趣向で、長時間の生放送を行うのか、現場で見てみたい。朝から行ってみるつもりだ。

そして、夕方からはFMノースウエーブへ移動。17時40分ころから、「なんてったって大人塾リターンズ」の生放送がある。


さて、寝る前の一冊だが、小川隆夫さんの新著『証言で綴るジャズの24の真実』(プリズム)である。ペーパーバックみたいな軟らかい紙質で軽い。上を向いて寝たまま読むのに最適だ。

ジャズの歴史はミュージシャンの歴史でもある。この本は、そのミュージシャンや関係者が自らの思いを語る証言集なのだ。

ディジー・ガレスピー、オーネット・コールマン、ソニー・ロリンズなど、ジャズ界の大物たちが24人。彼らの音楽観からプライベートまでを、ご本人から引き出しているのが、小川さんという一人の日本人であることに驚く。


「証言」を読みながら、ふとテレビに目をやると、西尾幹二さんや猪瀬直樹さんたちによる”東京発”の激論が、まだ続いている・・・。

証言で綴る ジャズの24の真実(プリズム・ペーパーバックス 001)
小川 隆夫
プリズム(PRHYTHM)

このアイテムの詳細を見る