碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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“教えて!系”バラエティーのブームは来年も続くか!?

2013年12月18日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今週は、「林修先生の今やる!ハイスクールSP」(テレビ朝日)を取り上げました。

「今でしょ!」の林先生、来年はどうなっているでしょう。


「林修先生の今やる!ハイスクールSP」 テレビ朝日
“教えて!系”バラエティーのブームは来年も続く

日本人は学ぶことが好きだ。また、教えられ好きでもある。「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「そうだったのか!学べるニュース」(テレビ朝日)のようなバラエティは、この特性を活かしたものだ。

先週金曜に放送された「林修先生の今やる!ハイスクールSP」(テレビ朝日)も、そんな“教えて!系”バラエティーの1本だ。林といえば、例の「今でしょ!」が流行語大賞を受賞。今年、各局で引っ張りダコだった文化人の一人だ。

とはいえ、この番組の林は教える立場ではない。逆に生徒となって学ぶというのがミソだ。しかも講師として登場したのが作家の百田尚樹。『永遠の0』『海賊とよばれた男』などのベストセラーを放ち、最近ではNHK経営委員への抜擢が話題となった。こちらもまた「時の人」である。
 
今回の講義は「ベストセラーの作り方」がテーマだ。出版界の現状、作品づくり、作家の収入など具体的な話が並んだ。たとえば小説は頭から書かず、書きたい場面をストックしていき、最後に再構成する。また書店員を味方につけるのが本を売る秘訣だという。

何しろ生徒役が林と伊集院光なので、百田先生も教え甲斐がある。見る側もつい身を乗り出す説得力があった。仕掛けと工夫次第で、“教えて!系”バラエティーのブームは来年も続きそうだ。

(日刊ゲンダイ 2013.12.17)