碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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綾瀬はるかの代表作に!?「きょうは会社休みます。」 

2014年10月29日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評



日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今週は、綾瀬はるか主演「きょうは会社休みます。」(日本テレビ)について書きました。


「きょうは会社休みます。」日本テレビ
綾瀬はるかの代表作になる異色の恋愛ドラマ

綾瀬はるかには「ICHI」や「ひみつのアッコちゃん」など、いくつもの主演映画がある。しかし、その魅力を一番引き出していたのは「プリンセス トヨトミ」だろう。

会計検査院の上司、堤真一をサポートする調査員役。生真面目で独特のカンの良さを持つ一方、超マイペースで、どこかヌケていて愛嬌がある。脇役にも関わらず、この作品のテイストを左右する存在感があった。 

そんな綾瀬にとって、「きょうは会社休みます。」(日本テレビ)はテレビドラマの代表作になるかもしれない1本だ。ヒロインの青石花笑(綾瀬)は物産会社の地味なOL。30歳だが、いわゆる男性経験はゼロである。

そんな彼女が9歳年下のバイト青年(福士蒼汰)と一夜を共にしてしまう。恋愛に不慣れで自分の気持ちに対応できず、小さなことで一喜一憂しする綾瀬。しかも同じビルにある会社のイケメン経営者(玉木宏)まで接近してくるではないか。 

美人でいながらちょっと天然のとぼけた感じを醸し出せるのが綾瀬だ。その魅力と今回の役柄がうまくマッチしており、世間知らずと不器用さと妄想癖にもほどがあるヒロインに、つい共感してしまう。

気がつけば「福士も玉木も彼女を傷つけたら承知しねえぞ!」とケンカ腰で視聴する始末だ。綾瀬はるかの“空気投げ”的演技が冴える、異色の恋愛ドラマである。

(日刊ゲンダイ 2014.10.28)