碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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【気まぐれ写真館】 キャンパスの夕景 2016.01.27

2016年01月28日 | 気まぐれ写真館

「4年生ゼミ」 今学期終了!

2016年01月28日 | 大学

三谷幸喜「真田丸」脚本の “抑制されたユーモア”

2016年01月28日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評



日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今週は、NHK大河ドラマ「真田丸」について書きました。


NHK大河ドラマ「真田丸」
“抑制されたユーモア”に拍手

「真田丸」の舞台は戦国時代。主人公は真田信繁(幸村)。演じるのは堺雅人だ。

信長、秀吉、家康といった大物たちがしのぎを削る中を、信州の小さな一族である真田家が渾身の力と知恵で生き抜いていく。その構造はどこか「下町ロケット」を思わせ、判官びいきの日本人の感性に訴えるものがある。久しぶりで大河らしい大河の登場だ。

まず注目すべきは、「新選組!」以来12年ぶりの起用となる三谷幸喜の脚本だろう。物語や人物像よりも笑いを優先されたら困ると心配だったが、どうやら大丈夫そうだ。

たとえば、信繁の父・真田昌幸(草刈正雄、好演)が、一族郎党の前で「武田が滅ぶことはない」と断言。その直後、信繁と兄の信幸(大泉洋)に向かって「武田は滅びるぞ」と平気で言ってのける。昌幸の食えない人柄を見事に表現したこの場面、三谷の“抑制されたユーモア”に拍手だ。

この草刈正雄をはじめ役者陣も充実している。堺雅人は、一見茫洋としていながら、後の“戦略家”としての片鱗もうかがわせる信繁をのびのびと演じている。また、すでに亡くなってしまったが、武田勝頼の平岳大が存在感を見せた。

今後も信長の吉田鋼太郎、家康の内野聖陽、上杉景勝の遠藤憲一など、個性的な面々がこの芝居勝負に本格参戦してくる。男たちの骨太な人間ドラマが期待できそうだ。

(日刊ゲンダイ 2016.01.27)